イロドリの今津です。
飲食店や観光施設、小売店などの方とお話しているとインバウンド団体客を獲得する方法を教えて欲しいという相談を頂きます。
団体旅行客を獲得するためには、個人旅行客(FIT)とは違い、旅行会社(ランドオペレーター)が決めている旅行日程に組み込まれる必要があります。
つまり、インバウンド団体客の集客の成功の鍵は旅行会社に「このお店や施設に送客したい」と思ってもらえるかどうか重要になるのです。
しかし、実店舗運営をされている方々が旅行会社の方にお話を伺える機会は少ないと思います。
そこで今回は弊社が日頃懇意にしていただいている旅行会社の株式会社博文舎 礒田氏をお招きし、「お店を選ぶポイント」や「送客したくなる施設」について直接お話を伺うセミナーを企画しました。
そして5月18日(水)にグローイング・アカデミー社にて「旅行会社に聞くインバウンド団体客の集客セミナー」が開催されましたので、その様子をレポートいたします。
セミナーの開催・集客はサービス業に特化した教育・研修をされいるグローイング・アカデミー社!
インバウンドに対する注目度は高く、募集開始からあっという間に40名の定員が満席となりました。
満席になった後も複数の方からセミナーに参加することができないかと問い合わせがあったそうです。
セミナーには飲食店や宿泊関係、観光施設などインバウンド団体客の集客を検討されている企業様にご参加頂きました。
また今回のセミナーでは一方的な講義では分かりにくい点も多いため、事前に礒田氏から旅行会社のビジネスモデルや日常業務についてヒアリングした資料を発表しながら、参加者の皆様が感じるであろう疑問や質問を弊社小林が参加者目線で質問し、礒田氏に旅行会社としての意見や考えをお答え頂くという対話形式でのセミナーとしました。
それでは当日の様子をレポートにてお届けします。
インバウンド団体旅行の仕組みとは!?
始めに、小林が現在の外国人観光客の団体客と個人客の比率について話しました。
昨年訪れた外国人観光客数約2,000万人のうち、団体旅行が約33%、個人旅行(FIT)が約67%となります。
「そしてこの約33%(約660万人)の団体旅行客を送客しているのが旅行会社です。だからこそ団体旅行客獲得のためには旅行会社の仕組みや送客の方法を知ることが必要となります。」と小林は話しました。
礒田氏からはまず、インバウンドの団体旅行についてお話いただきました。
インバウンドの団体旅行においては現地の旅行会社から依頼を受けた内容をもとに、日本の旅行会社が宿やバスなどを手配し団体旅行を実施する方法が多い傾向にあります。
日本の旅行会社は現地の旅行会社と旅程や価格など様々な交渉を行い、旅行が決定するとバスやホテルの手配、飲食店探しなどを行うそうです。
見積もり依頼時は現地の旅行会社から無茶な日程を打診されることもあるとのことです。
なかには東京-大阪が新幹線で1時間の旅程になっている事もあったそうです。笑
送客する施設を決めるポイントとは!?
では、次に実際に送客する施設を探す方法について礒田氏に教えて頂きました。
博文舎では社内で管理しているファイルの中から送客する施設を探すことを再優先にしているそうです。
礒田氏にはセミナー終了後に超貴重なファイルの中身を参加者が自由に見れるよう特別に公開して頂きました。
本当にありがとうございます!!!
みなさんは当然興味津々で、中の資料をチェックしていました。
このファイルには商談時にもらった資料や送られてきたFAXを地域別に分けて管理しているとのこと。
社内の資料を探して、見つからなかった場合はインターネットで施設を探します。
例えば飲食店を探す際、食べログ、ぐるなび、ホットペッパーといったグルメサイトではなくお店の「ホームページ」を参考にしているようです。
「グルメサイトに掲載されている内容はあくまで一般のお客さん向けの情報のため、旅行会社が必要とする団体客向けの情報ではないからです」と礒田氏は話されました。
また団体客の獲得に成功している飲食店や施設では、旅行会社専用のページを用意し情報を公開しているそうです。
施設を探す際は団体旅行客にとって利便性の高い施設なのか、団体客を送客できる条件を満たしているかを必ずチェックするそうです。
礒田氏からは実際に博文舎が団体客を送客する際に、チェックしている項目など旅行会社でないと知ることができない情報を教えて頂きました。
セミナーの参加者にとっては、旅行会社から団体客を獲得するためには絶対に知っておきたい情報であったのではないでしょうか。
私も以前、旅行会社で働いていたのですが、大手・中小に限らず社内で管理している送客先リストやファイルが存在し、その中から送客する施設を優先的に決めていきます。
その中に掲載されるためにも、まずは旅行会社が必要としている情報をしっかりと知り、団体客受け入れに向けての準備をしていくことが大切になります。
旅行会社が安心して送客できる施設とは!?
次に、旅行会社にとって安心して送客のできる施設について教えて頂きました。
旅行会社にとって安心して送客の出来る施設とは、まず第一にお客さんのことを考えてくれている施設とのことです。
インバウンドの団体客においては、サービスエリアのトイレ休憩中に温泉に入るお客さんがいたり、ホテルの出発時間に寝ていたり・・・と日本人の旅行客では考えられないようなことが起こるそうです。笑
「そのような事情を理解していただいた上で、お客さんに満足してもらえるよう、時間の変更やアクシデントにも柔軟に対応してくれる施設だと安心して送客できます。
そのためには施設と旅行会社(添乗員)がしっかりと連絡を取り合うことが大切です」と礒田氏は話されました。
施設の情報を伝えるための1番の方法とは!?
最後に、旅行会社へ情報を伝える方法について教えて頂きました。
旅行会社に情報を伝えるためには、
1.担当者の手に資料が渡る
2.必要最低限の情報がすぐ分かる
3.手元に残しておける
ということが重要になるそうです。
旅行会社へ情報を伝える手段には、直接営業する・DMを送る・FAXを送るなど様々な方法があります。
直接営業するためには、営業要員を確保するなど高いハードルが存在していること。
DMはカラーなので写真掲載など表現できる範囲が大きいので有効だが、その分コストも高いので過去に取引があった旅行会社や人間関係のある旅行会社宛に送るには有効な手段であるものの、新規営業という視点ではもっとも費用対効果が高いのはFAXであると礒田氏に教えて頂きました。
博文舎にも観光施設や飲食店、宿泊施設などからFAXが送られてくることも多く、そのFAXを見て団体客を何度も送客したこともあるそうです。
そして何より送られてきたFAXは社内のファイルに管理します。
送客する施設を決める順番でも社内のファイルを最も参考にしているとのお話もあったように、まずは社内のファイルに管理されることを目標とし、必要な情報の記載されたFAXを送り旅行会社の送客候補となることが最も重要だそうです。
次に、磯田氏からFAXを送る際のポイントについて紹介して頂きました。
旅行会社にFAXを送る上で、大切なことは以下の3点となるそうです。
1.何度も送る
2.旅行会社専用の内容にする
3.適した旅行会社に送る
インバウンドにおいては半年から1年先の旅行を検討していることも多く、FAXを送ってもよっぽどタイミングが合わない限り、すぐに予約が入る訳ではありません。
まずは送客先の候補となるため、定期的に内容を変え送り続けることが必要となります。
また、割引や特典を用意するなど旅行会社専用の内容にし、旅行会社の種別や規模、所在地などを考え、FAXを送る旅行会社を選別することで最大限の効果を発揮することができるようになります。
また、博文舎ではインバウンド団体旅行以外にも個人旅行(FIT)向けツアーの作成や国内旅行など幅広く取り扱いをしています。
そのため、個人旅行(FIT)においても様々な取り組みをしていきたいと話されました。
そしてセミナーの最後に、弊社小林から「団体旅行客の集客に取り組むことは非常に大切なことです。しかし海外旅行客の約70%が個人旅行客(FIT)であることをしっかりと意識し、バランスよく対策を行っていくことが必要となります」と話しセミナーを締めくくりました。
セミナー終了後は、礒田氏と弊社小林に名刺交換の列ができるほど盛況でした。
まとめ
今回初めて旅行会社とのコラボセミナーを実施させて頂きました。
参加者の皆さんにとって旅行会社へのアプローチ方法だけでなく、送客する施設の決め手となるポイントやインバウンドの団体旅行の仕組みなど、目からウロコの新しい情報ばかりだったのではないでしょうか。
セミナーの内容が、参加者にとってインバウンド団体客の獲得へのキッカケとなれば嬉しい限りです。
また、今回のセミナーの中で旅行会社への最も効果的なアプローチ方法が「FAX」であることをご紹介しました。
しかし、実際FAXを送りたくても旅行会社のFAXリストをお持ちではない方も多いかと思います。
弊社では全国7,000社を越える旅行会社のリストを保有しております。旅行会社の種別や所在地などを考慮し、適した旅行会社を選定した上で無駄な費用を掛けずに済むようサポートいたしますので、FAX営業のお手伝いが必要な方はお気軽にお問い合わせ下さい。
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