こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。
GW開けに台湾へ出張してきました。
台北で開催されていた国際旅行博を見学したり、台湾の現地企業を訪問してきたのですが、台湾人の日本の観光地への関心の高さを改めて実感する出張となりました。
今後、さらに日本の各地に台湾人観光客が行くようになるだろうと確信しました。
さて、あなたは「あなたが暮らしている地域にはどの国からの観光客が多いですか?」と聞かれたらすぐに答えることができますか?
インバウンドを集客する上で、ターゲットをしっかりと設定することは非常に重要です。
そして、ターゲットを設定する上で、自分たちの地域にはどこの国からの観光客が多いのかは、しっかりと把握しておくべきです。
そこで、今回は観光庁が発表している2016年の訪日外国人旅行消費額についての年間データの中より、各都道府県への訪問者数の上位3カ国を算出してみました。
あなたが暮らす街ではどういう結果になっているのか? チェックしてみてください。
2016年の訪日外国人観光客数ランキング
まずは改めて2016年の訪日外国人観光客数について振り返りましょう。
2016年の年間訪日外国人観光客数は2403万人となり、上位16カ国の観光客数は以下のようになりました。
順位 | 国 | 訪日者数(人) |
---|---|---|
1位 | 中国 | 6,373,000 |
2位 | 韓国 | 5,090,300 |
3位 | 台湾 | 4,167,400 |
4位 | 香港 | 1,839,200 |
5位 | アメリカ | 1,242,700 |
6位 | タイ | 901,400 |
7位 | オーストラリア | 445,200 |
8位 | マレーシア | 394,200 |
9位 | シンガポール | 361,800 |
10位 | フィリピン | 347,800 |
11位 | イギリス | 292,500 |
12位 | カナダ | 273,100 |
13位 | インドネシア | 271,000 |
14位 | フランス | 253,400 |
15位 | ベトナム | 233,800 |
16位 | ドイツ | 183,300 |
2016年は中国、韓国、台湾の3カ国で全体の約65%を占めるという結果になりました。
それでは次に各都道府県の訪問者数TOP3を地方別に見ていきましょう。
今回紹介している各都道府県への訪問者数は2016年の各国からの訪日者数に、観光庁が空港で聞き取り調査した各国の都道府県への訪問率を掛けて算出しています。
したがって、訪問者数はあくまでも想定となります。
1つの参考指標としてご活用ください。
それではどうぞ!
北海道・東北地方
まずは北海道・東北地方から。
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
北海道・東北地方はすべての道県において、台湾からの観光客が一番多いという結果になりました。
特に東北の各県への訪問者は2位以下に大差をつけての圧倒的に1位です。
これは東北6県が一体となって、台湾に対してPRをしていることと、仙台空港に台湾のエバー航空とLCCのタイガーエアが就航し、週8便を運行していることが非常に大きいと言えます。
さらに、今年の9月にはLCCのピーチも仙台と台北を結ぶ路線を週4日運行することがすでに発表されています。
ピーチ、仙台―札幌・台北便を就航へ 9月に :日本経済新聞
格安航空会社(LCC)大手のピーチ・アビエーションは17日、仙台空港と札幌、台湾の台北を結ぶ路線を9月から運航すると発表した。20~30歳代を中心に観光などでの利用を見込み、ともに75~80%の搭乗率を目指す。同社は現在、仙台空港と関西国際空港を結んでおり、合わせて3路線の体制となる。
これらのことから、台湾からの観光客はまだまだ増えるであろうと予想されます。
東北の方々はまずは台湾からの観光客をターゲットにするべきでしょう。
関東地方
続いて関東地方。
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
関東地方に関しては、中国との直行便が就航している東京都、茨城県、千葉県は中国からの観光客が非常に多く、またゴールデンルート上にある神奈川県も中国が1位となりました。
そして、その条件からは外れている栃木と群馬に関しては台湾が1位となりました。
栃木は台湾に加えて、タイからの観光客も多いという結果になりました。
これはタイの友人の話によると、藤の花などで有名な「あしかがフラワーパーク」が近年タイ人に人気だからだろうということでした。
中部地方
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
中部地方についても関東とよく似た傾向になりました。
中部国際空港がある愛知県、ゴールデンルート上で富士山という強力な観光コンテンツがある山梨と静岡には中国からの観光客が非常に多いという結果になりました。
そして、新潟県についてはゴールデンルートではないのですが、中国が1位でした。
これは上海と新潟空港を結ぶ直行便があり、さらに中国からの大型クルーズ船が新潟の港に定期的に入港しているためと思われます。
また福井県は香港からの観光客が1位という結果になりました。
そして、富山と長野は台湾からの観光客が2位以下に大きく差をつけて1位となっています。
これは台湾では立山黒部アルペンルートが非常に人気のある観光地になっているためです。
実際に先日参加した台北国際旅行博でも、現地の大手旅行会社のブースで北海道、九州、東京と並列で立山黒部アルペンルートへの旅行が販売されていました。
長野、石川については北陸新幹線の開通したことで、特に欧米文化圏からの訪問者が増えました。
富山を含めた3県は今後も訪問者が増加しそうですね!
関西地方
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
関西は滋賀のみ台湾が1位でそれ以外の府県は中国が1位という結果になりました。
特に大阪と京都においては中国からの観光客が圧倒的に多いという結果が出ています。
今回は上位3カ国をご紹介していますが、実は大阪は1位から6位までは2016年の訪日外国人観光客数ランキングと全く同じとなっています。
また7位以降の順位も日本全体の順位と非常によく似た結果となっており、日本のインバウンドの縮図と言えるかもしれません。
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中国・四国地方
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
中国・四国地方において広島は他の都道府県と比べて非常に特徴的な結果となりました。
広島県の1位はアメリカで2位はオーストラリアとなりました。
欧米文化圏の国が1位となっているのは全国で広島県のみとなっています。
また香川県と徳島県は中国からの観光客が多いという結果が出ましたが、これは高松空港との直行便がある影響だと考えられます。
そして、山口では韓国が1位となりました。
これは距離的に非常に近く、船便があるためと、福岡から訪問している人もいるだろうと予想されます。
九州・沖縄地方
※訪問率・・・その国からの観光客の中で各都道府県を訪れた人の比率。観光庁が空港で聞き取り調査をしている。
九州・沖縄地方は韓国の存在感が他のエリアに比べてひときわ目立つ結果となりました。
これは地理的に近く、飛行機に加えて船便もあるためです。
また他の都道府県では存在感のあった中国は沖縄で2位にランクインしているのみで、九州の県ではいずれも3位以内に入っていません。
これも非常に特徴的な結果だと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
具体的に数値化して見ることで今までの肌感覚での予想が覆ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回のデータを改めて整理してみると、47都道府県中45都道府県の1位が中国、台湾、韓国のいずれの国という結果になりました。
そしてこの3ヶ国が1位を取っている傾向を見ると
・中国はゴールデンルートおよび直行便がある空港の近隣県について訪問者が多い!
・台湾は北海道、東北全県と本州の空港から離れた県への訪問者が多い!
・韓国は西日本、特に九州に関して訪問者が多く、東日本については一部のみ。
ということがわかりました。
今後中国に関しては、個人旅行のビザ要件が緩和されたことを受け、さらに個人旅行者が増えていくでしょう。
それに伴い、ゴールデンルート以外への訪問者も増えていくことが予想されます。
また台湾からの観光客は80%以上がリピーターなので、日本各地のさまざまな場所を訪問します。
今はまだ台湾人観光客があまり来ていない地域でも、何かのキッカケで台湾からの観光客が増えることもあるでしょう。
外国人観光客の訪問者数は、当たり前ですが交通インフラなどの影響を大きく受けます。
直行便が就航している場所の周辺ではやはり訪問者は増えます。
特に新規路線が就航するとその影響は非常に大きく、一気に訪問者が増えることもあります。
弊社の台湾人スタッフのシュによると、最近シュの周りの台湾人では、関空に到着してJRパスを購入し、兵庫県や岡山、広島などを観光して岡山空港から台湾に帰るいうコースが人気になりつつあるそうです。
これは昨年7月に岡山と台北を結ぶLCCの便が就航したことがキッカケで、そのようなルートで旅をする人が増えたようです。
今後も特にLCCの就航は日本各地で増えると予想されます。
新たな航空路線の就航情報を定期的にチェックしておくと、例えば「9月からは台湾からの訪問者が増えそうだ」ということがわかり、事前に準備することが可能になります。
また、近くに空港がないような地域でも、映画のロケ地になったり、SNSでのクチコミがキッカケで急激に訪問者が増えることもあります。
事前に予想できないこともありますが、多くの場合はきちんと継続的に情報収集することで事前に準備が可能です。
まずは今回ご紹介したデータを参考にし、インバウンド対策を考えてみてください。
そして、弊社でお手伝いできることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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