こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。
このメディアでも何度か触れていますが、大阪のホテル不足はかなり深刻です。
中国の国慶節の大型連休がある10月は既に宿泊料金がとんでもなく高騰しているようで、先日お会いした旅行代理店の方はかなり頭が痛い様子でした。
そんな外国人観光客の方々がどんな宿泊施設にどれくらいの期間宿泊しているかあなたは知っていますか?
国ごとに宿泊日数が長いか短いかの傾向を把握することでどの国にターゲットを絞るかの1つの大きな指標になるはずです。
また宿泊施設を運営されている方はどの国の人がどんな宿泊施設に泊まっているかを知ることでマーケティングに活かすことが可能です。
政府観光局(JNTO)より発表されている2014年度のデータを元に訪日者数上位16ヶ国の平均泊数と宿泊施設について調べてみました。
それでは早速見ていきましょう。
訪日外国人数上位16カ国の平均泊数
フランス 14.4泊
ドイツ 13.5泊
イギリス 13.4泊
オーストラリア 12.4泊
カナダ 11.0泊
アメリカ 9.9泊
フィリピン 9.4泊
シンガポール 7.5泊
マレーシア 6.7泊
ベトナム 6.7泊
インドネシア 6.3泊
タイ 6.0泊
中国 5.9泊
香港 5.2泊
台湾 5.1泊
韓国 3.5泊
平均泊数については「日本からの距離にほぼ比例する」と言ってよいかと思います。
日本から物理的に遠い距離にある欧米諸国の泊数は長く、距離が近いアジアの国々は短い傾向にあります。
その中でもアジアで最も泊数が長いのがフィリピンだという結果は個人的には意外でした。
続いて宿泊場所について見てみましょう。
訪日外国人数上位16カ国の「ホテル」に宿泊した人の割合
まずは「ホテル」に宿泊した人の割合が多いランキングです。
中国 94.2%
香港 93.7%
シンガポール 91.7%
台湾 90.9%
ベトナム 90.9%
韓国 89.4%
マレーシア 88.6%
インドネシア 86.5%
オーストラリア 84.9%
アメリカ 83.5%
タイ 83.1%
フランス 81.2%
カナダ 80.6%
イギリス 79.4%
ドイツ 75.2%
フィリピン 72.0%
ホテルに最も泊まる人の比率が高いのは中国という結果になりました。
やはり団体旅行客の比率が高いということが影響していると考えられます。
上位はすべてアジアの国が独占し、下位に欧米諸国が並んでいますが意外なことにフィリピンが最もホテルに宿泊する人の割合が低いという結果になりました。
平均泊数でフィリピンはアジアの国の中では一番長いという結果になりましたが、平均泊数の長さと宿泊場所はかなり密接に関係していると考えられます。
こちらについては他のランキングを見ていけばより明確になるでしょう。
訪日外国人数上位16カ国の「旅館」に宿泊した人の割合
続いて「旅館」に宿泊した人の割合が多いランキング。
中国 42.4%
フランス 36.1%
タイ 32.6%
台湾 31.3%
イギリス 30.5%
オーストラリア 30.1%
カナダ 28.1%
シンガポール 27.8%
ドイツ 27.0%
マレーシア 25.2%
アメリカ 24.2%
香港 24.1%
インドネシア 17.7%
韓国 12.1%
フィリピン 10.3%
ベトナム 9.8%
ホテルに比べると全体的にかなり比率が下がります。
そしてここでも中国がトップ。中国の団体ツアーでも多くのツアーが最低でも1泊は温泉旅館に泊まるようにスケジュールされているのでこの比率の高さは不思議ではありません。
中国人の団体ツアーについては以下の記事も合わせてお読み下さい。
2位はフランス、3位タイと続き以後も欧米とアジアが入り交じっています。
そしてその中でもフィリピンとベトナムはわずか10%前後という結果になりました。
ベトナムはホテルの宿泊比率も高いのですが、フィリピンはホテル及び旅館とも比率が低いという結果になりました。
訪日外国人数上位16カ国の「親族・知人宅」に宿泊した人の割合
最後に「親族・知人宅」に宿泊した人の割合が多いランキング。
ベトナム 21.6%
フィリピン 19.9%
ドイツ 15.9%
フランス 13.8%
カナダ 12.1%
アメリカ 12.1%
イギリス 11.0%
タイ 8.2%
インドネシア 7.9%
オーストラリア 6.3%
韓国 5.3%
マレーシア 4.0%
中国 2.8%
シンガポール 2.8%
台湾 2.7%
香港 1.5%
ベトナムが1位。フィリピンが2位、それ以外の上位は欧米諸国という結果になりました。
ベトナム人やフィリピン人の旅行者のうち5人に1人は親族や知人宅に泊まっていることになります。
フィリピンがアジアの国の中では一番平均泊数が長いという結果が出ましたが、親族や知人宅に宿泊している人の割合が多いことが関係いると言えそうです。
親族や知人宅に宿泊することで滞在コストを抑えることが出来るのでその分滞在日数を伸ばすことが出来るためです。
そしてフィリピンと同様にベトナムも親戚・知人宅への宿泊比率が高いですが、平均泊数は6.7泊とそこまでは長くなっていません。ベトナムについては様々なデータを見ていますがなかなか実態が掴みにくいです。
この辺りは近日中に在日ベトナム人の方へのインタビュー企画を実施し、出来るだけクリアにしたいと考えております。しばしお待ちください。
<追記:2016年1月7日>
実際にインタビューして来ました!
まとめ
・平均泊数は日本との距離にほぼ比例し、欧米が長くアジアが短い。
・アジアの中ではフィリピンが一番平均泊数が長い。
・ホテル及び旅館には中国からの旅行者が泊まる比率が高い。
・親戚・知人宅への宿泊はベトナムとフィリピンの旅行者が泊まる比率が高い。
いかがでしたでしょうか?
今回はフィリピンが結構意外な結果だったと感じました。
フィリピンは今年に入り訪日客数がすごく伸びているので今後最も注視するべき国の1つであることは間違いないでしょう。
ぜひこれらのデータを参考に様々な施策を考えてみて下さい。
また、2014年の訪日外国人数の上位16カ国についての様々なデータをこちらで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
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