外国人利用者数は開港時の7.5倍以上! 関空が関西にめちゃくちゃ貢献している件

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こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。
弊社のオフィスは大阪の梅田駅から徒歩圏内のいわゆるキタエリアにあるのですが、打ち合わせで難波や心斎橋のミナミにいくこともよくあります。

何度もグリコの看板がある戎橋付近を通りますが、そこではたくさんの外国人観光客が記念撮影をしています。
ミナミのこの光景はここ数年ですっかりお馴染みとなりました。

そして、そんな大阪や関西に来る外国人観光客の玄関口となっているのが関西国際空港(通称:関空)です。

その関空ですが、ここ数年で利用者数も便数も大幅に伸びていることをあなたは知っていましたか?

特に関西に外国人観光客がここまで増えた大きな要因の1つに関空の頑張りがあると言っても過言ではありません。

私もセミナーなどでお話する際にはそのことを紹介するのですが、意外と「え、関空ってそんなに伸びてるの!? 知らなかった!」という反応をされる方も少なくありません。

そこで今回は様々なデータを元に「関空がどれだけ頑張っているのか?」をわかりやすく紹介したいと思います。

関空の国際線利用者数の推移

関空は今から約23年前の1994年9月4日に日本で初めての完全24時間運用の空港として開港しました。
私も開港当初に初めて関空を利用したのですが、「めちゃくちゃでっかい空港だなー!」と驚いたのを覚えています。

それではその関空の旅客数(利用者数)の推移を見ていきましょう。

関空国際線の外国人の利用者数は開港時の7.5倍以上に!

表を見れば一目瞭然ですが、国際線の総利用者数(青の棒グラフ)は開港翌年度(1995年度)と2016年度を比べると2倍以上に増えています。

しかし日本人の利用者数(赤の折れ線グラフ)は2000年の938万人をピークに開港時よりも減っているのです。
それにも関わらず国際線の利用者数が2倍以上になったのは、外国人の利用者数(黄色の折れ線グラフ)が爆発的に増えたからです。

その勢いはすさまじく、2014年度にはついに外国人の利用者数が日本人の利用者数を上回りました。
そして2016年度の外国人の国際線利用者数は1242万人にものぼり、日本人利用者数の約2倍になりました。

開港翌年度の外国人の利用者数165万人と比べると2016年度は約7.5倍も増えたことになるのです。
まさしく爆増ですね!

特に2012年以降の伸びが著しい

開港以降の国際線全体の利用者数を見ると2003年に854万人と開港翌年度の数字を割りこんだり、そこからまた持ち直したりと増減があり、その増減は日本人の利用者数の増減に比例していました。

しかし、東北大震災の翌年2012年から外国人の利用者数が3倍以上に急増しました。

上記は訪日外国人観光客の推移ですが、同じように2012年から2016年で訪日者数が3倍になっています。
訪日外国人観光客の増加とほぼ同じペースで関空を利用する外国人観光客が増え、日本人の利用者数が減少しているにも関わらず国際線全体の利用者数を外国人が押し上げている形です。

ではこれは関空特有の現象なのでしょうか?
それを検証するため成田空港のデータも見てみましょう。

成田空港との比較

以下が成田空港の国際線利用者数の推移です。

さすがに日本を代表する玄関口ですね。
国際線全体は関空の2〜3倍の人が利用しています。

そんな成田空港の利用者数の推移をみると以下のことがわかります。

1995年に比べて国際線利用者数は1.25倍

成田空港も国際線の利用者数(青の棒グラフ)が増加しています。
そして関空と同じように日本人の利用者数(赤の折れ線グラフ)は減少しており、2016年度には外国人の利用者数(黄色の折れ線グラフ)が日本人の利用者数を初めて上回りました。
しかし、日本人利用者数の減少に関しては、2010年10月に開業した羽田空港国際線ターミナルの影響もあると考えられます。

外国人利用者数は1995年に比べ3倍以上!

外国人利用者数が増加しており、1995年度と比べると2016年度は3倍以上となりました。
そして関空と同じく、2012年度以降の増加が顕著で、2012年度と2016年度を比べると外国人利用者数は約2倍になりました。

成田空港も増えているが関空と比べると増え方が緩やか

成田空港も関空と同じく、国際線利用者数は伸びており、特に外国人の利用者数が2012年以降伸びています。

しかし、改めて関空と比べてみると

1995年度から2016年度の国際線全体の利用者数
成田 1.25倍
関空 2倍

1995年度から2016年度の国際線の外国人利用者数
成田 3倍
関空 7.5倍

2012年以降の国際線の外国人の利用者数
成田 2倍
関空 3倍

と関空と比べてその増え方が緩やかなのがわかります。

ではなぜここまで関空を利用する外国人が急激に増えたのでしょうか?

それには関空に就航する航空便に関係があります。

LCC(格安航空会社)の便数が2012年以降急増!

これは関空国際線の2008年以降の週間便数の推移となります。

2012年以降、国際線の便数(青の棒グラフ)が約2倍に増えています。

そして注目するべきはLCC(格安航空会社)の増加です。

2012年夏ダイヤと2017年夏ダイヤを比較するとLCCの便数(赤の折れ線グラフ)が約4倍増加し、週400便弱のLCCが運行されています。
これは関空の国際線の外国人利用者数の増加と比例しています。

つまり、関空の国際線利用者数の増加は、LCCの就航増加によるものと言えるでしょう。

今後の関空はどうなる?

近年、順調に便数、利用者数ともに伸ばし、関西全体の外国人観光客増加に貢献している関空ですが、「今後はどうなるんだろう?」と心配な方も多いと思います。

そんな方に明るい見通しをお知らせします!

関空と伊丹空港は2016年4月に民営化!

関西以外の方はご存じでない方も多いと思いますが、関空と伊丹空港の2つの空港は2016年4月1日に民営化されました。
日本の空港が民営化されたのは初めての事例です。

関空と伊丹空港は現在オリックスやフランスのヴァンシ・エアポートなどが中心となって出資した関西エアポート株式会社という民間企業が運営しています。

今年の3月には民営化1年を迎え、業績も好調のようです。

関空民営化1年、上昇気流 運営会社の売上高3%増
関西国際空港を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)は31日、運営受託後1年(2016年4月~17年3月)の売上高が1802億円、最終利益が169億円だったと発表した。売上高は前の運営企業の前年同期と比べて3%増だった。格安航空会社(LCC)の増便で訪日外国人客が伸びた。大規模空港の民営化(コンセッション)第1号として民間の手法を導入した経営は成果が出つつある。

すでに民営化効果が出てきている

関空の民営化によって、すでに目に見える効果も出てきています。

その1つが2017年1月に関空に新たにオープンしたLCC専用の国際線ターミナルです。

LCC専用の国際線ターミナルでは現在ピーチ・アビエーションと中国の春秋航空が運行しており、結果としてこのターミナルの運営開始によって更にLCCの便数が増えました。

LCCが殺到! 関空が描く「アジアハブ」の野望 | ニューズウィーク日本版
関空に就航する便数はここ数年、LCCが牽引する形で急増中だ。昨年10月から今年3月までの国際線の冬期ダイヤでは、過去最高の週1131便が運航する。そのうちLCCは週390便で全体の34.5%。5年前はわずか7.5%だったことを考えれば驚異的な伸びだ。

また関西エアポートに出資し、世界各国で空港を運営しているヴァンシエアポートのノウハウを活かし、LCC専用の国際線ターミナルでは保安検査場に新たなシステムを導入しました。

関空に日本初の「スマートセキュリティー」–待ち時間が1/3に短縮 | マイナビニュース
関西エアポートは10月28日、関西国際空港のLCC専用の第2ターミナルビル(国際線)に日本初となる「スマートセキュリティー」システムの導入を発表。空港運営を効率化を図るとともに、搭乗までの所要時間の短縮化が可能になるという。

この導入により、保安検査場での待ち時間が大幅に短縮されるようです。

そしてこの新たなシステムは今後伊丹空港にも導入される予定で、試験運用がつい最近開始されました。

伊丹空港の保安検時間を3割短く、国内線初のスマートレーン導入で試験運用を開始 | トラベルボイス
関西エアポートは2017年7月8日より、大阪国際空港(伊丹空港)の保安検査場にてスマートレーンのトライアル運用を開始する。国内空港では関西空港第2ターミナルに続く2件めの導入で、国内線では日本初。これにより検査時間の3割短縮を見込む。

これは2つの空港を一体運営しているからこそ出来ることですね。

私の経験上、アジアには混雑していて待ち時間が長い空港がいくつかあります。
そこに行くことになるとやはり「あー、あそこ待ち時間長いから嫌だなぁ。出張だから仕方ないけどなるべく行きたくないなぁ」と憂鬱になってしまいます。

なので、こういった待ち時間の短縮は一見地味にも思える施策ですが、リピーター獲得には非常に重要です。

3空港一体運営でさらに利用者が増える!?

関西エアポートは関空と伊丹空港に加え、2018年4月から神戸空港の運営権の取得も確実視されています。

神戸新聞NEXT|神戸空港運営権、双日が断念 3空港一体化実現へ
神戸空港の運営権売却(コンセッション)の事業者公募で、応募を検討していた総合商社「双日」(東京)は13日、応募を断念する方針を決め、神戸市に伝えた。名乗りを上げているのは、関西、大阪(伊丹)の2空港を運営する関西エアポート(大阪)と同社大株主のオリックス(東京)、バンシ・エアポート(フランス)の3社連合だけとなり、神戸空港の運営権取得と2018年4月からの3空港一体運営のスタートが事実上固まった。

これにより関西にある3つの空港が1社で運営されることになります。
今までバラバラに運営されていた3つの空港が1つにまとまることで、運営が最適化され、より多くの利用者を呼び込むことが期待出来ます。

それは関西にとってとても大きなメリットをもたらしてくれるのではないかと考えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
東京から大阪に出張で来られる方も大阪のミナミの活況ぶりを見ると「大阪ってこんなに外国人観光客多いの!?」と驚かれる方が多くいらっしゃいます。

もちろん関西自体に魅力がないと観光客は来ませんが、今回紹介した関空の取り組みが関西の観光客増加に貢献していることは間違いありません。

そして、昨年民営化された関空と伊丹空港ですが、その効果が出てくるのはまだまだこれからです。
今後さらに関西に活況をもたらしてくれるだろうと個人的にはとても期待しています。
また、それは周辺の地方都市にも広がっていくはずです。

関西とその周辺都市のインバウンドはまだまだこれからが本番です。
これから取り組みをスタートしても決して遅くはありません。
弊社でもさまざまなお手伝いが可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

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