イロドリの小林です。
このたび日本政府観光局(JNTO)から2016年4月の訪日外国人数についての発表がありましたので、その中から抑えておきたいデータをご紹介したいと思います。
3月に引き続き単月200万人を突破!ただし伸び率の鈍化という懸念点も
2016年3月に単月過去最高の201万人を記録し、インバウンドのハイシーズンのひとつである4月に注目が集まっていました。
桜、中華圏の清明節、タイのソンクラン(タイ正月)など、伸びる要素が満載の4月ですが、中旬に起こった熊本地震の影響も注視が必要です。
(このたびの熊本地震により被災された皆さまと、そのご家族の方々に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。)
そしてついに4月の訪日外国人数が発表されましたが、なんと3月に続いて200万人を突破し、208万2千人と単月過去最高記録を更新しました!
しかし、懸念点もあります。
それは前年同月比の伸び率が18.0%増と数字だけ見ると好調のように見えますが、実は伸び率が20%を切ったのは2014年6月の17.1%以来です。
2014年6月暫定値
出典元:日本政府観光局(JNTO)
後ほど全文紹介いたしますが、実際に日本政府観光局(JNTO)も熊本地震の影響で特に韓国市場では訪日者数が伸び悩んだと発表しています。
ちなみに昨年の2015年4月は前年同月比43.3%の伸び率を記録していたため、その差がお分かりいただけると思います。
約2年間も20%以上の伸び率を続けて来たものの、ここへ来て18.0%の伸び率に留まったということを考えると5月以降の数字を見ながら検証・対応して行く必要があると言えるでしょう。
日本政府観光局(JNTO)はこの増加要因を、4月14日以降発生した「平成28 年(2016年)熊本地震」を受け、特に韓国市場においては訪日者数が伸び悩んだものの、桜シーズンによる訪日旅行需要の高まりにより、全体としては前年同月の数値を上回ったとしています。
また、継続的な訪日旅行プロモーションや、航空路線の拡大、クルーズ船の寄港増加も、引き続き訪日旅行者数の増加を後押ししているとも付け加えています。
各国の昨年同月の訪日外国人数との比較
それでは続いては国別での昨年同月(2015年4月)との比較を見て行きましょう。
総数(薄い赤色の箇所の数字)では前年比18.0%増となりました。
中でも注目したいのが昨年同月と比較して伸び率の高い国(薄い青色の箇所の数字)です。
4月はインドネシアが3万1200人(前年比33.5%増)と昨年と比べて30%以上の伸びとなった唯一の国でした。
マイナスに転じている国こそないものの、香港は12万7200人(前年比6.4%増)など伸び率の鈍化が目立っています。
市場別では台湾、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、フランスが単月として過去最高記録を更新しました。
また、ロシアを除く12市場が4月としての過去最高記録を更新しました。
なお、国別訪日外国人数の内訳グラフは以下の通りです。
2016年1月〜4月の訪日外国人数
続いては2016年1月〜4月の合計訪日外国人数を見てみましょう。
下記は2015年同期間と比較したデータとなります。
総数(薄い赤色の箇所の数字)では前年比32.9%増となりました。
国別で見ると中国が198万7000人(前年比49.5%増)、マレーシアが12万6000人(前年比41.1%増)と40%以上の伸び率となっています。
2016年5月の訪日外国人数予想
日本政府観光局(JNTO)は2016年5月について、桜シーズンと夏休みによる需要の狭間となる中、クルーズシーズンの始まりなどが訪日旅行需要の増加に寄与することを期待するとしています。
なお、訪日旅行市場における熊本地震の影響については、引き続き注視していくとも付け加えています。
まとめ
3月に引き続き4月も単月200万人以上を記録しました。
しかし、この4月の数字を見ると懸念点があることも事実です。
今回のポイントを改めてまとめますと、
・3月に続いて4月も200万人を突破
・単月最高記録の208万2千人を記録
・ただし、前年同月比の伸び率は18.0%に留まる
・前年同月比の伸び率が20%以下だったのは2014年6月以来
といった形です。
5月は7月のピークに向けての狭間の月です。
その5月がどの様な数値となるのか引き続き注視して行きたいと思います。
また、各月の訪日外国人数データはこちらにまとめておりますのでぜひご活用ください。
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