暑さにやられて、顔が汗で濡れて、干からびそうになると、窮地におちいったアンパンマンってこんな感じなんだろうと思う今日このごろ。
汗で化粧がどろどろに崩れたときに、ジャムおじさんとバタコさんからきれいでフレッシュな顔面が飛んでこないかなあと願う、イロドリインターン生の桑原です。
岐阜のド田舎出身の「田舎の良いところ伝道師」という肩書のもと、田舎激推し記事をこちらで書かせていただいております。
さて、先日、1週間ほどお休みをいただいて、タイのバンコクへ旅行をしてまいりました。
現地にはまるっと4日間滞在し、バンコク市内を心ゆくまで観光してきました。
イロドリでインターンを始めて約3ヶ月。
これを通して、日本、特に関西のインバウンドについて勉強する機会がありました。
そういった知識のインプットはあったとしても、実際の訪日客の気持ちが手に取るようにわかるかと言われたら、日本にいる以上わからない。
いくらカナダで長期留学をしていた経験があるからとは言え、やはり日本在住の日本人ですから、「異なる国からやってきた人」としての目線でなにかを見るのは難しいことです。
これがわかるときって、自分もそういった環境にいるときじゃないでしょうか。
ということで、わたしはタイのバンコクでは立派な外国人観光客でした。
この経験をもとに、独断と偏見、個人的な意見のかたまりではありますが、外国人観光客として感じたこと、特に「田舎の良いところ伝道師」だからこそ見える、「田舎の価値」をここに記してみたいと思います!
まずはじめに、この四日間の旅の感想を一言でまとめてお伝えいたします。
「楽しかった! 爆買いした! 疲れた!」
ぜんぜん一言ちゃいますやん、ってツッコまないでください。
ここで、どういう人物がどのようにバンコクを旅行したかということをカンタンにご紹介します。
旅行者 岐阜のド田舎出身の筆者と同郷の親友
【2人の共通項】
・三度の飯よりショッピング
・タイの香辛料が苦手
・タイ料理屋での合言葉は「マイ・パクチー」(タイ語訳:パクチーのっけないで)
・主食はラーメン(タイにて3日連続日本のラーメンを食べました)
・マンゴースムージーに溺れたい
こんな2人で、こんな感じの日程でバンコクを楽しんできました。
「君らどんだけ買い物するんや」というツッコミが聞こえてきて、耳が痛いですね。
わたしたちは買い物大好きで、仲良くなって丸っと7年、ず~~~っと服のことばかり話しているほどです。
タイは物価が安いのに、最先端のデザインがほどこされた素晴らしい服がたくさんありまして……。
まさに買い物天国!!
「服大好きバカ」の桑原は、無意識のうちに、手がちぎれるくらい重たい荷物を持ち帰るハメになるほど、爆買いしてました。(親友も同じく)
完全なる爆買い外国人、モノ消費に徹してきました。
こんな爆買い日本人エピソードはさておき、この記事では、
・wi-fiないから不便だった
・タイ語が暗号のようで解読不能だった
とかいった、よくある話を申し上げながら、日本のインバウンド対策の改善を求めるつもりは毛頭ございません。
冒頭の、わたしの旅の感想の中であった「疲れた」という言葉。
「いや、こんだけ買い物しまくって、爆買いしてたらそりゃ疲れるわ」
まさしくこのツッコミは正しすぎるんですが……。
わたしの言い訳に少しだけお付き合いください!
基本的に海外旅行に行くと、その国の首都を訪ねることが大半だと思います。
首都ですから、言わずもがな、その地は都会の中の都会です。
バンコクも例外ならず。
バンコクの中でもさらに中心地のサイアムというエリアには、どこもかしこもどでかいデパート! デパート! デパート! の嵐です。
歩道には人がごった返し、常に道路は渋滞して、なんだか景色がよどんで見える。
すべてのモノが忙(せわ)しなく動いている。
その流れに逆らわないように、自分たちも忙しなく動く。
なんだかどっと疲れを感じました。
iPhoneの万歩計の正確性には疑問があるものの、バンコクでの総移動距離は約40キロ。
そりゃ、毎日買い物するために10キロ近く歩いてたら疲れますよね。
「完全に君たちのスケジュールミスやがな。もっとゆったり過ごしたらええがな」
という正論が聞こえますが、学生の貧乏旅行ですので、心とお金に余裕がなくて、このようなぎゅんぎゅん詰め込みショッピング旅行になってしまいました。
いつかはバンコク屈指の高級ホテルの大きなベッドで朝を迎え、日中はゆったり高級タイ式スパを楽しみ、夜は最高級のレストランでおいしいディナーに舌鼓をうち、その後にホテルのバーでカクテル片手に乾杯。
そんな旅程を組むことができる人物になれるよう、現世で徳を積みたいと思います。
とにかく、わたしの主張は、
「人・モノが溢れすぎている環境は人間を疲れさせる」
ということです。
日本ではない、馴染み深い田舎とは違う、異なる地にある都会。
エキサイティングで刺激的な環境に対して、最初はウキウキ、ワクワクしました。
しかし、4日間の滞在は短いようで意外と長かったです。
連日のショッピングで入る商業施設は大体同じ店構え、並んでいるのは同じ商品。
「見た見た、あったあった、またこれか〜」
と、変わり映えもない光景が続きました。
こうも同じような環境にいると、なんだか飽き飽きしちゃって、どうしてもこのコトバが頭の中によぎるのです。
「しんどい」
やはり溢れかえったヒト・モノに体力・精神を消耗してしまっていた気がします。
そして気づいたのです。
「ここにあるモノはどこにでもある」
と。
せっかく異国の地にやってきて、どこでも手に入り得るモノに時間を費やすのはもったいない。
だからこそ、そこにしかない新しいコトを知りたくて、体験したくて、学びたい。
やっと観光トレンドが「モノ消費」から「コト消費」に移行する理由が身をもってわかりました。
上記の旅程表にもある通り、わたしも
・おかまショー
・世界遺産アユタヤ遺跡見学
・象乗り体験
等の現地ツアーに参加しましたが、そこでしか体験できないコトにお金と時間を費やすことは価値があると実感しました。
そこでいきなりですが質問です。
「コト消費」というトレンドに真っ先に乗るべき場所とは一体どこだと思いますか?
田舎推しのわたしの主張はもちろん、「地方! 田舎!」です。
現在、「コト消費」に限らず、インバウンドにおいて地方の役割が注目されています。
都会、栄えた地はだいたい似通ってます。
東京の中心地、大阪の中心地、名古屋の中心地。
さらには、外国の都会にも当てはまることでしょう。
あるもの、見た目、だいたいのものがほぼ一緒ですよね。
もちろん文化、コトバ、そういった側面では、それぞれの個性があります。
しかし、そういった違いがあれども、周りの景色は結局一緒です。
見渡す限りコンクリート、乱立する高層ビル。所狭しと敷き詰められたお店たち。
都会とはそういう場所です。
だからこそ、自分の囲まれる環境をガラッと変えたくなると思いませんか?
観光庁のデータによると、欧米圏からやってきた観光客は比較的長い期間滞在する傾向があります。
反対に、アジア圏からやってきた観光客は、滞在日数は少ないにしろ、何度も日本に足を運んでくれる人々が多くいます。
もちろん個人差はあると思いますが、旅行者として異国の地にやってくる以上、
・同じようなところに滞在し続ける
・何度も変わり映えのない所を訪れる
というのはなんだかつまらなさそうです。
そんな彼らはきっと新鮮味を求めているはず。
もちろん、都会でしかできないコトはいくらでもあります。
でももしかしたら、それはどこの都会でもできるコトかもしれません。
バンコクに4日間滞在しただけで、都会の喧騒(けんそう)から逃げたくなったわたしのように、田舎のようなのんびりとした時間の流れる場所に惹きつけられる訪日客の方々も多いと思います。
田舎には消費できるモノが少ないです。
だからこそ、田舎という地を活かしたコトを提供することに力を入れることができるのではないのでしょうか。
わたしが外国人観光客として外国を旅行して見えた、田舎の可能性。
田舎は都会に疲弊(ひへい)した観光客を受け入れるオアシスとなり得るかもしれませんね!
わたしもこのインターンの活動を通して、田舎が持ち得るコト消費のポテンシャルを探求していきたいと思います。
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