イロドリの小林です。
インバウンドビジネスに挑戦中の皆さんの共通の悩みの1つと言えば「外国人への効果的なPRの方法が分からない」ではないでしょうか?
テレビ、ガイドブック、フリーペーパー、インターネットメディアなど選択肢はたくさんあっても、どれもそこそこの費用が掛かるので踏み出し切れないという方も多いと思います。
そんな中、現在弊社が主導となって進めて行きたいのが海外で影響力のあるブロガー(インフルエンサー)やメディアに商品やサービスの体験・情報発信をしてもらう「ファムトリップ」です。
詳細は後ほどご説明しますが、ファムトリップはたくさんのメリットがある反面、ある2つの理由によって実施ハードルが高いというのが現状です。
そこで弊社が運営するチームインバウンド関西の取り組みの1つとして「まずはファムトリップに興味ある人たちが集まってざっくばらんに話し合う座談会をやってみよう!」ということになりました。
この座談会は過去のファムトリップ事例の紹介や皆さんからの疑問、不安などを伺いながらチームとして形作ることができないか検討する機会にしたいと思っています。
また、これは座談会ですので
・強制されることは一切なし
・売り込みも一切なし
・その代わり具体的な提案も一切なし
というかなり緩めの集まりとなっております。
それでも「興味がある!」という方はぜひ最後にある申込みフォームよりお申し込みいただけますと幸いです!
※なお、参加者は基本的に関西圏の飲食店、小売店、サービス店、宿泊施設、観光スポットなどの外国人観光客の受入施設関係者様限定とさせていただきますのでご了承くださいませ。
そもそもファムトリップってなに?
ファムトリップ(Familialization Tripの略)は観光地などの観光客拡大を目的に有識者に現地視察をしてもらうツアーのことです。
インバウンドにおけるファムトリップは海外のブロガーやメディア関係者、現地の旅行会社を招待し、現地視察と情報発信をしてもらう形が一般的です。
最近でも様々な場所でファムトリップが実施されており、検索すればたくさんの事例が出てきます。
海外ブロガーによるPRが効果的である5つの理由
ではなぜ数あるPR手法の中で海外ブロガーによるPRが良いのでしょうか?
それには以下の5つの理由が挙げられます。
1.外国人に体験・情報発信してもらう本当の価値
ファムトリップはPR面ばかりに目が行きがちですが、一番の価値は「直接ターゲット国の人の反応を見たり声を聞いたりできる」という点です。
例えばこちらは「ここに興味を持ってくれるはず!」と思っていても外国人にとってはまったく惹かれない場合もありますし、その逆もしかりです。
また、彼らが質問した内容は他の人も同様に「知りたい」「分からない」はずです。
それは案内表記や接客のヒントになりますし、新たな課題もたくさん見えるでしょう。
また、彼らの表情や写真撮影ポイントを観察すれば「インバウンドにおける自分たちの強み」が自ずと見えて来るはずです。
そこで学んだ本当の魅力、強みをさらに磨き、課題を1つずつ確実に潰して行くことで、ファムトリップだけでなくすべてのPRの結果が大きく変わって来るのです。
2.個人ブログの影響力の大きさ
続いては海外におけるブロガーの影響力についてです。
下記は2014年に訪日外国人が「日本に来る前に得た旅行情報源で役に立ったもの」のランキングですが、なんと「個人のブログ」が20.2%で2位となっています。
順位 | 情報ソース | 回答率(複数回答可) |
---|---|---|
1 | 検索サイト | 28.0% |
2 | 個人のブログ | 20.2% |
3 | 日本在住の親族・知人 | 18.4% |
4 | 旅行ガイドブック | 16.6% |
5 | 自国の親族・知人 | 16.3% |
6 | 旅行会社ホームページ | 15.7% |
7 | 日本政府観光局ホームページ | 14.7% |
8 | その他インターネット | 14.0% |
9 | 特になし | 13.7% |
10 | 宿泊施設ホームページ | 11.4% |
出典:訪日外国人の消費動向「訪日外国人消費動向調査結果及び分析」平成26年 年次報告書(観光庁)
また、気になるテレビはリアルタイム性が低いので情報収集ツールとしては活用できないためか7.1%で15位、動画サイトのYouTubeも4.6%で18位となっています。
つまり、検索サイトで目的のキーワード(地域名やジャンル名など)で検索し、個人ブログやクチコミサイト上で情報収集している人が圧倒的に多いことが分かります。
また、影響力のあるブロガーのブログは必然的にSEOにも強いため28.0%で1位となっている検索サイトを利用した際も必ずと言って良いほど個人ブログを見ているはずです。
だからこそインバウンドビジネスで成功を収めるためには、ブログ上に情報掲載されることが重要な要素なのです。
3.広告媒体の弱点
ファムトリップも広告手法の1つです。
しかし、ファムトリップとガイドブックやフリーペーパー、機内誌などの広告媒体の大きな違いは「効果を継続させるためにお金を払い続ける必要があるかどうか」という点です。
特に紙媒体は年々効果が薄れて来ていると言わざるを得ません。
下記は2014年に訪日外国人が「日本滞在中に得た旅行情報源で役に立ったもの」のランキングですが、1位と2位はインターネットで紙媒体は旅行ガイドブック(8.9%)が8位、フリーペーパー(5.30%)が9位となっています。
順位 | 情報ソース | 回答率(複数回答可) |
---|---|---|
1 | インターネット(スマートフォン) | 49.80% |
2 | インターネット(パソコン) | 31.50% |
3 | 日本在住の親族・知人 | 18.40% |
4 | 観光案内所(空港除く) | 15.70% |
5 | 特になし | 15.30% |
6 | 宿泊施設 | 14.10% |
7 | 空港の観光案内所 | 13.90% |
8 | 旅行ガイドブック | 8.90% |
9 | フリーペーパー | 5.30% |
10 | その他 | 3.80% |
出典:訪日外国人の消費動向「訪日外国人消費動向調査結果及び分析」平成26年 年次報告書(観光庁)
まだ2015年のデータが発表されていないのが残念ですが、恐らく紙からインターネットへの流れはさらに進んでいるでしょう。
また、昔は情報ソースが少なかったので多額の広告費を掛ければブームを作れたかもしれませんが、インターネットやスマートフォンがこれだけ普及した今の時代にこの手法はまったく合いません。
今の時代は「ブームを定番にするため」に広告を上手く活用すべきなのです。
4.クチコミの始まりはブログから
これは日本でも同じことが言えますが、今は一般人のクチコミも大きな影響力を持つ時代になりました。
例えば食べログに書かれたクチコミをきっかけに行列ができるお店もあれば、恐ろしい話ですが潰れてしまうお店もあるほどです。
実はこれはインバウンドでも同様です。
例えば世界最大の旅行系クチコミサイト「トリップアドバイザー」のデータによると「ほぼ毎回トリップアドバイザーの口コミを確認して旅行先に向かう」と答えた人が81%、「口コミが投稿されていない施設には行かない」と答えた人が53%もいたそうです。
また、外国人はメディアに対する信頼度が日本に比べて著しく低いため、個人のクチコミは私たち日本人が考える以上に大きな価値を持っているのです。
これだけ重要なクチコミが集まるキッカケとなるのが影響力のあるブロガーの投稿です。
私たちは関西No1(日本No1と言っても過言ではない)グルメブロガーのMのランチさんとセミナーやメディア運営をご一緒させていただいていますが、Mさんがブログに書いたお店には他のブロガーさんや食べログレビュアーさんが追いかけるように訪問されるのだそうです。
その結果、さらにクチコミ件数が増え、良いクチコミを獲得できれば広告費をまったくかけなくてもお客さんの足が絶えない状態になるんですね。
5.今後のFIT(個人旅行客)の増加
ここでは細かい計算方法は割愛しますが、2015年の訪日者数上位16カ国の団体旅行客比率とFIT(個人旅行客)比率を元にシミュレーションをすると、団体旅行客数は30%程度となっており、FIT(個人旅行客)は70%程度です。
そして今後はこの比率が急速に変化して行きます。
例えば「団体旅行と言えば中国」という印象があるほどの中国でさえ2014年は61.1%だった団体旅行客比率は2015年には56.0%まで落ちていますし、旅行会社の中には先行きに危機感をお持ちの方も多数おられます。
それほどFIT(個人旅行客)の増加は確定的なことなのです。
要は今後さらに個人ブログの影響力が増すことは誰が見ても明らかということになります。
それでもなかなか実施できない2つの理由
「確かにファムトリップには興味がある。でも実施までは踏み切れない…。」
と、お考えの方が大多数です。
それはなぜでしょうか?
その理由は以下の2つです。
1.効果が見えにくい
最初は「効果」に関する点です。
広告手法の1つとして実施をする訳ですから、費用を掛ける以上は費用対効果の保証を1つでも欲しいというのは当然だと思います。
実際ブログに取り上げられても集客に繋がらなかったケースは国内外問わず星の数ほどあります。
また、ファムトリップの効果測定の指標(KPI)としても
・記事のアクセス数
・記事のSNSでのシェア数
しか設定しようがないのが実際のところです。
つまり「見られても来てくれる保証がないんじゃ意味がない」「SNSでシェアされても来てくれる保証がないんじゃ意味がない」だから「実施に値する価値がない」という結論になってしまうのです。
しかし、正直これはファムトリップを単なるPR手法としか見れていない「視野の狭い考え方」なのです。
本来はファムトリップ実施前に足を運んでもらうための仕掛けや優れたコンテンツを作っておくべきですし、ファムトリップの本当の価値である「外国人視点でのフィードバックから見えた強みと課題」を「次のステップにどう活かすか?」を考えるべきなのです。
弊社が必ず事前に留学生や在日外国人にモニターとして協力してもらい、仕掛けやコンテンツ作りをしてから広告費を投入することを推奨しているのもこのためです。
2.費用が高い
ファムトリップの価値は分かったけど、費用が高すぎるから厳しい。
これがもう1つのネックの「費用」です。
実際、ファムトリップは2人〜4人で3泊前後で実施されることが多く、ブロガーさんへの視察謝礼はもちろん、渡航費や宿泊費、通訳手配や国によってはビザの手配まで必要です。
そうすると軽く100万円〜と高額になってしまうわけです。
自治体であれば観光地のPRとして予算を使いやすいですが、民間企業1社だけで実施となるとハードルが高すぎます。
実際、ファムトリップの実施事例と言えばほとんどが自治体の観光地PRです。
もちろん旅行の主目的は観光なので、そのPRは重要です。
しかし、日本には料理や雰囲気を楽しめるレストランや個性豊かなショップやサービスがまだまだたくさんあります。
それらの魅力が海外に伝わりきっていないことは外国人観光客にとっても大きな機会損失だと考えています。
そこで!チームで共同実施してはどうだろう!?
という結論に至りました。
例えば100万円の費用でも10社で割れば10万円、20社で割れば5万円です。
「これなら民間企業でも実施できるんじゃないだろうか?」「私たちが上手くコーディネートできれば実現できるんじゃないだろうか?」と思ったのです。
しかし、先月から開始したファムトリップに関するアンケートの回答を拝見していると、当たり前ですがニーズも多様で上手く工程を組めるのかな?といった不安があるのも事実です。
それであれば「一度当事者同士で集まって意見交換してみよう!」と思い立ったのが今回の経緯と主旨です。
「ファムトリップ座談会」の申込はこちらから
それでは座談会の日程のご案内となります。
今回の会場は2015年にFIT(個人旅行客)だけで70カ国から2,500人以上の集客に成功し、トリップアドバイザーのランキング上位の常連である「月のおどり」さんです。
当日は月のおどりさんからも海外ブロガーの影響力についてお話いただく予定です。
※営業の都合によりお時間をいただけない可能性もございますのでご了承ください。
—-座談会詳細—-
日時: 5月17日(火) 18:00〜20:00 ※17:45から受付いたします。
会場: 月のおどり
住所: 大阪府大阪市中央区道頓堀1-1-11 24Kビル2F Google マップ
会場HP: http://r.gnavi.co.jp/rk3szfc90000/
参加費用: 4,000円 ※コース料理+飲み放題
定員: 25名
注意事項:
・ご参加いただけるのは基本的に関西圏の飲食店、小売店、サービス店、宿泊施設、観光スポットなどの外国人観光客の受入施設関係者様限定となりますのでご了承ください。
・申し込み後のキャンセルは2日前までに必ずご連絡をお願いします。
・複数名で参加希望の場合は各自でお申し込み手続きをお願いいたします。
・ネットワークビジネス、不動産投資、保険の営業や勧誘が目的の方のご参加はお断りいたします。
———————–
<お申込方法>
1.こちらから必要情報をご入力ください
2.ご用件は「その他」をお選びください
3.メッセージ本文欄に以下の情報を記載して送信してください
—-以下を記載—-
「ファムトリップ座談会」参加希望
業種:(飲食業、小売業、宿泊業、観光施設など)
実施したい施設HP:
その他ご要望・ご質問:
—————–
まとめ
私たちにとってのファムトリップの目的。
それは「関西のインバウンド熱をさらに盛り上げること」に他なりません。
ファムトリップのメリットはお伝えした通りですが、確かに実施するにはハードルがあるのも事実です。
しかし、「やりたい!」という人が多いのですからハードルはすべて取り除いてしまえば良いわけです。
そして、もし月に1回どこかの国のブロガーさん2名に来てもらえれば年間24回も関西を世界にPRできることになります。
仮に1つの記事が10,000人の目に止まれば24万人もの人たちに関西の新たな魅力を知ってもらえるのです。
また、ファムトリップから得たヒントや課題を1つずつ形にできれば、それがまた新たな魅力や強みとなって遠く海の向こうから日本へ来てくれる人たちを笑顔にして行きます。
幸いにも関西は現時点ではインバウンド市場の波に上手く乗れているでしょう。
しかし、その恩恵を受けれているのはまだまだほんの一部です。
それを関西全体に広げられた時こそ「インバウンドにおける関西の成功」と言えるのではないかと私たちは思っています。
そんな想いに共感していただける方とお会いできることをスタッフ一同楽しみにしております!
当日開催された様子はこちらからご覧いただけます。
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