【2015年】外国人観光客は日本で何を買っている?国別に調べてみた(後編)

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こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。
日本政府観光局(JNTO)から発表された2015年のデータを元に、「買い物」に焦点を当て、訪日者数上位16カ国が購入しているものの特徴を前後編に分けてご紹介しています。
<前編>はこちらからご覧ください。
今回は訪日者数上位16カ国中1位〜8位の国の買い物事情についてまとめてみました。

訪日者数8位〜1位の国々の買い物事情

今回ご紹介するデータは「平均買い物消費額」と「購入率」です。
「平均買い物消費額」とは1人あたりがその項目の商品を購入した際の平均金額です。
また、「購入率」とはアンケート対象者の内、「買いました」と答えた人の比率を表しています。

なお、項目は下記の10項目となっています。
(これは日本政府観光局(JNTO)側で分けられている項目です)

●菓子類
●その他食料品・飲料・酒・たばこ
●カメラ・ビデオカメラ・時計
●電気製品
●化粧品・香水
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー
●和服(着物)・民芸品
●服(和服以外)・かばん・靴
●マンガ・アニメ・キャラクター関連商品
●書籍・絵葉書・CD・DVD

それでは8位から見てみましょう。

8位 シンガポール [2015年訪日観光客数 308,800人]

1人あたりの平均買い物消費額: 78,189円(16カ国中3位)
購入率: 98.4%(16カ国中5位)

[平均買い物消費額]
富裕層が多く住んでいくことで知られるシンガポールからの訪日観光客の買い物消費額では以下の項目が上位にランクインしました。

●菓子類 : 10,092円(4位)
●カメラ・ビデオカメラ・時計 :208,182円(1位)
●電気製品 : 37,762円(2位)
●服(和服以外)・かばん・靴 : 40,416円(2位)
●マンガ・アニメ・キャラクター関連商品: 47,246円(1位)

「カメラ・ビデオカメラ・時計」への消費額が1位にランクインしました。
そして2014年に比べその消費額が3倍近くになっています。
また「マンガ・アニメ・キャラクター関連商品」も1位に入りました。
2014年と同様にジャンルに偏りなく消費し、その消費額自体も非常に高いという傾向です。

[購入率]
●菓子類 : 70.5%(3位)
●服(和服以外)・かばん・靴 : 56.6%(3位)
●マンガ・アニメ・キャラクター関連商品: 22.4%(2位)

購入率では3つの項目が上位にランクインしました。
お菓子類、ファッション・アパレル関連商品、マンガ・アニメ・キャラクター関連商品は多くの人が購入しているということがわかります。

7位 オーストラリア [2015年訪日観光客数 376,200人]

1人あたりの平均買い物消費額: 40,404円(16カ国中11位)
購入率: 93.8%(16カ国中13位)

[平均買い物消費額]
今回平均買い物消費額で上位にランクインしたのは

●マンガ・アニメ・キャラクター関連商品: 14,739円(5位)

のみとなりました。
しかしこの項目も2014年よりも消費額が6000円ほど減少しております。

[購入率]
●その他食料品・飲料・酒・たばこ : 67.1%(4位)
●和服(着物)・民芸品 : 30.7%(3位)

購入率では上記の2つの項目がランクインしました。

欧米の国々と同様に日本文化に関連する商品は人気ですね。

6位 タイ [2015年訪日観光客数 796,700人]

1人あたりの平均買い物消費額: 60,916円(16カ国中5位)
購入率: 96.0%(16カ国中11位)

[平均買い物消費額]
ここ数年大きく訪日者数が伸びているタイの上位の項目を見てみると

●菓子類 : 13,881円(2位)
●その他食料品・飲料・酒・たばこ : 14,951円(5位)
●化粧品・香水 : 21,746円(3位)
●和服(着物)・民芸品 : 21,291円(4位)
●書籍・絵葉書・CD・DVD : 7,134(4位)

がランクインしました。
2014年に引き続き「菓子類」と「化粧品・香水」は上位にランクインしましたが、2014年にランクインしていた「カメラ・ビデオカメラ・時計」は4位から8位に、「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」は5位から6位へとそれぞれ順位を落としました。
特に「カメラ・ビデオカメラ・時計」は2014年に比べ半額程度に消費額が落ちています。
一方2014年には上位にランクインしていなかった「和服(着物)・民芸品」が4位にランクインし、日本の伝統的なものを購入する傾向があることがわかります。

[購入率]
●菓子類 : 71.3%(2位)
●カメラ・ビデオカメラ・時計 :15.2%(3位)
●化粧品・香水 : 56.0%(3位)

購入率でも「菓子類」と「化粧品・香水」は上位にランクインしました。
更に消費額では落ち込みを見せた「カメラ・ビデオカメラ・時計」も上位にランクインしています。
全体的に見て2014年に比べ少しずつではありますが購入しているものや額が変化していっているようです。

5位 アメリカ [2015年訪日観光客数 1,033,200人]

1人あたりの平均買い物消費額: 36,753円(16カ国中13位)
購入率: 93.5%(16カ国中15位)

[平均買い物消費額]
欧米諸国で最も訪日者数の多い国アメリカは1人あたりの平均買い物消費額では16カ国中13位という結果でした。
その中で唯一上位にランクインした項目は

●書籍・絵葉書・CD・DVD : 6,827円(5位)

です。
お土産などには本当にお金をかけないということが数字を見てもしっかりと表れています。

[購入率]
購入率全体で訪日者数上位16カ国中15位のアメリカでは

●和服(着物)・民芸品 : 31.7%(2位)
●マンガ・アニメ・キャラクター関連商品 : 18.5%(5位)
●書籍・絵葉書・CD・DVD : 25.2%(4位)

の3項目がランクインしました。
やはり欧米の方は買い物にはお金をかけないということがデータとしてしっかりと表れました。

4位 香港 [2015年訪日観光客数 1,524,300人]

1人あたりの平均買い物消費額: 72,179円(16カ国中4位)
購入率: 99.1%(16カ国中4位)

[平均買い物消費額]
香港人観光客で上位の項目は、

●菓子類 : 9,271円(5位)
●カメラ・ビデオカメラ・時計 : 105,361円(2位)
●化粧品・香水 : 20,055円(4位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 15,629円(5位)

となっています。
「カメラ・ビデオカメラ・時計」に消費する金額が2014年比べて2.5倍以上になっています。
リピーターが多いことで知られる香港ですが、相変わらず買い物に対する消費がすさまじいです。
これには円安など為替の問題も関わってきていると予想されます。
特に2015年は円安傾向が強かったため、高額商品になればなるほど物価が高い香港で購入するよりも日本で購入した方がお得だと判断した人がいたのだと予想されます。

[購入率]
続いて購入率を見てみますと

●電気製品 : 14.0%(4位)
●化粧品・香水 : 48.0%(4位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 62.3%(3位)
●服(和服以外)・かばん・靴 : 63.8%(1位)

上記の4項目がランクインしました。
その中でも「服(和服以外)・かばん・靴」については63.8%の人が購入し、16カ国中1位となっています。
アパレル業界の方は注目が必要ですね。

3位 台湾 [2015年訪日観光客数 3,677,100人]

1人あたりの平均買い物消費額: 59,683円(16カ国中6位)
購入率: 99.3%(16カ国中3位)

[平均買い物消費額]
香港と同じくリピーターが多い台湾人観光客で上位の項目は

●電気製品 : 29,514円(5位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 18,701円(4位)

となりました。
知人の台湾人の話によると炊飯器やドライヤーなどの電気製品を自宅用や友人から頼まれて購入することが多いとのことでした。
またドラッグストアで医薬品を購入するのも定番でそれがしっかりとデータにも表れている形となりました。

[購入率]
購入率を見てみますと

●菓子類 : 68.4%(5位)
●電気製品 : 25.5%(2位)
●化粧品・香水 : 41.8%(5位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 75.3%(1位)

消費額で上位に入った項目も同じようにランクインしています。
そして「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」の購入率は1位となりました。
ドラッグストアと言えば「爆買い」でお馴染みの中国人観光客をどうしても連想してしまいますが台湾人観光客もかなり高い比率でドラッグストアに行き、実際に商品を購入していることがわかりますね。

2位 韓国 [2015年訪日観光客数 4,002,100人]

1人あたりの平均買い物消費額: 22,520円(16カ国中16位)
購入率: 97.7%(16カ国中7位)

[平均買い物消費額]
韓国人観光客は消費額が2014年に引き続き16カ国中最下位でした。
項目別に見ても上位5位に入っている項目はなく、最上位の項目は、

●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 8,116円(11位)
●書籍・絵葉書・CD・DVD : 4,731円(11位)

となっております。

[購入率]
購入率に目を向けますと

●菓子類 : 82.7%(1位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 40.1%(5位)

という結果になり、「菓子類」は1位という結果になりました。
韓国人観光客は消費額は大きくないですが、お菓子や医薬品など手頃なお土産を購入する人は非常に多いということがわかります。

1位 中国 [2015年訪日観光客数 4,993,800人]

1人あたりの平均買い物消費額: 171,870円(16カ国中1位)
購入率: 99.8%(16カ国中2位)

[平均買い物消費額]
2015年は「爆買い」でインバウンド市場を席巻した中国です。
1人あたりの平均買い物消費額は171,870円と2位のベトナムに6万円以上の差をつけて圧倒的な1位となりました。
上記に入った項目を見てみますと

●菓子類 : 12,766円(3位)
●その他食料品・飲料・酒・たばこ : 15,867円(3位)
●カメラ・ビデオカメラ・時計 : 84,917円(4位)
●電気製品 : 51,740円(1位)
●化粧品・香水 : 46,655円(1位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 41,183円(1位)
●和服(着物)・民芸品 : 19,991円(5位)
●服(和服以外)・かばん・靴 : 66,276円(1位)
●書籍・絵葉書・CD・DVD : 7,394円(3位)

となりました。
2014年のデータと比べてみると「カメラ・ビデオカメラ・時計」は平均消費額が500円ほど減少したものの、「電気製品」は5,000円ほど増加、「化粧品・香水」「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」「服(和服以外)・かばん・靴」の3項目に至ってはどれも1万円前後増加したという結果になりました。
改めて中国人観光客の消費意欲の凄まじさを思い知ることになりました。

[購入率]
購入率を見ても

●菓子類 :68.9%(4位)
●カメラ・ビデオカメラ・時計 :25.1%(1位)
●電気製品 : 42.4%(1位)
●化粧品・香水 : 76.3%(1位)
●医薬品・健康グッズ・トイレタリー : 73.3%(2位)

多くの項目が上位にランクインしており、消費意欲の高さが顕著に出ています。
2016年に入り、中国人観光客の消費減退を伝えるニュースがありますが、今後どう変化していくのか最新の動向をしっかり見極める必要がありそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

前編後編と2回に分けて2015年の買い物消費についてデータを調べてみましたが、2014年と比べて買い物傾向が大きく変化していく国もあれば、消費額が大きく伸びている国などもあり、1年単位でしっかりとデータを追っていく必要性を改めて感じました。

またデータだけでなく、実際の買い物の現場で観光客の動向を自分の目で見たり、直接聞いたりすることも非常に重要です。

弊社では実際に外国人に自社の製品ニーズやサービスに対する感想などを聞く場もセッティングすることが可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。

2014年のデータを元にした分析は以下よりご覧頂けます。

外国人観光客は日本で何を買っている?国別に調べてみた(前編)
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