イロドリの小林です。
今回のインタビュー企画は今大注目の宿泊マッチングサービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」で実際にホストをされている方のインタビューをお届けいたします。
前回はとても素敵な女性ホストのTokieさんの方のインタビューをお届けしましたが、今回は男性ホストの「今井太郎」さんです。
今井さんの本職は自身がなんと映画プロデューサー!
これまでに数々の作品をプロデューサーおよび監督という立場で作って来られた方です。
今井 太郎中学時代に「映画監督になる!」と決意し、高校を卒業してから単身渡米。
長年のサラリーマン生活を経てもなお薄れない映画への情熱を追いかけながら映画プロデューサー、そしてAirbnbホストとして活躍中。
映画製作とAirbnb。
一見交わることのなさそうなこの2つですが、実は素晴らしい相乗効果を生み出しているということがこのインタビューを通して分かって来ました。
では、どうやって今井さんはその相乗効果を生み出しているのか?
その方法は、「夢」を持ちながらもなかなか前進できていない方にとっては何らかのキッカケとなるかもしれませんので、ぜひ最後までお楽しみください!
映画製作よりもまずはお金を返さないといけない
小林: 今井さん、今日はよろしくお願いいたします。
今井: こちらこそよろしくお願いいたします。
小林: まずは今井さんについて教えてください。今井さんは映画プロデューサーや監督をされているとのことなんですが、映画監督になりたいと思ったのはいつ頃なんですか?
今井: 中学生の頃ですね。
小林: へ〜!何がキッカケだったんですか?
今井: そうですね。僕の親はテレビを見せてくれなかったので僕にとっては映画が一番の楽しみだったんです。そしてある日、クエンティン・タランティーノの「パルプ・フィクション」という映画に出会ったんです。その映画を観た時に「映画監督になろう!」と決心しました。
小林: その作品が今井さんに映画監督になる決断をさせた理由は何なんでしょう?
今井: その頃ってハリウッド映画はアクション映画の全盛期だったんですよ。だから観る映画と言えばシルベスター・スタローンとかアーノルド・シュワルツェネッガーとかブルース・ウィルスが出ているようなアクション物ばっかりだったんですけど、あの作品は他とは全然違う作り方をしていたんです。で、それを観た瞬間に「あっ、おれ映画作りたい」って思っちゃたんですよね。
映画監督になるキッカケを熱く語ってくれる今井さん
小林: なるほど。それだけインパクトが大きかったんですね。
今井: はい。それで、まずは映画の勉強のために高校卒業後にアメリカへ留学して6年半ほど向こう(ロサンゼルス)で暮らしてたんですよ。そうしたら学校で知り合う同世代の人たちはみんな口を揃えて言うんです。「僕はタランティーノの作品を観て映画監督になろうと思ったんだ」って(笑)
小林: えっ!国籍も関係なくですか?
今井: はい、まったく関係なくです。でも、それくらい僕らの世代にとってタランティーノは「影響を与えてくれた映画監督」なんですよ。
小林: なるほど。そこから今も映画製作活動を続けられているということは心底映画がお好きなんですね。留学後はどうされたんですか?
今井: 留学後は日本へ帰って来て映画の仕事に就くつもりでいたんですが、留学中の授業料でできた借金があったんです。だから「映画製作よりもまずはお金を返さないといけない」という状態で(笑)実際には映画関係の仕事で内定もいただけたんですが、見習い期間は驚くほど給料が安いので返済ができないんですよね。だから最初の3年間は自動車メーカーの海外営業の部署で働いてお金を返済していきました。
小林: その自動車メーカーはなぜ辞められたんですか?
今井: 実は3年経った時にマレーシア駐在の話をいただいたんです。社会的に見たら間違いなく出世コースなんですが、「自分が行きたい道ってこっちじゃないよな」と思って。そして、「次こそは映画の仕事に就くぞ!」と意気込んだんですけどなかなか無いんですよね。
小林: そうなんですか。
今井: はい。でも僕もずっと仕事に就かない訳にはいかないので結局商社に入りまして7年間ほど勤めました。
小林: 映画の仕事に就くというのは大変な道のりなんですね。
今井: そうですね。僕の場合は変にサラリーマンとしての実績を積んでしまったので雇う側も少し敬遠していたというのもあると思います。ただ、その状況を嘆いていても仕方がないので考え方を変えて「商社で働きながら映画関係の人脈を広げて行こう」と思ったんです。そこから大阪にあるシナリオ・センターという所に通いはじめて脚本を書いている人たちと一緒に短編映画を撮ったり脚本会議をやったりしたんです。それが僕の映画製作活動の原点ですね。
小林: なるほど。僕が生きてきた人生とまったく違う世界なのでとても興味深いです。
Airbnbを上手く活用すれば最高の仲間と大好きな映画製作に没頭できる
小林: それらを経てAirbnbホストをされている理由について聞かせてください。まず、今井さんはいつからAirbnbホストをはじめられたんですか?
今井: え〜と、2015年4月ですね。
小林: そうなんですね。ちょうど桜の季節ですか?
今井: いや、桜が散ってしまった頃にリスティング(部屋)を掲載したんです。
小林: なるほど。ちなみにAirbnbはその前から知られてたんですか?
今井: はい。ゲストとして利用したこともありますよ。昨年オーストラリアへ行った際に使ってみたんです。
小林: それはプライベートの旅行だったんですか?
今井: いや、オーストラリアの映画祭に参加するために行ったんですよ。だからプライベートではないですね。
小林: そうなんですね。では、そこでの宿泊体験が印象的だったのでしょうか?
今井: いや、そういう訳でもないんです(笑)その時はオーストラリアに1週間ほど滞在しましたが、Airbnbで泊まったのは1泊だけで他の日は友人の家に泊まっていたので。
小林: なるほど。では何がキッカケになったんですか?
今井: 実はこれも映画がキッカケなんです。2014年12月にある長編映画を撮ったんですけど、それまでは当たり前ですが自分自身で映画監督をして作品を作りたかったんです。でも映画を作る時ってお金が必要ですよね。一般的には企画を作って誰かにお金を出してもらうっていうのが理想なんですが、現実は自分がどんなに「面白い!」と思える企画を作っても、そこにお金を出してくれる人ってほとんどいないんですよ。残念ながらここだけは情熱とか努力だけではどうしようもないんです。でも自分でお金を出せば話は別です。だから同じような考え方の友人に声をかけて「お互いお金を出し合って映画作ろうよ」っていうことになったんです。そうすると不思議と色んな人がそれに乗って来てくれて。
小林: それは力が入りますね。
今井: それはもう(笑)最終的に自分たちでも納得のできる作品が出来上がったんですが、新人監督映画祭で準グランプリという賞を取ったんですよ。
小林: お〜!スゴい!
今井: ありがとうございます!そして、その時に「あっ、こういう形にすれば映画って作れるんだ」って気づいたんですよね。自分が企画を作って誰かにお金を出してもらうのって結局は相手次第なので「待ちの姿勢」じゃないですか。でも自分でお金を出せば自分主導でやりたいことを進めて行ける。それにこれをキッカケに同じ志の仲間も増えたので「このスタイルでやって行きたいな」と思ったんです。でも、あくまでもこれは僕に「サラリーマン」としての収入があったからできたことです。
小林: 確かにそうですね。
今井: なので「何とかそれを実現できる方法がないかな?」と考えていたんです。また、それと同時にその時に住んでいた家の家賃が高かったので引っ越しを考えていたんですが、思い切って家を買おうと思いまして。
小林: 思い切りましたね(笑)
今井: はい(笑)でも購入すれば支払う金額が少なくなる上に家の広さやグレードも上がるじゃないですか。
小林: 確かにそうですね。同じくらいの金額でこんな立派な3LDKのマンションに住めるなら良いですよね。えっ?じゃあ、もしかしてその時点ではまだAirbnbホストをしようとは思ってなかったんですか?
今井: まったく思ってなかったんですよ(笑)でも引っ越しの計画を立ててたら1ヶ月くらい家の家賃と新居のローン返済が被る月が出ることに気付いたんです。
小林: 引っ越しあるあるですね(笑)
今井: そうなんです。そこで「何かもったいないなぁ」と思っていた時に「あっ!せっかくだから新居でAirbnbやってみよう!」と思ったんです。
小林: そういう経緯だったんですね。
今井: はい。それから最低限の物だけ準備してAirbnbに掲載してみたら予約がバババッと入って来たんです(笑)
今井さんが「急いで準備した」というお部屋
小林: 恐るべしAirbnbですね…。
今井: 本当にビックリしましたね。僕は商社の仕事も辞めるタイミングだったこともあって「このまま新居はAirbnbでやって行こう」と思ったんです。
小林: なるほど。
今井: 自分がここに住みながらというのも考えたんですが同時に映画製作のことを考えてみたんです。そうしたら「ちょっと待てよ。自分の周りには映画製作をしたいけどお金と時間がなくて出来ない人がたくさんいる。じゃあ、その人にホストを手伝ってもらったら良いんじゃないだろうか。」と思い立って一緒に映画製作をしていた永井くんに声掛けしたんです。
小林: はい。
今井: 彼もちょうど仕事を辞めたところで時間があったので僕の家に住みながらホストを手伝ってもらうことにしたんです。寝る場所はあるし、多少のお小遣いにもなるし、何より彼にも自由な時間ができますよね。実は彼は元々テレビ局で働いていたんですよ。もちろん将来の映画製作のためにスキルと経験を積むためです。でも実際は朝から晩まで寝る間もなく働いていたので映画製作する時間もないし、考える暇がないので新しいアイデアも出ないという悪循環になってしまっていて。
小林: 夢を持っているだけに辛い境遇ですね。
今井: そうなんです。でもAirbnbホストだったら掃除とか部屋のセッティングとか誰でもできるし時間もかからないじゃないですか。後はゲストとのメッセージのやり取りとかチェックイン時に迎え入れてハウスルールの説明とかするだけなんでテレビ局の仕事と比べたら全然簡単なんですよ。それにゲストは基本的に日中は観光で外出するので、その時間に自由に動けるようになるんですよね。もちろん家に置いている僕の機材やパソコンも僕がいない時は自由に使ってくれて良いよと。そうすれば彼は何も気にせずに大好きな映画を作ることができる。
小林: なるほど。
今井: 時間ができるとアイデアも湧くし製作にも時間をかけられるので自然と作品のクオリティも上がるんです。実際にその時に永井くんが作った『くさいけど「愛してる」』という短編映画は今年の日本の映画祭で8個くらい入選したんですよ。確か短編映画の中では一番入選数が多かったはずです。
小林: それはスゴいですね!
今井: さらに京都国際映画祭では優秀賞を取ったんです。
永井さんが監督した『くさいけど「愛してる」』の予告編
小林: 優秀賞まで…。
今井: それを見て思ったんです。「永井くんのように才能と情熱がある子は時間と環境さえあれば良い作品が作れるんだな」と。それから改めて自分の周りの人を見回してみると当たり前ですけど本業で映像関係の製作会社とかで働きながら映画を作っている人が多いんです。でも、本業が忙しすぎて映画製作に集中できていないのが作品を見ていても分かってしまうんですよね。
小林: なるほど。
今井: でもAirbnbホストなら時間を作れるので大好きな映画製作のことだけ考えられるじゃないですか。おまけに英語の勉強にもなりますしね。
小林: それも1つのメリットですよね。
今井: はい。実は永井くんは元々まったく英語が話せなかったんですよ。「こんなに話せない人っているの?」って思うくらい(笑)でも毎日の様にゲストが来るので国内留学状態になりまして。それが数ヶ月続くと不思議なことに普通に英語で会話できるようになってるんですよね。それには僕もビックリしました(笑)
小林: Airbnbならではですね。
今井: はい。そういう日常がさらに刺激になって彼の作品にも良い影響が出て来るかもしれませんしね。Airbnbを活用すれば最高の仲間と大好きな映画製作に没頭できる。これってスゴいことだと思うんです。
今井さんがプロデューサーとして手掛ける次回作品
「この時間に映画製作の打ち合わせができるのが本当にありがたいんです」と今井さん。写真左にいるのが永井さん
常にオープンな気持ちでゲストを迎え入れたい
小林: 今井さんの中での「Airbnbの魅力」って何なんでしょう?
今井: そうですね。最近は僕の中でのAirbnbって「とてつもなく大きな1つのコミュニティだな」と思うようになって来たんです。その大きなコミュニティの中にはいろんなホストやゲストがいて、みんながいつ、誰とでも繋がれるイメージです。さらにそのコミュニティの中はすべてがお互いの信頼関係で成り立っている。
小林: なるほど。実際にAirbnbのコンセプトも「人と人との繋がり」ですもんね。
今井: はい、Airbnbホストをしているとそれを肌で感じるようになって来ましたね。例えばこの家も各部屋に鍵は付いてないんですよね。僕の部屋も鍵は付いてないですし、高額な映画製作用の機材もボンっと置いたままだし、財布すら置きっぱなしです(笑)
小林: めちゃくちゃオープンですね(笑)
今井: そうですね(笑)でも、それで何か盗まれたこととかは一度もないですし、逆にそうやってオープンにしていることでゲストもこちらを信頼してくれるんじゃないかなとも思っているんです。
リビングはもちろん、他の部屋にも出入り自由な状態
小林: なるほど。
今井: もちろんいつか何か盗まれたりするかもしれないですよ?「鍵をつけておけばこんな事にならなかったのに」と思うかもしれない。でも、今まで来てくれたゲストは全員「こういう家に泊まる」という事を分かった上で泊まりに来てくれていますし、Airbnbは相互レビューの仕組みによって変なことをしたらレビューで書かれてしまうっていうのも知ってるんで信頼関係を築きやすいんですよ。それなら僕は常にオープンな気持ちでゲストを迎え入れたいなと思ってるんです。
小林: 確かにホスト経験の長い方に日々いろいろなお話を伺うんですが、今井さんとまったく同じようなことを仰られますね。特に「始める前は不安だったけど始めてみたら心配していた自分がアホらしくなりました(笑)」という人も何人もいらっしゃって。
今井: 本当そうだと思います。個人的な意見ですが、ホテルって一回泊まったら関係性ってそこで終わりじゃないですか。もちろん身分証とか連絡先とか提示しますけど「繋がり」って薄いですよね。だからこそ備品を盗ってしまうとか部屋を汚してしまうとかもあると思うんです。でもその点、Airbnbってほとんどの人がパスポート写真をAirbnbに提出してたりSNSのアカウントを連携してたりするのでホテルよりよっぽど個人を特定できる情報を管理してくれていると思うんですよね。
小林: なるほど、確かに。
今井: それにホテルで悪いことをしても悪いレビューを書かれることもないですよね。でもAirbnbだと悪いレビューを書かれたら個人の名誉が傷つくし、それが世界中に公開されます。だからお互いを尊重し合おうという意識が生まれやすいんだと思います。悪いことをしたらAirbnbという大きなコミュニティからつまみ出されてしまいますからね。
小林: そうですよね。
今井: ただ、そういう点では今のAirbnbの仕組みだとゲストの代表者の情報しか分からないので同行者の情報も分かるようになれば嬉しいですね。2人で来ることは分かっても、それが男女なのか男性同士もしくは女性同士なのかとかも聞かないと分からないので。ゲストの同行者全員がAirbnbでアカウント登録してもらう仕組みになったらホストとしてはさらに安心できるようになると思います。
小林: 確かにそうですね。それはグッドアイデアだと思います!今後のAirbnbの改善に期待しましょう!
せっかくAirbnbホストをするならホテルにはできないことをしたいという気持ちがあるんです
小林: 続いてトラブルについてお聞きしたいんですが今ままでで何か大きなトラブルとかはなかったんでしょうか?
今井: うーん、ないですね。
小林: やっぱり(笑)よくホストの方にこの質問するんですけどいつも「ないですね」って言われるんです。
今井: ゲストの人って良い人ばっかりですからねぇ。あっ!トラブルかどうかは分からないですが、着いてから「ホテルだと勘違いしてた」という人ならいましたね。
小林: それはそれでなかなかですね(笑)その時はどうされたんですか?
今井: 「ホテルが良い」ってことだったんで普通に近所のホテルを探して予約してあげました。その後に「僕に払ってもらったお金を全額返金するね」って伝えたら、相手はまさかお金が全額返って来ると思ってなかったみたいで「日本人の対応はスゴすぎる」と感動されてしまって(笑)それで結局「こっちが悪いことをしたんだから1泊だけ君の家に泊まって行きたい」って言って1泊してくれました(笑)
小林: スゴい。でもなかなかできない対応だと思います。
今井: いえいえ、僕としてはゲストに気持よく滞在してもらいたいだけなので当然の対応だと思ってます。確かに全額返金ってホテルとかであれば絶対にできない対応だと思いますが、僕はせっかくAirbnbホストをするならホテルにはできないことをしたいという気持ちがあるんですよ。
小林: なるほど。素晴らしいですね。ちなみにトラブルが起こらないように工夫されていることなどはありますか?
今井: そうですね。やっぱり駅から家までの道順が分からないという人がいるので最寄駅から家までの行き方を説明した簡単なマニュアルを写真入りで作成しています。それでもたまに迷う人がいますけどね(笑)
小林: そこはどれだけ丁寧に作っても一定数そういう人はいるんでしょうね(笑)
今井: そうかもしれません(笑)あとはトラブルを防ぐ話ではないんですが美味しいレストランの情報はよく聞かれるんでファイルか何かにまとめておくとゲストも喜んでくれますし、ホストの手間も省けると思いますよ。
ゲストが無事に家まで辿り着けるよう作った道案内
そういう人に会えたのは間違いなくAirbnbホストをしてたから
小林: 今までで印象に残っているゲストについて教えていただけますか?
今井: そうですね。今までいろんな人がいましたし全員が僕にとって良い出会いでしたけど、一番印象に残っているのは初期の頃に来てくれた夫婦ですかね。
小林: その夫婦はどんな点が印象的だったんでしょう?
今井: はい。30歳くらいの夫婦だったんですけど旦那さんがイギリス人で奥さんがロシア人なんですよ。それで旦那さんは職業がSE(システムエンジニア)をしているんですけど、この2年間は世界中を旅していてイギリスにはほとんど帰っていないんだそうです。でも「僕はSEだからパソコンが1台あれば世界中どこでも仕事ができるんだ」と言って、僕の家で滞在している時や移動の新幹線で仕事をしてるんですよ。
小林: スゴいですね。
今井: でしょ?彼は世界中でAirbnbを使って現地の人の家に泊まりながら、いろんな景色を見たり体験をしながら仕事もして収入もちゃんと得ているんですよ。しかもそのロシア人の奥さんも旅をしている途中で出会って結婚したって言うんです!
小林: え〜!そんなことあるんですね!
今井: 奥さんは美容師だったらしいので、さすがに旅行先で仕事はできないですよね。だから彼が奥さんの旅費まで稼ぎながら旅を続けているんです。その話を聞いた時に「こんな生き方もあるんだ…。」と衝撃を受けましたね。普通の人からすると「旅行は休みを取って行くもの」というのが当たり前ですけど彼にとっては全然違うんですよ。
小林: 最強のノマドワーカーですね…。
今井: そうなんです。結局彼らは5泊くらいしてくれたんですが、常に時間はたっぷりあるので「明日東北でも行ってみる?」みたいなノリですし、次に行く国すら決まってなくて「どうする?そろそろ次の国行こっか」みたいな(笑)
小林: 自由すぎる(笑)
今井: そういう人に会えたのは間違いなくAirbnbホストをしてたからだと思いますし、彼がそういう生き方ができるのもAirbnbがあるからだと思いますね。実際に彼もAirbnbで出会った人からシステム関係の仕事をもらったこともあるんだそうです。
小林: そうなんですか!人との繋がりの大切さを感じさせてくれる素敵なエピソードですね。
僕にとってはお金よりもそういう人との「繋がり」がある方が安心なんです
小林: 最後にホストを続けられている理由やモチベーションを教えていただけないでしょうか?
今井: そうですね。僕はとにかく「映画」が一番大切です。そして、その上でAirbnbがある。でもAirbnbを上手く活用することでこうやって永井くんとも一緒に映画作りができているので、そういう仲間をもっともっと増やしていきたいですね。
小林: 本当に楽しそうに映画製作をされてるのが伝わってきます。
今井: 好きなことに時間が費やせるってこれ以上ない幸せですからね。それと今は他にも考えていることがあるんです。実は知人で60歳くらいのおっちゃんが古いオンボロアパートを経営してるんですが10部屋あるのに3部屋しか入居してなくて困っているんですよ。だからそこを少し改装してお客さんを呼べるようにすれば「空き家対策」にもなるし、おっちゃんの多少の収入にもなりますよね。さらに脚本家の人に管理者としてそこに住んでもらえばその人は脚本を書く時間も作れるじゃないですか。その仕組みが作れれば1つの社会貢献になるんじゃないかなと思っています。
小林: なるほど。
今井: それとは別に役者の子のお母さんが持っている古民家の話もあるんです。お母さんはその空き家をどうしたら良いか分からないので「駐車場にしようかしら」と言っていたみたいで。でも、そんな古民家を駐車場にしてしまったらもったいないじゃないですか。
小林: 確かにそれはもったいないですね。
今井: はい。だからそこを上手く残して活用すれば「古民家の保護」「空き家対策」にもなって、お母さんに収入が生まれれば「高齢者支援」にもなりますよね。もちろん役者の子もそこでホストをすれば役者の勉強に集中できるようになりますし。
小林: そうすればまた良い映画が作れますもんね。
今井: もちろんそれもあるんですが、少なくとも関わってくれた人たちの人生にとってはプラスになると思っています。だからもし将来的に突然外国人観光客が減ってしまってAirbnbホストでは思うように稼げなくなったとしても、その繋がりってずっと残ると思うんですよ。だから僕にとってはお金儲けはどうでも良いんです。もちろん現時点で上手くお金は回ってくれていますが、それが目的じゃないんです。あくまでもそれを活用して自分たちの人生をどう豊かにできるかが目的なので。
小林: 今井さん達の夢を叶えるための手段の1つがAirbnbなんですね。
今井: そうなんです。そして、この人の繋がりを濃くしていけば例え僕が映画に大金を突っ込んで大失敗して破産したとしても誰かが「ウチにおいでよ」って言ってくれるんじゃないかなと思っています(笑)
小林: 確かに(笑)
今井: 僕にとってはお金がたくさんあるよりもそういう人との「繋がり」がある方が安心なんですよね。いくら貯金があったとしても使えばすぐに無くなりますし、心の寂しさって埋まらないじゃないですか。ありきたりな言葉ですけど人との繋がりはお金では買えないので一番価値があると思うんです。
小林: なるほど。そういう意味では今の環境はその「繋がり」が良い形で作れていると。
今井: そうですね。別にそれを最初から考えてAirbnbホストをはじめた訳じゃないんですが、すべてが上手く良い方向に回ってくれています。確かにAirbnbホストってビジネス的に見ても今流行のひとつだと思います。でも僕なんかが偉そうにアドバイスできる立場ではないですが、できれば他の方々にもお金だけに走らずに目的を持ってAirbnbホストを楽しんでもらいたいですね。そうすればより有意義なものになると思うんですよ。これからもっともっとそういうホストがたくさん増えて、そういう人たちと繋がって行けたら僕自身嬉しいですしね。そして自分自身も今後も世界中から素敵なゲストを迎えならがら素晴らしい仲間たちと一緒に良い映画を作れるように頑張って行きます!
小林: 今後の作品も楽しみです!今日は素晴らしいお話をありがとうございました!今後のご活躍も楽しみにしています!
今井さんが手掛けられた映画の数々
映画の情報はこちらのFacebookページで随時更新中です。
短編映画『くさいけど「愛してる」』永井和男監督
京都国際映画祭 クリエイターズファクトリー 優秀賞
12/14の20:40から渋谷のUplinkで上映予定(O!!DO短編映画祭)
来年の2〜3月頃に十三のシアターセブンで『山本エリ「復元可能性ゼロ」と化す』と2本立てで劇場公開予定
ネットドラマ『前向き男とネガティブ妻の日常』永井和男監督
全3話が無料配信中
長編映画『山本エリ「復元可能性ゼロ」と化す』桑水流勇気監督
新人監督映画祭 準グランプリ
来年の2〜3月頃に十三のシアターセブンで『くさいけど「愛してる」』と2本立てで劇場公開予定
長編映画『(不)完全人間』桑水流勇気監督
(不)完全人間 (Not) Perfect Human from harakiri films on Vimeo.
ぴあフィルムフェスティバル 第一次審査通過
有料配信
「とにかくこれからもみんなで良い作品を作って行きたい」と今井さん
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実は私が今井さんと繋がることができたのも、彼の家に2ヶ月滞在していたイタリア人ゲストのおかげでした。
別の場所でたまたま仲良くなったイタリア人男性からホームパーティーに招いてもらい、伺ったのがなんと今井さんのご自宅だったんです。
なので私自身も今井さんが仰るように「Airbnbを通した人と人との繋がり」を体験できた1人です。
また、今井さんは「普段行ってもたいした会話もしない居酒屋のおっちゃんが、外国人ゲストと一緒に行くとゲストを通しておっちゃんとも仲良くなったりするんだから不思議ですよね」と語られていました。
「ゲストの存在を通してまた新たな繋がりが出来ていく」という現象がとても面白いなと思います!
また、今井さんが仰られていたようにAirbnbホストはビジネス的な部分がフォーカスされがちですが、今井さんご自身は「ライフスタイルの中にAirbnbがある」ということがよく分かりました。
そして常に笑顔で楽しくお話ししてくださったのがとても印象的です。
今後も今井さんは心底大好きな映画をかけがえのない仲間の方たちと一緒に作られて行くことと思います。
今井さんの映画プロデューサー、そしてAirbnbホストとしてのご活躍が益々楽しみです!
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「Airbnbでホストをしてみたいけど何から始めたら良いのか分からない…。」という方のためにAirbnbホストのはじめ方マニュアルを公開中です。
Airbnbのサービス説明やお部屋に用意したいもの、お部屋の掲載方法からちょっとしたテクニックまで幅広く情報を公開していますのでホストを始められる際はぜひご活用ください。
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