イロドリの小林です。
このたび日本政府観光局(JNTO)から2017年8月の訪日外国人数についての発表がありましたので、その中から抑えておきたいデータをご紹介したいと思います。
前年同月比20.9%増の247万8千人で今年3番目の訪日外国人数を記録！
2017年8月の訪日外国人数は前年同月比20.9％増の247万8千人となり、8月として過去最高記録となりました。
グラフを見てもお分かりいただけるかと思いますが、7月、そして4月に続く3番目に訪日外国人数が多い月となりました。
日本政府観光局(JNTO)による増加要因の分析は以下の通りです。
多くの市場で夏期休暇シーズンを迎え、旅行需要が高まる中、チャーター便を含む航空路線の新規就航や増便、訪日クルーズが訪日者数増加の追い風となった。
さらに、この時期の需要獲得に向けて進めてきた訪日旅行プロモーションも訪日意欲を後押しした。
各国の昨年同月の訪日外国人数との比較
それでは続いては国別での昨年同月（2016年8月）との比較を見て行きましょう。
総数（薄い緑色の箇所の数字）では前年比20.9%増となりました。
そして中でも注目したいのが昨年同月と比較して伸び率の変化が大きい国（青色の箇所の数字）です。
韓国が62万900人(前年比35.3%増)、ベトナムが2万4700人(前年比43.6%増)、マレーシアが2万1100人(前年比35.8%増)、ロシアが5800人(前年比34.5%増)と、30%以上の伸び率となっています。
また、当サイトで2月頃から伸び悩みについて注視している中国と台湾ですが、8月はどちらもポジティブな数字となりました。
まず、台湾は2017年7月の伸び率(12.5%増)からさらに0.9ポイント上昇し、13.4%となりました。
日本政府観光局(JNTO)の分析によると、夏季に合わせて訪日クルーズが複数催行されたことやウェブサイトやデジタルサイネージなどの訪日旅行プロモーションの効果を増加要因として挙げています。
一方の中国を見てみましょう。
2017年7月までの平均伸び率は6.7%でしたが、8月は一気に21.1%増となりました。
そして、単月としては初めて80万人を突破し、単月としての過去最高記録となりました。
日本政府観光局(JNTO)は、この中国の増加要因のひとつに「ビザの発給要件の緩和」を挙げています。
実は今年の5月8日から、中国人に対するビザ発給要件が緩和されました。
数次ビザ(その期間中であればビザなしで訪日できるビザ)を取得できる人の条件が緩和されたり、数次ビザの対象訪問地が東北三県(岩手県，宮城県，福島県)から東北六県(青森県，岩手県，宮城県，秋田県，山形県，福島県)へ拡大されるなどの措置が取られています。
詳細について知りたい方は外務省が発表している「中国人に対するビザ発給要件の緩和」をご確認ください。
このビザ効果が9月以降どこまで効いてくるのか楽しみですね。
前年同月比がプラスとなった国もあればマイナスになった国(赤色の箇所の数字)もありますが、イタリアとスペインのみに留まりました。
また、インドネシア・イタリア・ロシア・スペインを除く15市場が8 月としての過去最高を記録しています。
国別訪日外国人数の内訳は以下の通りです。
2017年1月～8月の訪日外国人数
続いては2017年1月～8月の合計訪日外国人数を見てみましょう。
下記は2016年同期間と比較したデータとなります。
総数(薄い緑色の箇所の数字)では前年比17.8%増の1891万6200人となっています。
このまま行けば9月には2,000万人を突破するのは間違いないでしょう。
※観光庁による推計値では9月15日時点で2000万人を突破したと発表されています。
また、国別で見ると韓国が466万800人(前年比41.7%増)、ベトナムが20万6500人(前年比30.2%増)、インドネシアが22万2300人(前年比33.0%増)、ロシアが4万7800人(前年比38.6%増)と30％以上の伸率となっています。
まとめ
2017年8月の訪日外国人数データが発表されました。
今回のポイントを改めてまとめますと、
・中国が初の単月80万人を突破
・中国の増加要因はビザ発給要件の緩和の効果か
・9月には2000万人突破が確実
などが挙げられます。
過去のデータを参考にすれば、9月は少し落ち着き、10月に再び増加する傾向にあります。
いよいよ2017年も終盤に差し掛かりつつあります。
残りの期間も気を引き締めて、共に頑張りましょう！
各月の訪日外国人数データはこちらにまとめておりますのでぜひご活用ください。
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