イロドリの小林です。
ここ最近、インバウンド業界で注目されているのが「体験」や「コト消費」といったキーワードです。
私たち日本人もかつては海外旅行へ行く目的と言えば買い物や有名な観光地へ行くことが中心でした。
しかし、時代と共に個人旅行が増え、より自由な旅ができるようになったことで、現地の人との交流や観光客が行かないような場所を訪れるなど「体験」を重視するようになったという歴史がありますよね。
つまり「消費から体験」へと変化するのは自然の摂理という訳です。
それでは「体験」とは一体何なのでしょうか?
実は私たち日本人にとっては当たり前のことが、海外の人たちにとっては特別な体験になることもたくさんあるのです。
例えば渋谷のスクランブル交差点なんてその代表例ですよね。
そしてそんな中、大阪の梅田にある「阪急三番街」でインバウンドの方々に向けたショッピングモールならではの体験ツアーを企画・実施しました。
今回は阪急三番街の販促のお手伝いをしている企画制作会社の株式会社ソラリスさんからの協力依頼のもと、弊社も企画〜運営までをお手伝いさせていただきましたので、当日の様子をレポートでお届けしたいと思います。
迷路? 迷宮? 地下の要塞? 「阪急三番街」とは?
まず初めに「阪急三番街」についてご紹介したいと思います。
関西圏以外の方はもちろんですが、大阪にお住まいの方でも「阪急三番街について深く知らない」という方も多いのではないでしょうか?
梅田の地下街、それはまさに巨大迷路
そもそも梅田と言えば、その複雑に入り組んだ地下街の影響で全国的にも「巨大迷路」として有名です。
そのレベルは大阪人でも簡単に飲み込まれてしまう程のレベルで、少しでも方向を見失ってしまうと「東西南北」なんて言葉は一瞬で無意味なものになってしまうレベルです。
そして、迷いに迷った結果、何とか地上に這い上がって景色を見るとまったく違う場所に来てしまったことに気付く始末…。
もう一度地下に潜って目的地に進んだつもりが地上に出てみると、なぜかまた別の場所…。
そんなプレーリードッグのような気持ちを味わえるのが梅田の地下街です。
そして、その中でも最大級の迷路とも言える場所がこの「阪急三番街」です。
なんせただでさえ迷路な地下街が地下2Fまであり、さらに北館と南館にまで分かれているのですから大変です。
これは間違いなく「攻略難度Sクラス」と言えるでしょう。
今回のテーマは「実は◯◯な阪急三番街」
ただ、この巨大迷路には迷い込んだ私たちを決してイライラさせない秘密があります。
それがバラエティに富んだレストランやショップの数々。
今回の企画のテーマでもある「実は◯◯な阪急三番街」の文字通り、知れば知るほどもっと体験したくなるのが阪急三番街の最大の魅力です。
<実は◯◯な阪急三番街の一例>
・実はレストランやショップが約260店舗もある!?
・実はインバウンドの方々に人気のお店がたくさん!
・実は「あの場所」も阪急三番街だった!?
・実は阪急三番街は抹茶天国!?
・実は阪急三番街はキャラクター天国でもある!?
など、掘れば掘るほど魅力がザクザクと出て来るショッピングモールなのです。
約260店舗もあるショッピングモールってなかなかないですからね。
まさに「関西最大級」の規模です。
それが地下に潜らなければほとんどのお店と出会うことができないというのがさらに人を惹きつけているポイントです。
そんな阪急三番街がインバウンド向けツアーを実施
さて、前置きが長くなってしまいましたが今回はインバウンドの方々にそんな阪急三番街を知って、体験してもらうことを目的にスペシャルツアーを実施しました。
期間は8月4日(木)〜8月8日(月)までの6日(土)を除く4日間です。
日替わりで楽しめる体験ツアーをご用意
4日間のツアーの中で最初の2日間のメインイベントは「お得なランチ体験」、後半の2日間は「抹茶体験」でした。
ランチツアーではお得に美味しいランチを食べた後に、阪急三番街にある和グルメを取り扱うお店を案内&試食を楽しむことができるという超お得な満腹ツアーです。
抹茶ツアーでは自分で抹茶を点てる体験にチャレンジし、その後に阪急三番街にある抹茶グルメを取り扱うお店を案内&試食を楽しむことができるという、まさに抹茶づくしなツアーです。
また、両ツアー共に最初に迷路のような阪急三番街の館内をクーポン付き冊子を元にご案内します。
隠れた観光名所もご案内
阪急三番街には隠れた観光名所があるのをご存知でしょうか?
それは「北向地蔵尊」です。
ショッピングモールなのに突如お地蔵さんが現れます。
都会のど真ん中ですが、ここではひとときの「和の空間」を味わうことができるのです。
ちなみに関西の人であれば「えっ!?北向地蔵尊は知ってるけど、あそこも阪急三番街だったの!?」と思う人も多いはず。
実はそうなんです。
また、北向地蔵尊が阪急三番街ということは、その前から伸びる「地蔵横丁」も阪急三番街なのです。
本当に大きいんですよね、阪急三番街って。
そしてこの北向地蔵尊は文字通り「北を向いたお地蔵さん」が祀られています。
一般的にお地蔵さんは南を向いており、実は全国でも北を向いたお地蔵さんは珍しいんだそうです。
また、このお地蔵さんは1891年に畑から掘り出されたんだそうです。
さらに私も知らなかったのですが「願いがひとつだけ叶う」とも言われているんですって!
私も願いごとをしようか迷ったんですが、今後のために取っておきました(笑)
留学生&帰国子女がおもてなし
そして今回、インバウンドのお客様をおもてなししてくれるのは留学生&帰国子女のメンバーです!
これで英語、中国語、韓国語の通訳もバッチリです。
何より彼女たちは海外からの視点で日本の魅力を見たり体験している人たちです。
彼女たちに話を聞くと「大阪で観光と言えばどうしてもみんな難波や心斎橋に行くので、今では観光客向けの同じようなお店が増えてしまって日本らしさが薄れているように感じます。でも、梅田には“日本らしさ”を感じるお店や商品が今でもたくさんあるので、それを私たちが伝えたい」と気合十分でした。
実際に参加者の方々のアンケートを見ていると日本に住む彼女たちに話を聞くことで、より深く日本を体験できたようです。
ツアー実施期間以外にも阪急三番街を楽しめる仕掛けがたくさん
また、このツアーに参加できなった方々にも阪急三番街を楽しんでいただけるよう冊子には先ほどご紹介した約40店舗で使えるお得なクーポン以外にもたくさんの仕掛けを用意しました。
まずは朝食・ランチ・カフェ・ディナーと時間帯ごとに分けたお店の訴求です。
阪急三番街ではFIT(個人旅行客)が圧倒的に多いため、多種多様な旅行計画を持つターゲットに対して阪急三番街を提案する必要があります。
そこで時間軸を分けた提案をすることで旅行者を「あっ、明日のランチにここへ行ってみよっか」と誘導することが狙いです。
まさにこれは約260店舗ものレストランやショップを持つ阪急三番街だからこそできる強みですね。
また、キャラクターや雑貨、ファッションやコスメなど多種多様な商品を買えることを訴求することでバラエティの豊富さをアピールした冊子になっています。
4日間のツアーがスタート!
そしてとうとう4日間のツアーがはじまりました!
ツアーの様子をたっぷりお届けしたいと思います。
1日目:ランチツアー「超肉厚なとんかつをご賞味あれ!」
初日は「とんかつ KYK」で国産ブランド豚を使用した、肉厚とんかつ(1380円)がたった500円で食べれるランチツアーです♪
関西の方であれば「とんかつ」と言われてすぐに思い出すお店と言えば「とんかつ KYK」という人も多いのではないでしょうか。
実はここ数年で海外の観光客の方もお店にたくさん来られるそうで、阪急三番街のインフォメーションカウンターで「KYKはどこですか?」と聞く人が一番多いんだそうです。
まず最初に阪急三番街をご案内したのですが、ちょうど期間限定で開催されていた「リラックマ×すみっコぐらし」のコラボイベントコーナーでは記念撮影ラッシュとなりました。
北向地蔵尊を見学&お参り。
参加者の方からは「どうやってお参りするの?」「お地蔵さんって何?」「どうしてお地蔵さんは赤い布をかけているの?」など、日本人なら普段気にも留めないような質問が次々と投げかけられました。
「答えが気になる!」という方はぜひご自身で調べてみてくださいね^^
そして「とんかつ KYK」で美味しいとんかつをいただきます。
美味しいとんかつを召し上がっていただく前に、通訳スタッフからKYKが創業51年目という歴史を持っていることや沖縄産の琉香豚(りゅうかとん)の説明、衣やソースなどのこだわりについての説明が入ります。
また、ソースは塩とポン酢ととんかつソースという3種類の味が楽しめるのですが、「ポン酢とは何ですか?」「なぜ塩で食べるんですか?」などたくさんの質問をいただきました。
とっても肉厚でジューシーなとんかつを見て参加者の方々は「こんな肉厚なのにどうやって揚げているの?」といった質問や、「私の国のとんかつはすごく薄いよ」という情報を教えてもらうなど会話も弾みます。
ランチ後は阪急三番街内で和菓子を取り扱うお店をご案内し、試食も楽しんでいただきました。
参加者の皆さんからは「あのお菓子はなに?」「あれはどんな味?」などの質問が飛び交うなど、日本の和菓子に興味津々な様子でした。
こうして1日目のツアーは無事に終了しました。
2日目:ランチツアー「これぞ大阪を代表する大阪讃岐うどん!」
2日目はうどんツアーです。
大阪の人はご存知の方が多いと思いますが、「大阪でうどんの有名店」と言えば「釜たけうどん」ですよね!
2003年に難波にオープンしてから「大阪讃岐うどん」というジャンルができたほどの超人気&有名店です。
このツアーではそんな釜たけうどんの系列店「串かつ 釜たけうどん 凡凡屋」で人気のちく玉天ぶっかけと串カツ3本が味わえるドリンク付き(1800円)メニューがたった500円で食べれるという内容です。
有名なうどんをこんなお得に食べれるなんてお得過ぎます!
この日も館内や北向地蔵尊をご案内。
「串かつ 釜たけうどん 凡凡屋」では美味しいうどんと串かつを味わっていただきます。
ここでも通訳スタッフから凡凡屋のルーツである「釜たけうどん」についてや串かつについての説明が入ります。
参加者のみなさんはうどんのコシにとても驚かれていました。
また、串かつも付いて来たので「え? これも食べて良いの?」と、そのボリュームと味にさらに驚かれたようです。
そして前日に引き続き、和菓子の試食も大好評でした。
あれだけボリュームのあるランチを食べたのに、みなさん和菓子はペロッと食べてしまいました。
スイーツが別腹なのは世界共通のようですね(笑)
おかげ様で2日目も大盛況&大好評でツアーを終了することができました。
3日&4日目:抹茶づくしツアー「抹茶を作って飲んで食べつくす!」
そして、とうとうツアーも最後の2日間となりました。
このツアーは「抹茶づくしツアー」という名が付く通り、まさに抹茶オンパレードの内容です。
今回は京都の山城で明治二年に創業した老舗のお茶専門店「宇治園」さんの協力の元、宇治園が手掛けるカフェ「茶の彩(ちゃのいろ)」にて、このツアー限定で抹茶作り体験を開いていただきました。
抹茶は今や日本のお土産の代表格となりましたが、「自分で点てた抹茶を飲む」という体験はなかなかできないため、注目度も高かったようです。
さらにその後は阪急三番街で抹茶グルメ&スイーツを取り扱うお店をご案内&試食体験ができるという内容になっています。
まずは阪急三番街の館内や北向地蔵尊をご案内するところからスタートします。
そしてカフェ「茶の彩」に到着し、いよいよメインイベントの抹茶体験がスタートします。
まずは先生のお点前を見させてもらいます。
皆さん真剣な眼差しで食い入るように作法を見られていました。
そしてついに自分で抹茶を点てる番です!
先生やスタッフさんにコツを教えてもらいながら抹茶を点てます。
皆さん、まさに本気モードでシャカシャカと混ぜていきます。
カフェラテのようにクリーミーな泡ができると上手くできた証拠なんだそうです。
先生にお話を伺うと初めて挑戦する人は上手く作れない人が多いそうなのですが、予想外に上手く抹茶を点てられている人が多く、「本当に初めてとは思えない!」と先生も驚かれていました。
抹茶を点てた後は飲み方の作法も教えていただき、いよいよ抹茶を味わってみます。
参加者の方々に感想を聞くと皆さん「この抹茶はとても甘い」という感想を述べられていました。
宇治園のスタッフさんにお話を伺うと、お出しいただいたのはとても良質な苦味が抑えられた抹茶粉なので甘みを感じられるのだそうです。
最後は先生と記念撮影ラッシュになり、参加者さんにとっても先生にとっても良い想い出となったようです。
その後は阪急三番街内にある抹茶グルメ&スイーツを取り扱うお店のご案内&試食体験です。
本高砂屋の抹茶のきんつばは実際に焼いている様子が見れることもあり、みなさん興味津々でした。
ベルギーワッフル マネケンでは「この抹茶のワッフル美味しすぎる!」ということで、この場でお土産を買われる方も。
その他にも抹茶グルメ&スイーツのお店をご案内&試食体験していただきました。
特に抹茶は女性からの人気が高いため、女性参加者の方々は「幸せです♪」と大喜びの様子でした。
そしてこれにて4日間のツアーは無事に終了となりました。
今回のツアーにご協力いただいた店舗さま
今回のツアーを開催するにあたり、インバウンドのお客様にも喜んでいただくためにサービス提供や試食などのご協力をいただいたお店をご紹介いたします。
<ランチ>
とんかつ KYK・・・ランチのご協力
串かつ 釜たけうどん 凡凡屋・・・ランチのご協力
<抹茶作り体験>
茶の彩
<和菓子の試食体験>
花見屋・・・あられ
千鳥屋宗家・・・白あんの和菓子+黒豆茶
比沙家・・・焼き栗
<抹茶グルメの試食体験>
宇治園・・・抹茶ティラミスチョコレート、抹茶生チョコレート
本高砂屋・・・抹茶のきんつば
ベルギーワッフル マネケン・・・抹茶のワッフル
サロンドロワイヤル・・・抹茶チョコレート
その他にも約40店舗にクーポン提供や冊子内での特集にご協力いただきました。
まとめ
関西の方であればご存知の方も多いかと思いますが大阪の梅田周辺はここ数年の再開発の影響もあり、平日も休日も日本人のお客さんで大変な賑わいを見せています。
もちろん阪急三番街も同様で、昼間はランチ難民が出るほどの盛況ぶりです。
では、そんな阪急三番街がなぜこのタイミングで「インバウンド向け体験ツアー」にチャレンジしたのでしょうか?
それは阪急三番街が目先の利益だけでなく、将来的な利益を見据えた時に海外からのお客さんも取り込んで行く必要性と重要性を知っているからです。
そしてもう1つ。
「誰かに魅力を伝える」ということは、まずは自分たちが魅力を知る必要があります。
そして、その過程で少なからず日本の人たちにもその魅力を深く知ってもらうキッカケにもなるのです。
私たちスタッフはもちろん、ご協力いただいたお店のスタッフさんも参加者の方々と触れ合ったことで自信が付いたり、興味を持たれた方も多いと思います。
実際に私もこの企画に携われたからこそ知れた阪急三番街や大阪、そして日本の魅力がたくさんありました。
もしかするとこの記事を読んで「阪急三番街へ行ってみようかな?」と思ってくださった方もいらっしゃるかもしれません。
そうやって魅力の輪を国や人種に関わらず人から人へと繋げて行くことこそが、これからの時代に求められることなのではないかと感じました。
これをキッカケにさらに賑わいのある阪急三番街を見れると思うと楽しみでなりません!
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