「モノ消費」「コト消費」について最新の訪日外国人観光客消費データから分析してみた

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こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。

2016年は様々なメディアで爆買いの失速が報道されました。
あなたも大手百貨店の売上が前年対比で減少したという報道を目にしたりしたのではないでしょうか?

しかし一方でドラッグストアなどでは買い物を楽しんでいる外国人観光客の姿を見ることができ、消費意欲は衰えていないようにも感じます。

あなたの周りでも「爆買いは終わった」という人もいれば、「いや、まだまだ終わってないよ」という人もいたりするのではないでしょうか?

また昨年から体験サービスなどに消費する「コト消費」が注目されはじめ、「モノ消費からコト消費へ移行している」という報道もよく見られました。

そこで今回は先日観光庁より発表された2016年の訪日外国人旅行消費額についての年間データの中から、各国の「モノ消費」と「コト消費」に関するデータを国別のランキング形式でまとめてみました。
※このデータは2016年確定値データを用いて弊社が計算をしたものとなります。
※「観光客」に特化して把握するために【観光・レジャー目的】の回答者データを参照しています。

あなたのお店や会社のターゲットはどういう結果が出ているのか?
ぜひチェックしてみてください。

旅行全体の消費について

まずは外国人観光客の訪日旅行全体の消費について調べました。
1人あたりの旅行消費額では、2016年の1位はオーストラリアで総額は268,538円となりました。
参考までに2015年の1位は中国で総額は277,972円でした。

1人あたり旅行消費額とは、日本を旅行する際にかかった航空券代や宿泊費、飲食費、買い物代など、日本旅行にかかった1人あたりのお金の総額になります。

2016年の1位はオーストラリアですが、オーストラリアの平均宿泊日数は12.7日と非常に長く、アジア各国の平均宿泊日数の2〜3倍にもなります。

そこで今回は、より実態に近い数字を把握するために1人あたりの旅行消費額を各国の平均宿泊日数で割り、1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり旅行消費額を算出しました。

1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり旅行消費額ランキング

まずは2016年訪日者数上位16カ国の1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり旅行消費額をランキング形式で紹介します。
この数字を把握することで、それぞれの国の人が訪日旅行に1泊あたり大体いくらくらいを使っていることになるのかを知ることができます。

順位 金額(円) 前年比
1位 中国 37,438 ▲22.60%
2位 香港 28,889 ▲6.98%
3位 ベトナム 24,723 14.75%
4位 台湾 23,337 ▲16.04%
5位 タイ 22,041 ▲15.25%
6位 シンガポール 21,176 ▲19.63%
7位 オーストラリア 21,145 3.28%
8位 マレーシア 20,421 ▲19.48%
9位 アメリカ 20,115 ▲1.97%
10位 韓国 20,109 ▲5.64%
11位 インドネシア 20,107 ▲24.39%
12位 イギリス 17,786 ▲16.89%
13位 カナダ 14,927 ▲16.85%
14位 ドイツ 14,786 ▲12.81%
15位 フランス 14,646 ▲13.73%
16位 フィリピン 13,235 ▲12.08%
平均 20,930 ▲11.64%

 

1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり旅行消費額ではやはり中国がダントツの1位となりました。
そして上位は全てアジアの国という結果になりました。
この旅行消費額ランキングは航空券代も含んでいるので、物理的に距離があり航空券代が高い欧米圏から来た観光客が日本国内で消費した金額は、アジアの国と比べてさらに差が開く可能性があります。

また、昨年と比べると旅行消費額が下がっている国が多いですが、2015年に比べ2016年はほとんどの通貨において15〜20%ほど円高になった影響があるということも考慮すべきでしょう。

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では次はこの消費額について「モノ消費」と「コト消費」に分けて、さらに細かく見ていきましょう。

モノ消費

まずは「モノ消費」である買い物に関する消費額についてみていきます。

2015年は中国人観光客による「爆買い」が話題になり、2016年はその「爆買いの失速」が様々なメディアで報じられました。
では実際に2016年はどうだったのでしょうか?

1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり買い物消費額

まずは訪日外国人観光客1人あたりが1泊あたりに買い物に使った金額を見てみましょう。

順位 金額(円) 前年比
1位 中国 20,283 ▲21.18%
2位 香港 11,803 8.30%
3位 台湾 8,807 ▲18.08%
4位 タイ 8,191 ▲2.22%
5位 ベトナム 6,239 ▲45.51%
6位 韓国 6,035 ▲12.54%
7位 マレーシア 5,888 ▲26.89%
8位 インドネシア 5,502 ▲25.09%
9位 シンガポール 5,379 ▲31.84%
10位 フィリピン 3,969 ▲16.63%
11位 カナダ 3,263 ▲0.64%
12位 オーストラリア 3,258 11.67%
13位 アメリカ 3,072 ▲3.10%
14位 イギリス 2,585 ▲6.01%
15位 フランス 2,102 ▲10.58%
16位 ドイツ 1,949 ▲19.98%
平均 6,145 ▲13.77%

 

為替変動の影響もあり、前年と比べるとマイナスの国がほとんどです。
中国も前年よりも▲21.18%と下がりましたがそれでもやはり買い物消費額については中国が頭1つ抜けています。
2位の香港と比べても1人が1泊あたり約2倍の金額を買い物に消費しているという結果が出ています。

また買い物消費額については上位はアジアの国、下位は欧米の国とハッキリと分かれました。

アジアの国の人たちにとって、買い物は依然として日本を旅行する際の重要な目的の1つであると言えるでしょう。

コト消費

続いて「コト消費」について。

インバウンドにおける「コト消費」は、はっきりとした定義はありません。
オンライン辞書によると「コト消費」以下のように記載されています。

コト消費(ことしょうひ)とは – コトバンク
ある商品やサービスを購入することで得られる、使用価値を重視した消費行動。

一般的にサービスなどへの「体験」に対しての消費が「コト消費」とされています。
最もわかりやすいのが着物の着付け体験などへの消費ですが、実際に外国人観光客に話を聞くと「日本的な料理を食べることも貴重な体験」だという意見も非常に多いです。

そこで今回は「飲食費」と現地ツアー代や美術館、博物館、テーマパークの入場代などの「娯楽サービス費」を「コト消費」として見ていきます。

1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり飲食消費額

まずは飲食に関する消費から。
ここでも同じく1泊あたりに訪日外国人観光客1人が使う飲食費を算出しました。

順位 金額(円) 前年比
1位 香港 5,833 7.97%
2位 ベトナム 5,675 54.57%
3位 中国 4,895 ▲3.89%
4位 韓国 4,604 2.12%
5位 シンガポール 4,534 ▲2.29%
6位 タイ 4,165 ▲18.35%
7位 アメリカ 3,933 ▲7.24%
8位 台湾 3,877 2.35%
9位 オーストラリア 3,827 ▲5.56%
10位 マレーシア 3,478 ▲18.36%
11位 イギリス 3,465 ▲8.81%
12位 インドネシア 3,255 ▲25.57%
13位 カナダ 3,206 ▲12.14%
14位 フランス 2,816 ▲8.47%
15位 ドイツ 2,705 ▲13.74%
16位 フィリピン 2,694 5.82%
平均 3,935 ▲3.23%

 

買い物消費と同じく全体的に前年比マイナスが多いですが、買い物消費と比較するとその下げ幅が小さいことが見て取れます。
ここ数年、和食をはじめとする「日本の食」が各国で高く評価されており、日本での食事を楽しみに来日する観光客もたくさんいます。

弊社オフィスの近くにある行列ができるラーメン屋にも日に日にその行列に外国人観光客の姿を見るようになってきています。
今後も外国人観光客の食に対するニーズは多様化していくものと思われます。

1泊あたりの訪日外国人観光客1人あたり娯楽サービス消費額

続いて娯楽・サービスの消費に関するデータです。
ここでも1泊あたりに訪日外国人観光客1人が娯楽サービスに使う金額を算出しました。

順位 金額(円) 前年比
1位 韓国 2,321 ▲9.48%
2位 タイ 2,035 ▲34.12%
3位 インドネシア 2,028 35.07%
4位 オーストラリア 2,013 17.02%
5位 中国 1,921 ▲17.29%
6位 ベトナム 1,852 ▲43.34%
7位 香港 1,609 ▲6.51%
8位 台湾 1,549 ▲11.48%
9位 アメリカ 1,321 ▲30.82%
10位 シンガポール 1,297 ▲13.12%
11位 フィリピン 1,297 2.06%
12位 マレーシア 1,250 ▲41.31%
13位 イギリス 911 ▲9.88%
14位 カナダ 832 ▲50.71%
15位 フランス 784 ▲27.85%
16位 ドイツ 770 ▲51.61%
平均 1,487 ▲18.34%

 
「娯楽・サービス費」には現地ツアーや美術館、博物館、テーマパークの入場代金、スポーツ観戦やゴルフのプレイ料金などが含まれます。

娯楽サービスと聞くと、欧米からの観光客が多く消費しているという先入観がありましたが、上位を占めたのはアジアの国で、欧米で上位にランクインしたのは4位のオーストラリアのみでした。

これは欧米からの観光客は寺社仏閣の拝観など、消費額としては表れない体験を多くしているのではないか?と予想されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は2016年の年間データの中から、旅行消費の中身について詳しく調べてみました。

昨年より世間では「モノ消費からコト消費へと移行している」と言われていましたが、改めて昨年のデータを見てみると、「移行しているとは言い難い」ということがわかりました。

「モノ消費」について、やや減少したことは明らかですが、その減少分が「コト消費」へ移っているかというと、そうではありませんでした。

しかし、訪日外国人観光客数は2013年に初めて1000万人の大台を突破し、昨年2016年には2403万人となり絶対数が大幅に伸びています。
それに伴い消費総額も2013年の1兆4千億円から2016年には3兆4千億と年々増加し、市場が拡大しています。

モノ消費についてはピークは過ぎ、今後よほどのことがない限りは緩やかに減少の方向へ進むと考えられますが、コト消費については多様化する訪日外国人観光客のニーズをしっかりと掴むことができれば、まだまだ拡大していく可能性があります。

そしてコト消費のところでも触れましたが、「コト消費」の定義についてもはっきりとしたものがあるわけではありません。
今回ご紹介した数字には表れれていない「コト消費」もたくさんあるのも事実です。

例えば旅館での宿泊がそれに該当します。

データ上では宿泊費として扱われているので今回ご紹介したコト消費の数字には含まれていませんが、外国人観光客にとって旅館に泊まり、温泉に浸かり、その土地の名物料理を食べるということは立派な体験であり、「コト消費」として捉えることもできます。
また、農村体験やお遍路さん、熊野古道の散策なども消費額としては目立つ数字としては出てこないですが、とても貴重な体験です。

そして、外国人観光客に意見を聞くと、やはりそういった日本ならではの体験、自国では出来ない体験という広い意味での「コト消費」にニーズがあるのは明らかで、今後リピーターが増えていけばさらにそのニーズは高まっていくでしょう。

そういった観光客が自国では体験できないその土地ならではの “コト” が各地にたくさんできれば、もっともっと「コト消費」が進み、さらにリピーターとして日本を再訪する人が増え、さらに日本の観光が盛り上がっていくでしょう。

私たちもその一役を担えるよう、これからもがんばります!

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