フランス在住だから分かる! パリで人気の日本食から見る成功のヒントとは

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こんにちは。フランス在住のゲストライターのサンジャイです。

先日、日本政府観光局(JNTO)から発表された2016年の訪日外国人数の統計発表によれば、フランスは、ヨーロッパ圏内でイギリスに続き2番目に訪日者数の多い国となっています。
その数は実に25万人以上になります。

フランス人は余暇には「何もしないでリラックスすること」を求める傾向が非常に強いため、明らかにリゾート地ではない日本への訪問者数が多いことはとても驚きです。

おそらくフランス人の趣味・趣向も変化しつつあるのでしょう。

実際にパリで見かける日本食レストランもがぜん増えてきました。
とは言え、中には日本食「もどき」もたくさんあります。
日本人の私からすると「これが日本食?」と首を傾げてしてまうお店の方が圧倒的に多いというのが実情です。
それだけ「日本食」というだけでお客さんを呼べてしまうのでしょう。

さて、日本人が想像する「外国人の好きな日本食」といえば、寿司・天ぷらというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?

この記事ではパリでフランス人に好まれている日本食をご紹介しつつ、訪日ヨーロッパ人にアピールすべき食品を探っていきたいと思います。

ラーメンが大人気! あの定番サイドメニューも大好き

パリでは「ラーメン」が大人気です。
うどんやそばのお店もあることにはありますが、ラーメンほどの勢いはありません。

麺をすすることのできないフランス人はラーメンを食べるスピードがとても遅いので、食べ終わるころには麺ものびのび。
しかし、そんなことはどこ吹く風で、みんな美味しそうにラーメンを食べています。

そして、日本人も大好きな定番サイドメニューの「餃子」も大人気です。

一風堂のようなラーメン専門店も人気ですが、興味深いことに「中華食堂」的にカレー・からあげ・かつ丼のようにラーメン以外の料理を出すお店も愛されています。

photo-k00203-03パリ・サンジェルマン地区の一風堂【著者撮影】

ですので、訪日フランス人はよほどの日本食通でなければ、ラーメン専門店よりもメニューの豊富な中華レストランのようなお店を好んで選ぶかもしれません。

フランス人とラーメン、あまりイメージがないかもしれませんが、ラーメン好きのフランス人は確実に増えています。

天ぷら・寿司には温度差あり!BENTOが人気急上昇!

日本食を代表する「天ぷら」。
しかし、フランスでの認知度は低く、高級な料理と思っている人は少数派かもしれません。

一方、寿司はこの単語を知らない人はもはやいないほどパリでは浸透しており、街を歩けば「SUSHI」という文字を掲げたお店はたくさん見られます。
ただし、このSUSHIも日本人の考える寿司とはほど遠く、ネタの種類もサーモンをメインに数種類のみ。
さらに海苔巻き(Makiと呼ばれています)の存在感が極めて高いのも特徴のひとつです。
分かりやすく例えるなら日本の子供が好んで食べるようなメニューを大人が食べているイメージでしょうか。

このようにSUSHIと言えども日本人にとっての寿司とは中身がかなり異なるので、「寿司が食べたい」というフランス人に張り切って日本ならではの良いお寿司屋さんを紹介しても、もしかしたらエンジョイしてもらえないかもしれません。

一方、パリでは最近お弁当が注目を集めています。
すでに「BENTO」という言葉がフランス語になっていることをご存じでしょうか?

例えばこれはパリのお店で売られているBENTO箱ですが、京都に店舗を構える株式会社BERTRAND(ベルトラン)という会社の商品です。

photo-k00203-01パリで販売されているBENTO箱【著者撮影】

ベルトランのフランス語サイトもあります。
CEOでありフランス人のベルトラン トマさんは京都大学へ留学し、そこでお弁当箱と出会い、この日本独特の文化を世界に広げてくれているそうです。

また、パリで気軽に食べれるファーストフードといえばケバブサンドやクレープなど単品が多いですが、レストランで気軽に食べられるBENTOも人気です。
人気の秘密はBENTOに入っている品数の豊富さと、彩りの美しさではないかと推測しています。

photo-k00203-02写真はイメージです

今のところ、天ぷらや刺身といった単品を求めるよりも、BENTOに入っている食品から新しい日本食を発見していくフランス人が多いかもしれません。

甘いモノ好きだけど注意も必要。そして粉ものは大人気!

樹木希林主演の映画「あん」はフランスでも上映されました。
この影響もあるのでしょう、どら焼きも認知度を高めています。
見た目がパンケーキっぽいところがハードルを下げているのか、日本食を食べたことのない人もあまり躊躇なく手を伸ばしてくれます。

もちろん、「あんこが苦手」という人もいます。
理由は人それぞれですが、味そのものよりも「豆を甘くする」という概念が受け入れられないのかもしれません。

フランス人に和菓子を勧めたときに「中身はなんですか?」と聞かれたら、「豆を甘く煮たもの」とは言わず、「ショコラ ジャポネ(日本のチョコレートだよ)」と言ってまずは口にしてもらうというのもひとつの手かもしれません。

パリには1980年から和菓子の名店「とらや」があるので、そこからフランス全土にあんこの輪が広がることを願っています。

ただし、お餅のような「もちもち触感」を苦手とするフランス人がとても多いため注意が必要です。
同じ和菓子でも「だんご」や「大福」が受け入れられるのはまだまだ先のようが気がします。

また、「パンの国フランス」と言われるほど小麦粉を愛するDNAがそうさせるのでしょうか、どら焼きに加え、粉もののたこ焼きもお好み焼きも人気です。

食の相性で見ると、フランス人にとって大阪はとても魅力的な街と言えるかもしれません。
なぜならパリには「おこむす(Okomusu)」というお好み焼き屋さんと「はっぱ亭(Happa Tei)」というたこ焼き屋さんがあり、どちらのお店もいつも行列ができるほどの人気店だからです。

まとめ

今回はフランス在住者の目線から、フランス人に好まれている日本食の傾向を、実際にパリで流行っている食べ物を通してご紹介しました。

まだまだ日本食ビキナーなフランス人は、日本人が身近に感じている庶民的な食べ物が好きなようです。

さらに、フランス人は倹約家で有名です。(日本の書店でもそれを裏付けれるような書籍がたくさん出ているのでぜひ探してみてください)
また、フランス人観光客の多くは日本の漫画やポップカルチャーを愛する若者も多いため、贅沢のできる人は少ない可能性も考えられます。

もちろん、予算に余裕のあるフランス人観光客もいますが、高所得者層のフランス人は日本食よりも禅(ZEN)をはじめとする日本の思想文化に対する関心が高い傾向にあるのもひとつの特徴です。

以上のことからフランス人をターゲットにする場合、なんとなく日本人が持っているフランスに対する「高級なイメージ」は忘れて、庶民的な食べ物と、見た目の美しさ(プレゼンテーション)に注目してみると上手くいくかもしれません。

この記事は電気料金比較・切り替えサイト セレクトラのライターさんからの寄稿によるものです。

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