イロドリの今津です。
このたび日本政府観光局(JNTO)から2017年2月の訪日外国人数についての発表がありましたので、その中から抑えておきたいデータをご紹介したいと思います。
前年同月比7.6%増の203万6千人! 2月としての過去最高を記録!
2月単月では前年同月比7.6%増の203万6千人となり、これまでの2月の過去最高であった2016年2月の189万1千人を超えて過去最高を記録しました。
また、先月は前年比24.0%の伸び率だったのが、今月は1桁台となりインバウンドの伸びが鈍化しているのかと心配になられた方もいるかもしれません。
しかしこれには理由があります。
それは以下の2つです。
1. 昨年は2月だった旧正月休暇が今年は1月から2月にまたがったこと
※2016年は2月8日、2017年は1月28日が旧正月
2. 昨年はうるう年であったために今年は2月の日数が1日少なかったこと
一見すると伸び率は鈍化しているように感じますが、旧正月期間だけで比較すると伸び率は鈍化していません。
※この辺りは後ほど詳しく紹介いたします。
また、日本政府観光局(JNTO)は、2月の増加要因を航空路線の新規就航・増便、クルーズ船の寄港増加、そして、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションによる効果としています。
各国の昨年同月の訪日外国人数との比較
それでは続いては国別での昨年同月(2016年2月)との比較を見て行きましょう。
総数(薄い緑色の箇所の数字)では前年比7.6%増となりました。
そして中でも注目したいのが昨年同月と比較して伸び率の変化が大きい国(青色の箇所の数字)です。
フィリピンが2万5800人(前年比39.4%増)、インドネシアが1万7900人(前年比49.6%増)と昨年と比べて30%以上の伸びとなりました。
また、伸び率がマイナスとなった国(赤色の箇所の数字)にも注目です。
台湾が34万3000人(前年比1.7%減)、香港が14万600人(前年比7.4%減)、マレーシアが2万6700人(前年比10.7%減)、イギリスが1万9000人(前年比5.3%減)、シンガポールが1万7600人(前年比13.5%減)、フランスが1万3800人(前年比4.8%減)と6ヶ国がマイナスとなりました。
マイナスとなった国の多くは中華系の国民が多いため、旧正月休暇が昨年の2月から1月に変わったことが大きく影響しました。
しかし、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、旧正月期間を含む1月~2月の合計で比較すると台湾が3.6%増、香港が17.8%増、マレーシア23.0%増、シンガポール3.6%増の伸び率となり、堅調に増加しているとしています。
また、注目すべき中国の旧正月期間を含む1月~2月の伸び率は17.0%増と大きく伸びています。
なおイギリスやフランスも中華系の国民の旅行が減少したことが少なからず影響しているとのことです。
加えて、旅行会社へのヒアリングによると、前年と比較し訪日スキー客が減少しており、スキー需要の伸び悩みも訪日外国人数に影響を与えたとしています。
また、国別訪日外国人数の内訳は以下の通りです。
2017年1月~2月の訪日外国人数
続いては2017年1月~2月の合計訪日外国人数を見てみましょう。
下記は2016年同期間と比較したデータとなります。
総数(薄い緑色の箇所の数字)では前年比15.7%増の433万1500人となりました。
国別で見るとフィリピンが5万2200人(前年比39.7%増)、ベトナムが4万3600人(前年比34.6%増)、インドネシアが4万400人(前年比57.2%増)と30%以上の伸率となっています。
2017年3月の訪日外国人数予想
日本政府観光局(JNTO)は2017年3月について、日本の広い地域で桜の開花シーズンを迎えるため、花見を目的とした旅行需要が見込まれるとしています。
まとめ
旧正月休暇の日程の関係で2月の結果を心配していたのですが、蓋を開けてみれば過去最高の結果となりました。
また、1月〜2月の累計では433万1500人となり、すでに400万人を突破しています。
今回のポイントを改めてまとめますと、
・旧正月休暇の日程は訪日旅行者数に大きく影響する
・伸び率がマイナスとなった国も、旧正月休暇を含む前年比で比べると増加している
・インドネシアは唯一前年同月比40%以上の増加を記録
の3つがあげられます。
昨年2月であった旧正月休暇が今年は1月に始まったため、2月の数字に大きな影響がありました。
このデータからも旧正月中休暇中には、多くの中華系の人たちが日本に訪れているということが、はっきりと分かりますね。
ちなみに来年の春節(旧正月休暇)は2018年2月15日~2月21日と予想されています。
※正式な日程は12月に中国政府から発表されます。
もし今年の旧正月休暇は対策ができなかったという方は、来年は入念な準備をしてチャンスを掴んでいきましょう!
また、3月後半からは桜の開花も本格的に始まります。
2017年3月の訪日外国人数もどこまで伸びるのか楽しみですね。
各月の訪日外国人数データはこちらにまとめておりますのでぜひご活用ください。
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