イロドリの小林です。
このたび日本政府観光局(JNTO)から2017年7月の訪日外国人数についての発表がありましたので、その中から抑えておきたいデータをご紹介したいと思います。
初の260万人超え! 前年同月比16.8%増の268万2千人!
2017年7月の訪日外国人数は前年同月比16.8%増の268万2千人となり、7月として過去最高記録となったことはもちろん、単月としても過去最高記録となりました。
7月は過去数年のデータを見ても、1年を通してもっとも訪日外国人数の多い月と言えます。
そういう意味でも、この7月の伸びに注目が集まっていましたが、2016年7月を38万人以上も上回る数字となりました。
日本政府観光局(JNTO)による増加要因の分析は以下の通りです。
多くの市場で夏期休暇シーズンを迎え、旅行需要が高まる中、航空路線の新規就航や増便、訪日クルーズの就航が訪日者数増加の追い風となった。
さらに、この時期の需要獲得に向けて進めてきた訪日旅行プロモーションも訪日意欲を後押しした。
各国の昨年同月の訪日外国人数との比較
それでは続いては国別での昨年同月(2016年7月)との比較を見て行きましょう。
総数(薄い緑色の箇所の数字)では前年比16.8%増となりました。
そして中でも注目したいのが昨年同月と比較して伸び率の変化が大きい国(青色の箇所の数字)です。
韓国が64万4000人(前年比44.1%増)、ベトナムが2万4700人(前年比32.9%増)、ロシアが6300人(前年比34.0%増)と、30%以上の伸び率となっています。
また、当サイトで2月頃から伸び悩みについて注視している中国と台湾も見てみましょう。
まず、台湾は2017年1月〜6月の伸び率の平均は6.1%でした。
ところが7月は44万6600人(前年比12.5%増)と伸び率が復調してきた感があります。
日本政府観光局(JNTO)の分析によると、夏季に合わせて訪日クルーズが複数催行されたことや地方へのチャーター便が運航されたことが増加要因とのことです。
しかし、昨年7月に発生した台風1号の影響の反動も考えられるとしていますので、7月の数値だけを見て「まだまだ伸びる」と判断するのは早計と言えるでしょう。
一方の中国を見てみましょう。
2017年6月の伸び率は0.8%とほぼ横ばいでしたが、7月は6.8%まで伸ばしてきました。
ただ、2017年1月〜6月の伸び率の平均は6.7%だったので、「伸ばしてきた」というよりも「戻ってきた」という方が正しいかもしれません。
日本政府観光局(JNTO)は、この中国の復調原因を、旅行シーズンのタイミングに加えて、ビザの発給要件の緩和による個人旅行者(FIT)の増加や継続的な訪日旅行プロモーションが影響したとしています。
どちらにせよ、中国と台湾の動向には今後も注視したいところです。
また、タイが前年比7.4%減、インドネシアが前年比12.3%減、マレーシアが前年比13.5%減とマイナス成長(赤色の箇所の数字)となっており、こちらも今後の動向に注目です。
そして、中国・韓国・台湾・香港の4市場が単月としての過去最高記録となりました。
また、11市場(シンガポール・フィリピン・ベトナム・インド・豪州・米国・カナダ・フラ
ンス・ドイツ・イタリア・スペイン)が7 月としての過去最高を記録しています。
また、国別訪日外国人数の内訳は以下の通りです。
2017年1月~7月の訪日外国人数
続いては2017年1月~7月の合計訪日外国人数を見てみましょう。
下記は2016年同期間と比較したデータとなります。
総数(薄い緑色の箇所の数字)では前年比17.3%増の1643万8800人となっています。
また、国別で見ると韓国が403万9900人(前年比42.8%増)、インドネシアが20万8300人(前年比35.0%増)、ロシアが4万2100人(前年比39.6%増)と30%以上の伸率となっています。
中国と韓国は7月時点で累計400万人を突破しており、累計では再び中国が韓国を僅差で追い抜いてトップとなりました。
まとめ
これで2017年の下半期、最初の月である7月の訪日外国人数データが発表されました。
今回のポイントを改めてまとめますと、
・単月として初めて260万人を突破
・台湾は伸び率に回復の兆し
・中国の伸び率は1月〜6月の平均伸び率付近まで回復
・累計は中国が韓国を僅差で追い抜いてトップへ
などが挙げられます。
過去のデータを参考にすれば、おそらくこの7月の数字が2017年の月別訪日外国人数の天井になるでしょう。
次に大きな山が来るのは10月です。
また、10月以外の月もピークではないにしろ、上半期に比べると訪日外国人数が多くなる傾向にあります。
つまり、インバウンドビジネスに携わる人にとって下半期は「勝負の6ヶ月間」とも言えます。
7月が終わり、8月も半ばになってしまいましたが、まだまだチャンスは5ヶ月半もあります。
ぜにこの機会に、プロモーション戦略やオペレーションなどを見直し、工夫できることがないか再確認してみてください。
各月の訪日外国人数データはこちらにまとめておりますのでぜひご活用ください。
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