イロドリの小林です。
このたび日本政府観光局(JNTO)から2016年5月の訪日外国人数についての発表がありましたので、その中から抑えておきたいデータをご紹介したいと思います。
単月200万人超えは2ヶ月でストップするも単月189万4千人を記録!熊本地震の影響を受ける中で前年同月比15.3%増
2016年3月、4月には単月200万人超えという記録を残しました。
しかし、4月中旬の熊本地震の影響もあり前年同月比の伸び率自体は鈍化傾向が見られました。
その状況の中での5月。
実は5月はもともと桜シーズンと夏休みの狭間ということもあり、訪日外国人数が多い月ではありません。
それらの要因が相まっている中でどんな数字が記録されるのか注目が集まっていました。
結果的には3月、4月に続いて200万人は突破しなかったものの、前年同月比15.3%増の189万4千人を記録しました。
伸び率だけ見ると4月からさらに2.7%ダウンするという結果になりましたが、今の状況の中では堂々たる数字と言えるでしょう。
日本政府観光局(JNTO)はこの増加要因を、継続的な訪日旅行プロモーションや、航空路線の拡大、クルーズ船の寄港増加も、引き続き訪日旅行者数の増加を後押しする要因となったとしています。
各国の昨年同月の訪日外国人数との比較
それでは続いては国別での昨年同月(2015年5月)との比較を見て行きましょう。
総数(薄い赤色の箇所の数字)では前年比15.3%増となりました。
そして中でも注目したいのが昨年同月と比較して伸び率の変化が大きい(薄い緑色と青色の箇所の数字)です。
まずはマイナス面の話題から。
国別の伸び率で見ると韓国が前年同月比4.2%減とマイナスに転じてしまいました。
ちなみにマイナスになったのは2014年6月以来となります。
2014年6月暫定値
出典元:日本政府観光局(JNTO)
この年は4月16日に韓国で発生した旅客船沈没事故の影響によるもので翌月の7月には2.8%増とプラスに転じました。
2014年7月暫定値
出典元:日本政府観光局(JNTO)
そして韓国は2015年の訪問先都道府県ランキングを見ても2位に福岡県、5位に大分県、8位に長崎県、10位に熊本県と九州地方にもっとも訪れている国であることが分かります。
そのことからも熊本地震の影響が大きいことが分かってきます。
しかし、あまりネガティブに考える必要はないのかもしれません。
同じく九州地方への訪問者が多い香港を見ると前年同月比16.1%増となっており、4月の6.4%増と比較して見ると徐々に回復傾向にあるという見方をすることもできるため韓国も近いうちにプラスに転じる可能性も十分にあり得ます。
また、プラス面の話題で見るとマレーシアが3万6600人(前年比41.9%増)と昨年と比べて40%以上の伸びとなっています。
市場別ではインドが単月として過去最高記録を更新しました。
また、韓国とロシアを除く17市場が5月としての過去最高記録を更新しました。
なお、国別訪日外国人数の内訳グラフは以下の通りです。
2016年1月〜5月の訪日外国人数
続いては2016年1月〜5月の合計訪日外国人数を見てみましょう。
下記は2015年同期間と比較したデータとなります。
総数(薄い赤色の箇所の数字)では前年比29.1%増となりました。
国別で見ると中国が249万4200人(前年比45.3%増)、マレーシアが16万2600人(前年比41.2%増)と40%以上の伸び率となっています。
2016年6月の訪日外国人数予想
日本政府観光局(JNTO)は2016年6月について、本格的な夏休み/バケーション需要が始まるまでの狭間となり、熊本地震の影響も一部残ることが予想されるが、一方で6月24日~6月28日には福岡市で大規模な国際イベント「第99回ライオンズクラブ国際大会」の開催が予定されており、約10,000人の訪日外国人の参加が見込まれるなど押し上げ要因もあることから、引き続き各市場での訪日需要について注視していくとしています。
まとめ
実は私自身、5月の数字はかなり不安視していました。
というのも熊本地震の影響ももちろんですが、仲良くしていただいている旅行会社の方から「5月はホテルにかなり空きが出ている」という情報を聞いていたからです。
「やはり地震の影響ですか?」と尋ねると「地震が起こる以前から空いていたようで、近年で一番空室があるそうですよ。」という話でした。
ここで伸び率が前年同月比マイナスということになればメディアもこぞって「インバウンドの波が終了した」というような煽り方をするのではという懸念がありました。
しかし、実際に5月の数字を見ると熊本地震という影響を受けながらも堂々の数字と伸び率を記録したことで「日本が観光立国になるための基盤ができはじめている」と考えても良いのかもしれません。
6月がどのような動向となるのか引き続き注視して行きたいと思います。
また、各月の訪日外国人数データはこちらにまとめておりますのでぜひご活用ください。
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