世界35カ国を訪れた私が「日本の魅力と課題」を一刀両断してみた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。
イロドリの今津です。

私事なのですが、今月始めに伊勢に行ってきました。
もちろん伊勢神宮には外国人観光客がたくさんいたのですが、泊まったゲストハウスに台湾人のスタッフがいたことには驚きました!

また5月末の伊勢志摩サミット開催に向けて、サミットにあやかった名前の付いた「サミット限定酒」や「サミット丼」などがあり街全体で盛り上げようとしていることが伝わってきました。

しかし外国人観光客からすると「サミット丼って何・・・?」と疑問に思うはずです。
特にサミットに関係のない国の旅行者からすると意味が分からないのですよね。

やはり外国人観光客を集客する上で外国人の視点に立ち物事を考えていく事が必要だと改めて認識しました。

私は過去に2年間の海外生活(キルギス)、そして旅行では南米・アフリカ・アジア・ヨーロッパなど計35ヶ国を訪れた経験があります。
その経験から人より少しだけ客観的に日本を見ることができるようになりました。
※今まで訪れた地域は途上国が多いため、若干途上国寄りから見た意見になっているかもしれませんが。笑

そこで今回、私なりに日本の魅力と課題について考えてみました。

日本の4つの魅力

私が海外旅行に行った時、どこの国の観光地も独自の文化や歴史があり興味深かった思い出があります。
しかしそれ以上に現地の人と触れ合ったり生活の様子を垣間見たりした事が強烈に印象的に残っています。
海外に旅行に行って現地の人との触れ合うことは旅行の大きな魅力の一つだと思います。

まずは、日本の魅力について考えてみました。

1.質の高い接客

はじめに日本の接客について考えてみました。

photo-i00119-02

■挨拶
日本:「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」など挨拶がきっちりしている
海外:お客さんがお店に入ってきても挨拶がなく、席に案内もされないこともある

■接客
日本:タイミングを見て食後のお茶を出すなど気遣いのある接客をしてくれる
海外:店員同士がおしゃべりをしている、携帯でゲームをしていることもある

海外では日本のようにきめ細かい接客を受けることはほとんどありません。
日本では何も言わなくてもお茶を出してくれたり、食べるペースを見ながら次の料理を出すといった接客が特に珍しいものではないですよね。
また居酒屋やコンビニ、ファーストフード店などでも高いサービスを受けることができます。
日本の様に全体のサービスレベルが高い国は少ないため日本の接客に驚く外国人はたくさんいます。
これは日本の誇れるものの一つだと思います。

2.治安の良さ

次は日本の治安についてです。

photo-i00119-11

■スリについて
日本:バスや電車の中でリュックを背負っていても心配しなくていい
海外:リュックを背中に背負うとスリや盗難に可能性が高いので注意が必要

■フードコートやカフェで鞄や服で席取りをした場合
日本:特に問題なく席取りができる
海外:注文に行っている間に置引きにあう可能性が高い

■深夜の一人歩き
日本:女性でも夜に一人で出歩くことが出来る
海外:男女関わらず犯罪に巻き込まれる可能性が高く、夜の一人歩きは危険

海外では日本に比べて治安が悪い国も多いため旅行中は常に注意を払わなければなりません。
実際、私もキルギスのバスの中でスリにあったこともあります。
また、友人の中にはアフリカで銃を突きつけられたり、南米で首絞め強盗にあったという人もいます。
もちろん日本でも治安面でまったく不安がないとは言い切れませんが、海外に比べて治安がよく旅行しやすいということも魅力の一つです。

3.豊富な料理のジャンル

次は食に関する事をお伝えします。

photo-i00119-15

■自国料理のジャンル
日本:ジャンルが豊富(懐石、天ぷら、寿司、ラーメン、うどん、鍋、親子丼、お好み焼き・・・など)
海外:毎日カレー、毎日羊肉・・・など選択肢が少ない

■自国料理以外のジャンル
日本:イタリアン、フレンチ、中華など他国の料理のお店が多数ありクオリティも高い
海外:首都以外だと外国の料理が食べれること自体が稀

和食がユネスコ無形文化遺産となっているように日本の食事は世界から注目されています。
料理が美味しいことはもちろんなのですが、選択肢がたくさんあることも人気の理由の一つです。
例えば私がインドに1ヶ月間滞在していた際、毎日カレーしか食べるものがなく食事することが辛かった経験があります。
特に途上国では首都以外の町では食事のジャンルが少なく選択肢があまりありません。
しかし日本では地方に行っても首都と同じクリティの料理を食べることが出来ますし、地方独特の料理や土地の食材を使った料理も楽しむことができます。
外国人観光客にとって旅行しながら好みに合った料理を見つけていくことも楽しみの一つです。

しかし多すぎる日本のメニューは時に外国人観光客にとって何を頼んだらいいのか悩んでしまうので、選びやすいメニュー作りをしてあげることが大切です。

見やすくて注文しやすい飲食店の外国語メニュー作成の6つのポイント
イロドリスタッフの小林です。近年外国人観光客が増えている影響もあり、外国人向けのメニューを用意しているお店が増えていますね。実際に弊社でもよく飲食店の方から「ウチも外国人向けメニューを作りたいんだけどどうしたら良いかな〜?」というご相談をよく頂くようになりました。しかし、外国人向けメニューを見てみると、ただ単に日本語メニューを英訳しただけの「外国人の方にとって見やすくないメニューが多い」というのも事実です。実際に「外国人観光客が日本に来て困ったこと」を見てみると、日本は外国人の方々にとってま...

4.時間に対する意識

最後は、時間に対する意識について。

photo-i00119-13

■交通機関の正確さ
日本:電車やバスが時刻表通りに来る
海外:そもそも時刻表がないことや、時刻表通りに来ないことも多い。

■待ち合わせ時間
日本:仕事でもプライベートでも待ち合わせ時間を守る人が多い
海外:そもそも時間に対して厳しくなく、少し遅れたぐらいでは気にしない人が多い

私たち日本人にとって渋滞や事故でもない限り電車やバスが時間通りに来ることは普通のことだと思います。
しかし海外では、時間通りに出発、到着するということはほとんどありません。
私はバスが出発するまで2時間待ったことや、電車が遅延して駅で5時間待ち続けた経験などもあります。
外国では時刻表通りに電車やバスが来ることはほとんどないため日本の交通機関の時間の正確さに驚く人もいます。

しかし外国人にとって厳しすぎる日本人の時間感覚は少し窮屈に感じることもあるみたいです。
外国人のお客様が少しぐらい時間に遅れてもイライラしないで下さいね。笑

日本の3つの課題

日本は先進国で便利なはずなのに、私が海外から帰って来た時、遅れていると感じることがありました。
おそらく外国人観光客にとっても同じように感じていると思います。
そこで私なりに感じている課題を紹介します。

1.仕事中しか【おもてなし】できない日本人

日本では「おもてなし」という言葉のもと東京オリンピックを誘致したように、国をあげておもてなしをPRしています。
しかし、おもてなしを実践しているのは「仕事でサービスを提供するときだけなのではないか」と感じることがあります。

photo-i00119-04

■電車やバスの中で
日本:目の前に老人や妊婦さんが立っているのにも関わらず席を譲らない人が多い
海外:老人や妊婦には席をすぐに譲る国が多い

■道に迷っている人に対して
日本:外国人が道に迷っていても積極的に助けてあげる人が少ない
海外:積極的に話しかけ道案内しようとする人が多い

■困っている人に対して
日本:見て見ぬふりをする人が多い
海外:お節介なぐらい助けてくれる

私が海外を旅行していた時、道に迷っていると言葉も関係なくすぐに声をかけて助けてくれる人たちにたくさん出会いました。
ただ親切で声をかけてくれた人もいれば客引きや騙そうと思って近づいてきた人たちや、道を知らないのに案内しようとした人たちもたくさんいましたが。笑
特にイスラム圏では旅行者に優しくするという教えがあり、初めて会った人に御飯をご馳走してもらったり、家に泊めてもらったこともあるほどです!

日本では仕事上では良いサービスを提供しているのですが、プライベートでは正反対の対応を見かけることが多々あり一人の日本人として恥ずかしく思います。
ただでさえ日本語が分からない外国人観光客は日本旅行中に困ることがたくさんあります。
言葉が通じなくても「助けよう」「伝えよう」とする気持ちで接することで、日本の事をもっと好きになってもらえると思います。

2.道に名前がついてない

次は道や住所について。

photo-i00119-05

■道の名前
日本:大通りのみ名前が付いている
海外:大通りだけでなく小さい道にも名前が付いている

■住所の表記
日本:「大阪府大阪市北区豊崎2-11-1」のように「丁番号+番地」という表記
海外:「ニューヨーク通り123」のように「道の名前+番号」という表記

海外ではどこの道にも名前がついているのが一般的です。
また、道が交差する場所にも道の名前が掲示してあり、道の名前と番号さえ分かれば目的地までたどり着くことができます。

photo-i00119-12

しかし日本では大通り以外の道には名前が付いていないことが多く、住所の表記も「大阪府大阪市北区豊崎2丁目11番地1」のように丁や番地といった数字が並び、外国人観光客にとっては分かりにくい表記となっています。
初めて訪れた外国人観光客にとってはインターネットに繋がるスマートフォンなどを持っていないかぎり、目的地に辿りつくことは至難の業です。
外国人観光客が目的地に辿り着きやすくなるよう分かりやすい表記を整備していくことも大切です。

3.フリーWi-Fiを利用できる場所が少ない

最後に、既に多くの人がご存知の事だとは思いますが、Wi-Fi環境について説明させてもらいます。

photo-i00119-14

■フリーWi-Fi
日本:フリーWi-Fiが少ない
海外:フリーWi-Fiが整備されているお店が多い

外国人観光客は日本の旅行中に公共の場所やお店でフリーWi-Fiが使えるところが少ないこと不満を感じています。

外国人観光客が感じた二大不満は「英語」「WiFi」 – ダイヤモンド・オンライン

海外ではフリーWi-Fiの使える場所がたくさんあります。
しかし日本ではフリーWi-Fiの使える場所がまだまだ少なく、たとえWi-Fiの表示があっても実はDocomoやSoftBankなどの携帯キャリアが提供しているWi-Fiのためキャリア契約していない外国人は利用できないということもあります。

飲食店が外国人観光客集客するならWi-Fi環境が必要な3つの理由
イロドリの小林です。前回の見やすくて注文しやすい飲食店の外国語メニュー作成の6つのポイントで紹介した「外国人観光客が日本に来て困ったこと」を再度見てみると、2位にWi-Fi環境についての不満があります。おもてなし「ニッポンのココが残念」 外国人100人に聞く:日本経済新聞1位 外国語サービスが少ない2位 無料Wi−Fiの整備が遅れている3位 飲食店の食券システムがわからない4位 飲食店で食べ方を教えてくれない5位 現金しか使えない店が多い以前はダントツの一位だったので少しずつ改善されて来ましたが、まだまだ外国人観光客...

外国人観光客にとって利便性の高いフリーWi-Fi環境が整備されることで、より快適に日本を旅行してもらえるようになります。
フリーWi-Fiを利用できるお店を優先的に選ぶ外国人観光客も多いため、外国人集客を考えているお店にとってフリーWi-Fiを用意することは必須です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
日本人にとっては普通のことでも、外国人観光客にとっては魅力や不満に感じることはたくさんあります。
私は日本を離れて海外で生活したこと、多くの国を訪れた経験があるからこそ少しだけ外国人視点で日本を見ることができるようになりました。
一歩引いて外からの目線で物事を考えることで見えてくることはたくさんあります。
これは外国人観光客だけでなく日本人観光客について考えるときにも共通して大切なことなんです。
大事なことは、
・まずは相手の立場に立って考える
・そして魅力や課題を認識する
・魅力をPRし、課題をひとつひとつ解決していく
そうすることで、日本がより魅力的な国へとなっていくのではないかと思います。

外国人視点でのアドバイスが必要な方は微力ながらお手伝いさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

最新のインバウンドニュースをメルマガで受け取る

外国人集客に役立つノウハウや最新ニュースをメルマガで配信しています。
また、今なら登録いただいた方には「外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ」をプレゼント中です。
いつでも配信停止手続きができますので、まずはお気軽にご登録くださいませ。
メルマガ登録はこちらから

インバウンドニュースをメールで配信中です

イロドリではメルマガ登録をいただいた方々に以下の特典をプレゼントしています。

・【2017年版】外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ
・【2016年版】外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ
・【2015年版】外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ
・【2014年版】外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ

また、メルマガは月に1回のペースでインバウンドビジネスにおける集客や販売に役立つノウハウや最新ニュースを配信しています。

登録料や購読料はすべて無料でいつでも配信停止手続きができますので、まずはお気軽にご登録くださいませ。

メルマガに登録する(登録・購読無料)

SNSでもご購読できます。