イロドリの小林です。
<追記:2015年8月6日>
「食べログのお店ページを簡単に他の言語に切り替える方法」や「スマートフォンで食べログの英語ページが開いてしまって困っている」という方はこちらの記事をご覧ください。
日本国内では最大級のグルメ系口コミサイトの食べログですが、今年の3月頃から英語・中国語(簡体)・中国語(繁体)・韓国語の4ヶ国語対応をしています。
個人的には「おっ、食べログがいよいよインバウンド市場で本気を出して来たのか。これは注目だな。」と思っていたんですが、食べログ側も特にリリースなどを出していないようで、「秘かに」対応している状態のようです。
他のメディアでもまだあまり紹介されていないようなので簡単にご紹介したいと思います。
現状ではWebサイトのみでアプリは未対応
調べてみたところ、現状(2015年5月時点)ではスマートフォンアプリは言語切替ができないようです。
Webサイトで各言語に切り替えるためにはサイトの一番下にある言語切換メニューから切り替えます。
こちらはPCサイト。
こちらはスマホサイトです。
言語は英語・中国語(簡体)・中国語(繁体)・韓国語となっています。
ちなみに中国語の簡体は主に中国内陸で使われている字体で、繁体は主に台湾で使われている字体です。
各言語に切り替えてみます。
まずは英語です。
続いて中国語(簡体)です。
続いて中国語(繁体)です。
そして韓国語です。
ここで注目したいのは日本語版と同様に「当日空席情報」を提供しているお店が上位表示されているということです。
食べログは有料プランかつ、お店の情報や当日空席情報機能などを活用しているお店が上位表示されやすいようですが、他の言語版でも同様のようです。
ということは、有料プランを活用されているお店は継続してこれらの機能を活用していれば食べログがインバウンドに力を入れだした時には大きな恩恵を受けられるかもしれませんね。
食べログの有料プランは月額25,000円から利用できるので上手く活用すれば日本人集客だけでも十分元が取れそうですし、その上に外国人観光客の集客にも活用できるのであれば販促ツールとしてはかなりお得だと思います。
また、現時点ではネット予約機能は外国人向け機能としては提供していないようです。
これは店側と外国人観光客とのコミュニケーションの壁の問題もあるので、今後食べログがどういった形で機能提供してくるのか楽しみですね。
外国人観光客にとって嬉しいお店の探し方も
サイドメニューを開くとこんな感じになっています。
エリアやカテゴリ、観光スポットからお店を探せるようです。
また、食べログのベストレストランランキングも見れるようです。
これらも順を追って見て行きましょう。
エリア検索
まずはエリアからの検索です。
都道府県を選ぶと詳細エリアを選べるようになっています。
カテゴリ検索
カテゴリからの検索はこんな感じです。
観光スポットからの検索
そしてこちらが観光スポットからの検索です。
ショッピングやテーマパーク、観光地などのカテゴリがあり、それらを施設の近くの美味しいレストランを探せるという機能です。
これは外国人観光客の視点に立った良いアイデアですね。
ショッピングをタップしてみました。
おぉ…まさかのアルファベット選択メニュー…。
これは正直使いにくいです…。
検索窓を設置したり定番スポットを上に表示させるなどの改善が必要になりそうです。
アルファベット(もしくは数字)をタップすると施設名の一覧が表示されます。
大丸心斎橋店で買い物をするユーザーの気持ちになってタップしてみました。
すると施設付近のレストランが表示されているようです。
僕が試用した時点ではマップビュー機能が上手く動作していないようでしたので、この辺りも改善待ちかなと思います。
ちなみに観光地スポットはカカクコムのリソースを活用してフォートラベルのデータを使っているようです。
そして次は食べログのベストレストランです。
「せっかくの日本旅行なんだから高くても美味しい食べ物が食べたい!」というニーズは大きいはずなので、トリップアドバイザーに比べて情報量の多い食べログは貴重な情報源になり得ると思います。
ただ、トリップアドバイザーに比べて弱いのは口コミが日本人の口コミばかりという点です。
なので、日本旅行慣れして来たユーザーが「トリップアドバイザーでチェックしてから食べログでもチェックして本当に良いお店か判断する」という二重チェックとして利用される可能性もあるかなと思いました。
また、いずれは外国人レビュアーを増やすなどの施策も打って来るのでは?と予想しています。
なお、トリップアドバイザーについて知りたい方はこちらの記事をそうぞ。
レビュアーの口コミも翻訳できる
それでは続いてお店の詳細画面を見てみましょう。
弊社メンバーが週1回のペースで通っている「情熱うどん讃州」を見てみます。
お店の情報です。
「あれ?英語と日本語が混在してる?」と思ったら上に「言語を選択」というボタンがありました。
タップしてみると、Google翻訳機能を使って英語に翻訳できるようです。
※正確には開いている各言語に翻訳できるようです。
ということで翻訳してみました。
それっぽく翻訳されたのですが、席に関しては日本語のままでした。
そして次は写真です。
日本においてはトリップアドバイザーに比べて写真数が圧倒的に多いのは食べログの強みだと思います。
そしてお次は口コミです。
「さすがにこれは日本語か〜。」と思っていたら、またもや上に「言語を選択」というボタンを発見。
これも各言語に翻訳できるようです。
翻訳するとこんな感じになります。
日本語独特の言い回しや和製英語などがあるため、どこまで有益な情報になるかは疑問です。
例えばうどんの「コシ」は「kosi」になっちゃいますし、「コスパ」は「cospa」になってしまって外国人の方が読んでも訳が分からないでしょう。
ここは投稿者のテンションが伝われば情報としてはプラスになるのではないでしょうか。
そしてマップです。
基本的な店舗情報はすべて見ることができるようです。
今後の為に飲食店の方が抑えておきたい2つのポイント
ポイント1
食べログは言わずと知れた日本最大級のグルメ系口コミサイトです。
まだ食べログ側は本気でインバウンド向けサービスを提供していませんが、多言語対応したという事実を見れば「何かを狙っている」という雰囲気も感じます。
さらに面白いデータとして、SimilarWebというWebサイト分析ツールで食べログのサイトを見てみると、検索キーワードに韓国語や英語が入っているのが分かります。
※ただし、英語に関しては日本人が「tabelog」や「taberogu」と検索している可能性も高いです。
韓国語に関してはそのキーワードで検索してみると食べログの使い方を韓国語で説明する記事が上位にヒットしました。
※多言語対応前の記事のようです。
なので多言語対応しただけでも海外からの利用者は増加していると予想できます。
ちなみに国別のアクセス比率で見るとアメリカ、台湾、中国、香港の順のようです。
このあたりは食べログの公式データが知りたいところです。
なお、個人的には食べログは「点数」という世界共通で理解できる指標を用いているのが利用者増加の武器になるのでは?と思っています。
2014年11月には「ぐるなび」と「トリップアドバイザー」が連携を協議中とのニュースが出て話題となりましたし、大手グルメ系サイトのぐるなびやホットペッパー、食べログがそれぞれどんな施策を仕掛けて来るのか目が離せません。
ポイント2
冒頭でも述べましたが、食べログの有料プランで提供される機能の
・当日空席情報
・ネット予約(多言語版では利用できず)
・写真やメニュー情報の充実
などの機能を活用することで食べログ内での検索順位を上げ、日本人へのPRはもちろん、外国人観光客に多少でもPRすることもできそうです。
なお、「当日空席情報」は多言語版でも当日の空席情報が設定されているお店だけに絞って検索することもできるようです。
すると検索結果や店舗詳細ページにも空席情報が表示されます。
今後食べログが外国人集客向け機能を提供して追加料金が必要となることはあるかもしれませんが少なくとも現時点では無さそうですので、食べログの有料プランを契約されている方はぜひご活用ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
外国人観光客の集客はまだまだ全員が試行錯誤を続けている段階です。
そこで、身の回りであまりお金を掛けずに活用できる物は積極的に活用されることをオススメします。
食べログがこのまま何も施策をしない可能性は低いと思うので、「いざ」という時に乗り遅れることのないよう今から準備をしておきましょう!
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