イロドリの小林です。
先日、今回は日本政府観光局(JNTO)から発表されたデータを元に、2014年に日本へ来訪した観光客数上位16カ国の月別来訪者数をご紹介しました。
そこで年間を通して外国人観光客の多い月や比較的少ない月など、様々な特徴を掴むことができました。
そこで今回は、それらの国々でどんなSNSが主に利用されているのかを調査しました。
こちらも少し長くなるので前後編に分けて8カ国ずつご紹介したいと思います。
調査方法は「ネット上の情報」と「各国に住んでいるor精通している方にできる限りヒアリング」したものです。
また、Google トレンドでも各サービスの人気度合いも調べてみました。
Googleトレンドとはその名の通り、Googleで検索されているキーワードの検索数を元にトレンドグラフを見ることができるサービスです。
なお、今回はサービスの種類を下記のカテゴリに分けて主に利用されているサービスを紹介したいと思います。
・正統派SNS(例:Facebook)
・マイクロブログ(例:Twitter)
・写真共有(例:Instagram)
・モバイルメッセージング(例:LINE)
※Facebookに関してはこちらのデータを参考に2015年1月時点での人口普及率も記載します。ちなみに日本の人口普及率は17.44%です。
※SNSとは少し異なりますが、モバイルメッセージングサービスも調べてみました。
モバイルメッセージングサービスのシェアについては2012年の情報なので少し古いですが、こちらの記事を参考にGoogleトレンドで比較しました。
外国人観光客の集客を行う上で、FacebookやTwitterなどのSNSの活用はとても重要です。
ですが、国によって利用しているサービスも若干異なるので、あなたがターゲットとしたい国の人達はどんなサービスを利用しているのかを知っておきましょう。
日本への来訪者数16位から9位
それでは16位から順に見てみましょう。
16位 : ベトナム [2014年訪日観光客数 124,300人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:24.40%)、Zing Me
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:Zalo
国産SNSのZing Meというサービスがあるようですが、Facebookの人気は凄まじく利用者数は爆発的に伸びているようです。
モバイルメッセージングサービスは日本では聞き慣れないZaloというベトナム独自のサービスが人気だそうです。
また、Twitterは全体の国を通して言えることですが、特にアジア圏ではアメリカや日本ほどカジュアルに利用されていない国が多いようです。
Googleトレンドで見てみましょう。
Zing Meも健闘していますが緩やかに右肩下がりになり、Facebookのボリュームが圧倒的です。
ただ、Facebookの伸びは一段落した感じもあります。
Facebookのボリュームが多いためFacebook以外で見てみましょう。
Zaloの伸びが目立ちます。
また、Twitterはあまり人気は出ていないようで、Instagramも少しずつ伸びている程度です。
なのでベトナム人はFacebookでマイクロブログや写真共有的な使い方もしているようですね。
15位 : ドイツ [2014年訪日観光客数 140,200人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:32.00%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
ドイツでもFacebookが圧倒的人気のようです。
Googleトレンドで見てみましょう。
ここ2年くらいは右肩下がりですが、それでもボリュームはダントツです。
Facebookを除いて見てみましょう。
Twitterは安定的な人気で、InstagramとWhatsAppはここ3年ほどで右肩上がりに伸びています。
これからまだまだ伸びて行きそうですね。
14位 : インドネシア [2014年訪日観光客数 158,700人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:22.15%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:LINE
インドネシアでもFacebook、Twitter、Instagramと世界標準的なサービスが並びましたが、モバイルメッセージングサービスだけは日本と同様にLINEが人気のようです。
それではGoogleトレンドを見てみましょう。
ここ3年のFacebookの急落具合は少し気になりますね。
また、Twitterも健闘していたようですが、今は右肩下がりになっているようです。
Facebook以外で見てみましょう。
Twitterがここ一年ほどで急落していますが、何かあったんでしょうか?
もしかするとInstagramが伸びているので、テキストから写真でのコミュニケーションに移行しているのでは?と予想します。
13位 : フランス [2014年訪日観光客数 178,600人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:39.27%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
フランスもメインはFacebookのようです。
Googleトレンドを見てみると、
Facebookここ2年は右肩下がりとなっているものの圧倒的なボリュームです。
Facebookを除いて見てみましょう。
Instagramの伸びが顕著ですね。
同時にTwitterが下がって来ていることからフランスでもテキストから写真のコミュニケーションへと移行しているようです。
12位 : カナダ [2014年訪日観光客数 182,900人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:53.81%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp、Kik
次はカナダです。
地理的に近いこともあってか基本はアメリカ発のサービスがメインですが、モバイルメッセージングサービスに関してはWhatsAppと並んでカナダ発のKikというサービスが人気のようです。
Googleトレンドでも見てみましょう。
Facebookは緩やかに右肩下がりになっているとは言え、他の国に比べると下落率は低いようです。
こちらもFacebookのボリュームが多いのでFacebook以外で見てみましょう。
カナダでもInstagramが右肩上がりで伸びていますね。
その分Twitterが落ちていてもうすぐInstagramが抜き去りそうです。
また、写真共有ではSnapchatというサービスも若年層を中心に人気なので、急激にテキストから写真のコミュニケーションへ移行しているようです。
TwitterとInstagramのボリュームも多いので、この2つも除いて見てみましょう。
WhatsAppが一歩リードというところですが、Kikも健闘していますね。
どういった使い分けをしているのか気になるところです。
11位 : フィリピン [2014年訪日観光客数 184,200人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:33.97%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:Facebook Messenger
フィリピンではFacebookから独立したアプリとなったFacebook Messengerがモバイルメッセージングサービスの82%のシェアも取っているそうです。
Googleトレンドで見てみましょう。
カナダと同様にFacebookの下落率は低いのが分かります。
先ほどの記事を見てみると、
フィリピンは急成長し始めたアジアの発展途上国の中でも最も遅く立ち上がろうとしている経済国です。スマートフォンの普及もアジアで一番遅い国です。
とあるので、今はまだ「SNSをしていて楽しくてしょうがない」という時期なのかも?しれませんね。
また、もしかすると今回はソースが見つかりませんでしたが、他の国でもFacebook Messengerがかなりのシェアを取っている国もあるかもしれません。
それではFacebook以外で見てみましょう。
Twitterはそこまで落ちていませんが、それにも増してInstagramの人気が凄まじいです。
なので、「Instagramで写真をアップしてTwitterに連携して投稿する」という使い方が多いのかもしれません。
10位 : 英国 [2014年訪日観光客数 220,100人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:53.07%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
イギリスはカナダと同様にFacebookの普及率が50%以上となっています。
Googleトレンドを見てみましょう。
Facebookはフランスと同じような下降路線になっています。
Facebook以外で見てみると、
Twitterも下降路線でInstagramは順調に伸びてきているようです。
9位 : シンガポール [2014年訪日観光客数 227,900人]
正統派SNS:Facebook(人口普及率:61.84%)
マイクロブログ:Twitter
写真共有:Instagram
モバイルメッセージング:WhatsApp
シンガポールはFacebookの人口普及率が61.84%と非常に高く、これは世界トップクラス、アメリカ(55.17%)以上です。
なのでFacebookは正に「使っていて当たり前」のサービスとなっています。
Googleトレンドを見てみましょう。
Facebookは下降路線ですが、普及率を考えると当然といえば当然だと言えると思います。
Facebook以外で見てみましょう。
InstagramがTwitterを抜いてダントツのトップになっています。
さらに直近ではWhatsAppがTwitterを抜いています。
これだけ顕著に伸びているのであればシンガポールの方々へのPRはInstagramを活用するのが良いかもしれません。
以上、2014年に日本へ来訪した観光客数16位から9位の国について紹介させていただきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
こうやってそれぞれの国を見てみると同じサービスを利用していても普及率や伸び率に差があり、そもそも異なるサービスを利用している国もたくさんあります。
一口に「外国人観光客」と言っても様々な国の方がおられるので、言語や宗教、文化などの違いを知った上でターゲットにする国を決めることが大切です。
そうすることで「やるべきこと」をハッキリさせることができ、効果検証もしやすくなります。
また、ご覧いただいてお分かりの通りFacebookは世界共通で利用されているといっても過言ではないサービスです。
集客ツールとしてもとても重要なサービスですので、ぜひご活用ください。
今回は16位から9位までを紹介したので、次回は8位から1位を紹介したいと思います。
また、今回の紹介した国々で「いや、この国は◯◯より△△の方が人気だよ!」などの情報があればぜひぜひご教示ください。
<後編>に続く
また、2014年の訪日外国人数の上位16カ国についての様々なデータをこちらで紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
最新のインバウンドニュースをメルマガで受け取る
外国人集客に役立つノウハウや最新ニュースをメルマガで配信しています。
また、今なら登録いただいた方には「外国人観光客に人気の都道府県ランキングデータ」をプレゼント中です。
いつでも配信停止手続きができますので、まずはお気軽にご登録くださいませ。
メルマガ登録はこちらから