わたしは岐阜のド田舎出身で大学進学を機に関西へやってまいりました。
そして現在は、田舎っぺ代表として「田舎の良いところ布教し隊」の隊長を務めておりますイロドリインターン生の桑原です。
記事の最初から寒いですよね。わざとです。
なにをしても暑い夏に、文章で涼しさをかもし出そうという試みです。(ひたすら寒い)
ひとときの身震いであなたに涼しくすることが出来ていたら嬉しいです。
さて、いきなりですが、田舎出身で現在都会に住んでいるあなたに質問します。
社会を知らない学生の愚問だと一瞥(いちべつ)する方もいらっしゃるかもしれませんが、少々お付き合いいただけると嬉しく思います。
なぜあなたは地元を離れて、都会に住まなければならないとお考えですか?
きっとあなたはこう答えるはずです。
「仕事をしないといけないから」
と。
ではなぜその仕事を都会という土地でしなければならないのでしょうか?
当然、
「ここに自分の勤める会社があるから」
と答えるでしょう。
そうです、田舎にいると、就職しようと思ったときに、選択肢がないんですよね。
わたしも就活をはじめて興味本位で求人サイトで地元の地名を検索しました。
しかし、あまりにも自分がしたいと思えるような仕事を見つけることが出来ませんでした。
もちろんヒットした数も非常に少なかったです。
人がそこにいないから、大企業はそこにオフィスを構える必要性がないので、この結果は必然と言えますね……。
また、企業の大小に関わらず、人が流動的な場所に位置する会社に勤めているほうが、いろいろなつながりが望めますし、それによってさまざまなビジネスの可能性も広がるでしょう。
これは周知の事実ですので、人は都市部に移り、地方の過疎化が進むわけです。
至極当然のことを言いました。
「なにアタリマエのことを言うてんねん」
と、つっこむあなたの声が聞こえてきます。
でもあえてこれを書きました。
なぜなのか。
これは日本社会において人生の王道ルートになっているからです。
学校過程を終えて就職します。
就職する先は、選択肢の多い都市部。
入りたい会社なんてない田舎の地元なんて論外だ。
といった、一般論に基づき、現在の生活を送ることを選んだ方が大半だと思います。
かく言うわたしも、もちろんこの一般論に洗脳されていたひとりでした。
だからこそ、岐阜から関西にやって来たのです。
なのに、岐阜より都会の関西にやって来たのにも関わらず、
「就活するのに、関西は遅れてる。関東が就活の最先端や〜〜!!」
と友達が騒いでいるのを聞いて、関西という都市部ですら、田舎なんじゃないかと頭を抱えたこともありました。
まるで首都トーキョーは人を吸い込むブラックホールのようです。
トーキョーにはどれだけの人でも抱え込んでしまうだけのキャパシティがあります。
さらにはやりたいことを叶えられるだけの可能性も見えます。
そんな魅力的な土地があったら、わたしたち田舎っぺに限らず、すべての人が吸い寄せられてしまいますよね……。
つまり、「首都最強説」がまかり通ってる現状があるということです。
同様にこの説にならって、東京に準ずる都市にも人が集まってきていると思います。
この説に支配された桑原は煩悩に満ちていました。
まさしく「都会に行きたい行きたいモンスター」と化していました。
しかし、そんながんじがらめの思考から桑原を解き放ってくれる素晴らしき人物に、わたしは出会うことが出来たのです。
それは留学中のことでした。
わたしはカナダにある想像を絶する田舎に留学をしました。
そこはカナダの東端に位置する島にある小さな町でした。
人口も少なく、雇用機会もありません。
なので、多くの島民は職を求めて、島を離れて都市部に移動していくそうです。
この状況がわたしの地元のみならず、各地方が抱える問題と一致しているように感じました。
そんな中で、わたしが受講した授業の中のひとつに起業家精神について学ぶ授業がありました。
ここでその人物に出会います。
その人物とは、その授業を担当していた教授です。
彼は南米出身の中華系の人物で、生まれながらにマルチリンガルというスペックを持つ優秀なお方。
にも関わらず、おごらず、フレンドリーに授業を進めてくれるとってもかわいい教授でした。
そんな教授のもと、起業というテーマにおいて進行される授業のなかで、彼が発した言葉にわたしはひどく感動したのです。
なぜ優秀な学生たちはこの島を出て行ってしまうのでしょうか。
彼らはここには職がないからだ、やりたいことがないからだ、と言います。
確かに今はそれがここに存在しないけれど、ないならばやりたいことをここでつくって、起業してしまえばいいじゃないか。
ああ、確かに。
と、彼の言葉がすっと入ってきました。
なんだか盲点をつかれた気がしたのです。
まず、教授は何が起業に必要かということを教えてくれました。
わたしはこの授業に参加するまで、起業には「創造力」が必要だと思っていました。
わたしは0から1を作る過程が苦手で、わたしがもつ創造力など皆無に等しいんだと思っていたほどです。
しかし、これは創造力の説明としては間違っているんだそうです。
この何もないところから何かを生み出すという力は発明力と呼びます。
これは文字通り、科学者に必要なもので、起業をするにあたっては不要だと言うのです。
では真の「創造力」とはなんなのか。
それは、今ある課題に対して、既存の概念を新たに組み合わせることによって、新たな解決策を見出すことができる力。
このことを指すそうです。
これを聞いてから、起業に対するハードルがぐっと下がった気がしました。
とくに地方には解決すべき問題がゴロゴロ転がっています。
これらを解決しようと試みることこそが「創造力」なのです。
それを知ってから、「これなら私も出来るかも!」と思い、起業してみたいという気持ちを持つようになりました。
そして地方でのビジネスについて調べてみると、田舎という特色を活かした事業を成功させている起業家も多くいることを知って、より田舎での起業が身近に感じられるようになりました。
それと同時に、何かをするにあたって、周りの環境を理由にしてちゃいけないということに気づきました。
なんもないからある場所にいく。
そこならやりたいことができるから。
これは一見まっとうな意見なように感じられます。
しかし、そのやりたいことは場所を変えないと出来ないのでしょうか。
ないから、ある場所に行くのは当然なことかもしれません。
でも、それは受身の姿勢なのではないでしょうか。
ないならば、そこに何かを生み出せばいい。
そこにやりたいことを創ればいい。
非常に単純明快なアイデアではありますが、意外とこの思考に辿り着ける人って中々いないのでは?
もちろん、起業には大変なリスクが伴います。
けれども、同時に希望も大きいはずです。
特に田舎は「なにもない」からこそ、都会では既出である分野だとしても、田舎ではそれが「初めて」だったりすることもあるでしょう。
田舎だからこそできるビジネスも多いと思います。
そこで「やる」か「やらない」か。
その一歩を「踏み出す」か「踏み出さない」か。
こういった起業家精神を学ぶことで、保守的だった思考に喝が入りました。
「大学卒業後は、大企業に入社して、総合職としてバリバリ働き、キャリアを積んでいく」
というのが、いままでの私の将来像でした。
しかし現在は、こう考えています。
「大学卒業後は、スキルアップできる企業に入り勉強をさせていただいた後、地元に戻って起業する」
こんなにもわたしの将来目指す姿は変わりました。
起業に踏み切るタイミングはまだ未定ですが、いろいろな見識をつんでからが良いと考えているので、準備期間はきちんと取るつもりです。
まだ社会の荒波にもまれるどころか、何も始まってないわたしがこんなことを書くなんて、ひんしゅくを買うかもしれません。
しかし、これは経験のシェアであるとともに、わたしの宣言でもあります。
書いてしまった以上、この記事が公開されてしまった以上、この目標に背くことは出来ません。
この目標通りの人生を歩めるように、そして何年後かに起業家として名前をはせられるように、日々固定概念を壊しながら、学ぶ姿勢を大事にして、精進してまいりたいとおもいます!
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