イロドリの小林です。
弊社では今年の夏頃から台湾人のシュさんがBATTERAのライターとして活躍してくれています。
朱 冠蓁(シュ カンシン)
台湾の台中市出身。
2015年7月から日本に住み、現在は日本語学校で勉強中。
本格的に勉強を始めてから1年ちょっと。
2016年7月には無事に日本語能力試験N2に合格。
好奇心旺盛な性格なため、すでにイロドリスタッフより日本の魅力や観光地、イベントを知っているという噂すらある。
彼女のインタビュー記事も公開中!
「なぜ福原愛ちゃんの結婚会見はあんなに緊張感がありますか!?」台湾人インターン生のシュさんが驚いた日本人とのギャップとは <前編>
「なぜ日本はそんなに悪口のレパートリーが少ないですか!?」台湾人インターン生のシュさんが驚いた日本人とのギャップとは <後編>
彼女はとても明るい性格でお喋りが大好きなので、いつも私たちを癒やしてくれるのですが、話を聞けば聞くほど「この子は本当に日本を好きでいてくれてるんだなぁ」と感じます。
彼女だけに限らず台湾といえば「親日の人が多い」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
では、「なぜ台湾人には親日の人が多いんですか?」と聞かれたら何と答えますか?
私自身もそうですが、「台湾=親日」という理解だけに留まってしまって意外と「なぜ?」の部分を明確に理解できていなかったりしますよね。
そこで今回はシュさんが台湾人の視点から教えてくれた「台湾人が日本好き・親日な5つの理由」をご紹介したいと思います。
また、今後数回に分けて台湾についての様々な情報をご紹介していく予定ですのでお楽しみに!
台湾人が日本好き・親日な5つの理由
1. 日本統治時代の影響
日本は日清戦争で清朝(当時の中国)に勝利したことで、台湾を割譲されました。
そして統治時代は1895年〜1945年の50年も続きます。
今のお年寄り世代の人たちは「日本による統治によって台湾が近代化した」と考えている人も多いことなどから、シュさんのような若い世代にもその想いが伝わっているのだそうです。
また、日本の統治時代が終わった後も反日活動をする政治家が少なかったことも大きな影響のひとつだとシュさんは言います。
2. 90年代のメディアの影響
台湾では1980年代後半頃から日本のテレビ番組やドラマ、アニメが字幕付きでたくさん放送されていたそうです。
例えばテレビ番組で言えば「ミュージックステーション」「学校へ行こう!」「どっちの料理ショー」など、ドラマで言えば「東京ラブストーリー」「ごくせん」「ロングバケーション」など、アニメで言えば「アルプスの少女ハイジ」「ドラえもん」「ドラゴンボール」など日本人の私たちにとっても馴染みのある番組や作品ばかりです。
また、90年代に日本のファッション雑誌(ViVi、mina、withなど)も台湾で売られ始めた影響で日本のファッションに憧れる若者が増えたそうです。
例えば服屋さんでも「日系穿搭(日本スタイル)」と書かれたPOPがたくさんあったそうです。
ちなみにシュさんの世代では「森ガール」「原宿系」「(109を代表する)ギャル系」がブームになったんだとか。
ちなみに、これらの日本文化に影響を受け「日本オタク」となった人たちは「哈日族(ハーリージュー)」と呼ばれるんだそうです。
3. 産業においてのお手本
シュさんいわく1895年〜1945年の日本による統治時代や、日本が第二次世界大戦に敗戦した後の高度経済成長も含めて台湾にとって日本は学びの対象だと言います。
その頃から「日本の製品=高品質の高級品」というイメージがあるそうです。
車や電化製品、カメラ、化粧品、お菓子など日本製品が常に身近にあったのでそれが当たり前だったそうですが、資生堂をはじめとする化粧品ブランドは百貨店で売っていたり、お菓子も日本の価格の2倍以上なので「良いモノだけど誰もが買えるわけではない」という商品も多かったと言います。
4. 距離が近い
台湾人でも高齢者以外は日本の統治時代を知りませんが、それでも親日の人が多い理由のひとつとしては「距離が近い」というのも原因のひとつだそうです。
私たちが台湾へ気軽に行けるのと同様に台湾から日本へも来やすいため、旅行を通じて日本の食や自然、人などに触れた人たちが、その体験をSNSやクチコミでシェアすることで日本に興味を持つ人がさらに増えるという好循環になっていることもあると言います。
彼女の周りでも週末やちょっとした連休を利用して日本へ来る人が増えているそうです。
5. 日本人に親台の人が多いから
最後は日本人も台湾が好き・親台な人が多いことが理由のひとつに挙げられるそうです。
彼女も過去に旅行や短期留学で日本へ来た時にもそれを感じたそうです。
日本全国どこを訪れても「どこの国から来たの?」と聞かれて「台湾です」と答えると親しく話してくれたりサービスをしてくたりしたのがとても嬉しかったそうです。
また、彼女は東日本大震災の翌年に短期留学で兵庫県に来たそうです。
東日本大震災と台湾と言えば、台湾から総額280億円もの義捐金があったことで、台湾人の思いやりと優しさに心から感動した人も多いはずです。
シュさんも募金はしてくれたそうですが、ここまで大きな感謝の声が返ってくるとは思わずにみんな自然にコンビニなどの募金箱にお金を入れていたそうです。
そして日本人から大きな感謝をされていることを知った彼女たちはとても驚いたんだとか。
そして彼女が短期留学で兵庫県へ来たのは東日本大震災の翌年のことでした。
友だちに「本のしおりを作る体験イベントがあるから一緒に行こうよ!」と誘われ、13人の台湾人の友だちと一緒にイベントに参加したそうです。
その時に対応してくれた日本人スタッフが彼女たちが台湾人だと知ると「東日本大震災の時は日本を助けてくれて本当にありがとう。私は日本人の代表ではないけれど、あなた達に心から感謝の気持ちを伝えたいんです。本当にありがとうございました」と深々と頭を下げられたそうです。
その瞬間、彼女たちは全員とても驚き、涙を堪えるのが大変だったそうです。
そこで日本に対する印象がさらに良くなったことでシュさんを含む3人は日本への本格的な留学を決意したと言います。
そして台湾に地震があった時はまた日本が支援をしてくれるなど、お互いを認め合って支え合うような関係から“日本との心の絆”を感じてくれているのだそうです。
まとめ
今回は【シュさんに学ぶ台湾シリーズ第1弾】ということでシュさん視点で見る「台湾人が日本好き・親日な5つの理由」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
個人的には義捐金へのお礼のくだりはシュさんの話を聞きながら私自身が涙しそうになってしまいました……。
でも、こういう民間人同士での心のやり取りって良いですよね。
こういうエピソードをたくさん積み重ねていけば台湾だけに限らずいろんな国と国境を越えた素敵な人間関係を築いていけると思います。
その他のシュさんに学ぶ台湾シリーズはこちらでまとめています。
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