「「え?ゲストってこんな国からも来るんだ!」って驚きました」 – Airbnb女性ホストKaolinさん、Juriさんインタビュー <後編>

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イロドリの小林です。

今回はAirbnbで女性ホストとして活躍するKaolinさん、Juriさんのインタビューを前後編に渡ってお届けしています。

前編では彼女たちがホストを始めたきっかけや今まであったトラブルなどについてお話を伺いました。

「「世界の人と繋がって行けるんだ!」ということが分かって惹かれて行った」 - Airbnb女性ホストKaolinさん、Juriさんインタビュー
イロドリの小林です。インバウンドはモノ消費からコト消費へこの言葉は今のインバウンド業界のトレンドです。「コト消費」とはすなわち「体験」を意味しています。私たちが旅行する時に「そこでしか味わえない新しい体験をしてみたい」と思うのと同様に、海を越えて日本へ来る人たちも「日本でしか味わえない新しい体験をしてみたい」と思っているものです。「温泉に入る」「お寿司や懐石料理を食べる」「着物を着る」など、彼らはさまざまな日本ならではの体験を楽しんでいます。しかし、意外にも日本に住む私たちにとっては珍しくも...

後編では彼女たちが「今まで印象に残っているゲスト」や「ホストを続けるモチベーション」、そして「今後の目標」などをご紹介いたします。

後編も素敵なエピソード満載ですので一緒に彼女たちの体験を覗いてみましょう。

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Juri

フリーデザイナー。
学生時代の上海留学をきっかけに海外の人と繋がりを持つ楽しさを知り、海外との接点を持ちたいと思うようになる。
現在は日本の魅力をもっと海外の人に知ってもらうためにAirbnbホスト以外にもインバウンド向けのサービスに取り組むなど日々活動中。

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Kaolin

メーカーに勤めていたが、ライフワークバランスの向上を目指して、退職。現在はフードプランナーとして取材をしたり、ワークショップを開催している。
国際交流に興味があり、Airbnbホストをする友人(Juriさん)と助けあいながらホストとして活躍中。

去年も彼女が帰る時は泣いたけど、今年はさらに泣いてしまった

小林:では、続いて今までもっとも印象に残っているゲストについて教えていただけませんか?

Kaolin:そうですね。どのゲストも印象に残っているんですが、強く印象に残っているのは2人います。1人目は初めて来てくれたゲストなんですけど、なんと日本人だったんです。東京に住まれている方で中近東の路線でフライト・アテンダントをされていたんですが、それを辞めて別の仕事に転職されたタイミングだったんです。その会社の研修で1週間ほど大阪に滞在したことが、きっかけでした。

小林:意外にも記念すべき1人目のゲストは日本人で、しかもビジネストリップだったんですね。

Kaolin:そうなんです!それで私が受け取った事前のメッセージもすごく丁寧で勉強になりましたし、泊まりに来られてからは私にいろんな話をしてくれました。仕事の話、プライベートの話、東京の街の話とかたくさんの話をしてくれて気付けば夜中の2時とか3時まで話し込んでました。1週間の滞在を終えた後には、すごーく丁寧にレビューを書いてくださって感動したのを今でも鮮明に覚えてます。

小林:良いですねぇ。その方とは今でも連絡を取り合われているんですか?

Kaolin:はい。FacebookやInstagramでも繋がっているんですが、いまは私が引っ越したので東京で会ってます。この前も寿司パーティーに誘っていただいたんで参加してきたんですよ(笑)

小林:へー!そういう交流が続くのってすごく素敵ですね!

Kaolin:はい。それがAirbnbの一番良いところですし、私が大好きなところです!

小林:良いですねぇ。ちなみにもう1人はどんな人なんですか?

Kaolin:もう1人はドイツ人の女性で、去年大阪に来てくれたんですけど、なんと今年もまた日本へ来てくれたんです。

小林:ドイツから2年連続で!スゴいですね!

Kaolin:はい。ただ、私がちょうど引っ越すタイミングだったので、「たぶん私はその時期は東京にいると思う」と伝えると「そうなの!?Kaolinが東京にいるなら私も東京に行くね!」って言って東京へ来てくれたんです。

小林:えー!1回しか会ってないのにすごい友情ですね…!

Kaolin:私もとても驚きました。そして本当に東京まで来てくれて彼女と一週間いろんな所へ行って観光したり遊んだりして過ごしたんです。そうやって「時間が経ってからまた会えた」っていうのが本当に感動的でした。

小林:それは感動しますね。話を聞いてるだけでグッと来ますよ。

Kaolin:そうなんですよ。実は去年も彼女が帰る時は泣いてしまったんですが、今年はさらに泣いてしまいました(笑)

小林:それは泣きますね…!

Kaolin:彼女から「ドイツにも遊びにおいでね」って言ってもらえて、さらに「次はパパとお兄ちゃんも連れてKaolinにまた会いに来るから」って言ってくれて。

小林:すごい!また日本まで来てくれるかもしれないんですね!

Kaolin:そうなんですよ。ホストってもちろん大変なこともあるんですけど、時々こうやって親友みたいな友だちに出会えるんです。その時は本当に楽しいし嬉しいです。だから私も親友に会うためにいつかドイツに行って彼女に再会したいなと思ってます。

小林:日本へ来てくれたゲストと再びその人の国で会うって素敵ですよね。

Kaolin:はい。今から本当に楽しみです。でも良いゲストばっかりなので行きたい場所がどんどん増えてますけど(笑)

小林:それは嬉しい悩みですね(笑)

「え?ゲストってこんな国からも来るんだ!」って驚きました

小林:Juriさん印象に残っているゲストについても教えてもらえますか?

Juri:私も最初か2番目に来てくれたゲストなんですけど、ホストを始める前は「アジアとかオーストラリアとか日本と距離の近い国の人が来るのかなぁ。」って何となく思ってたんです。でもリクエストを見たら一人旅をしているチェコ人だったんですよ。

小林:チェコですか!初期でチェコは確かに予想外でビックリしますね(笑)

Juri:そうなんですよ(笑)話を聞いたら東京からスタートして日本を西へ西へと移動する一人旅をするつもりらしくて、その途中で私の家に泊まってくれたんです。それで「え?ゲストってこんな国からも来るんだ!」って驚きました。それと同時にホストに慣れてもいないから「どうしたら良いんだろう?」って不安にもなって…。

小林:それでどうされたんですか?

Juri:私は英語がそこまで得意ではないので英語が話せる友だちに付き合ってもらって3人で一緒にお好み焼きを食べに行ったり、梨を持って行って「これ日本の梨だよー。食べてみて!」って差し入れしたり(笑)

小林:またなぜ梨なんですか?笑

Juri:いや、何となく家にあったので(笑)彼いわくチェコの梨はラ・フランスような梨らしいんですが、「僕は梨が大好きなんだよ!日本の梨も美味しいね!」と喜んでくれました(笑)

小林:それは良かった(笑)他にも何かされたんですか?

Juri:彼から「京都でオススメのスポットはある?」と聞かれたんです。彼が「山が好き」って言ってたんで「岩田山」を薦めたんですよ。

小林:岩田山…。あっ、「嵐山モンキーパーク」があるところですね!あそこは外国人に大人気ですもんねぇ。

Juri:はい、それをテレビで見たので「これだ!」って思って教えてあげたんです。

小林:お〜、良いじゃないですか。

Juri:私もそう思ってたんです。でも実際行ってくれたみたいなんですが、それに関してはノーコメントだったんです(笑)

小林:え!笑 ハマらなかったんですかね(笑)

Juri:たぶん(笑)山の写真は送ってくれたんですけど猿の写真は1枚もありませんでした(笑)そんなこんなありながら彼はチェックアウトされて九州まで南下して行ったんです。でも、帰国は東京からだったんで大阪に戻って来た時にまた私の家に泊まってくれたんですよ。

小林:ほぉー。それは嬉しいですね!

Juri:はい、めちゃくちゃ嬉しかったです。嬉しさのあまり私はまた新しい梨を持って彼を待ってたんです(笑)

小林:また梨ですか!笑

Juri:そうなんです(笑)「梨が好き」って聞いたんで今度は違う種類の梨を(笑)

小林:なるほど!「モンキーパークの提案はスベったけど梨ではスベらないぞ!」と(笑)

Juri:そうです(笑)それで届けたら「美味しかった!」って喜んでくれて。

小林:おぉ!それは良かった!

Juri:それでチェックアウトする時に折り鶴を渡したらすごく喜んでくれて、帰国してしばらくしてからチェコのビールと折り鶴を並べて写真を撮って送ってくれたんです。「あっ、今も大事に持ってくれてるんだ」と分かってすっごく嬉しかったですね。

photo-k00169-02チェコ人ゲストがJuriさんに送ってくれたという実際の写真

小林:なるほどー。それもほっこりする良い話ですね!

「これは置いておいて間違いはないな」と思いました

小林:ちなみにホストをする上でのアドバイスとかありますか?

Kaolin:何だろう…。あっ、私はバックパッカーが泊まりに来ることが多いからかもしれないんですけど旅行中に怪我される方もいらっしゃるんですよ。絆創膏とか薬とかの救急箱は置いてます。

photo-k00169-01Kaolinさんが部屋に置いている救急箱

小林:本当だ!しかも色々揃えられてますね!でも、これってこのままだと「どんな時に何を服用したら良いのか」が分からなくないです?絆創膏とかは分かると思うんですが。

Kaolin:あっ!本当だ!確かに!

小林:例えば「キャベジン」とか外国人の人が理解するには難易度高すぎるような(笑)

Kaolin:本当ですね(笑)ちょっと説明を書き足しておきます(笑)

小林:でもゲストとしては嬉しい配慮ですね。Juriさんはどうですか?

Juri:そうですね。実はこれは台湾人のゲストからリクエストで言われたんですけど「体重計」ですね。

小林:え!体重計!?旅行先でも体重を気にされてるんですか!?

Juri:私も最初「なんでだろう?」と思ってたんですけど理由を聞いたら帰国前に荷物の重さを事前に計りたいからって言われて。

小林:あー!なるほど!それは大切ですね!

Juri:それは私も「なるほど!」と思ったのですぐ買いに行きました。あとは周りの人から薦められて半信半疑で置いたんですけど「足のマッサージ器」ですね。

小林:それはよく聞きますよね。

Juri:はい。でも「本当に使うのかな?」と思ってました(笑)逆に私が海外へ行った時に置いてあっても多分使わないと思うんで。でも置いてみたらまぁまぁの頻度で使ってくれてるんですよ。それを見ると「これは置いておいて間違いはないな」と思いました。

Kaolin:私も旅好きだから分かるけど、もし部屋に置いていてくれたら使うしすごく嬉しいなぁ。「またここに泊まろう!」と思うくらい嬉しい。

小林:そうなんですね!やっぱり長時間フライトや観光で歩き疲れた足を癒したいんですかね。

Kaolin:そうなんです。私なんか空港にある200円くらいのマッサージチェアも外国人旅行者を装って使うこともあるくらいなのですごく嬉しいと思いますよ。

小林:なるほど。確かにそういうゲストにとっては嬉しいでしょうね。

長時間ひたすら改札前で待つこともあります

小林:それでは次にホストを続けているモチベーションを教えていただけないでしょうか?

Kaolin:私はやっぱり思いがけないレビューをもらえた時とか、泊まりに来てくれたゲストとまた会えるっていうのが一番のモチベーションですね。

小林:なるほど。先ほどのドイツ人女性ゲストの話とか本当にすごいですもんね。Juriさんはどうですか?

Juri:そうですね。私はもともと「外国の人たちと繋がりたい」という気持ちが強いで、駅まで迎えに行って合流してから家へ行くまでの間に何気ない会話をするのが一番の楽しみですね。

小林:初対面の人を迎えに行くのって緊張とかしないんですか?

Juri:緊張は全然しないですね。むしろワクワクかな。

小林:素晴らしい。

Juri:もちろん旅行ですし、交通機関の事情もありますから予定の時間に到着できない人もいるんですよ。さらに連絡手段もない場合は長時間ひたすら改札前で待つこともあります。

小林:それはすごいですね…。ゲストがいつ到着するか分からないからカフェにも行けないですもんね。まさにホストの鑑ですね!

Juri:おかげでスーパーホストになれたのかもしれません。実際ゲストもすごく驚いてますし。「本当に今までずっと待っててくれたの!?ごめんなさい!」って(笑)
※スーパーホストはAirbnbが定める一定の条件をクリアしたおもてなしレベルの高い人だけが得られる称号です。詳しくはこちらをご覧ください。

小林:いやぁ、それは驚きますよ。間違いなくスーパーホストになった要因の1つですね!

2人で協力すればいろんなことができる

小林:それでは最後にホストをしてみよう考えている方や不安に感じている方へ何かアドバイスをいただけないでしょうか?

Juri:そうですね。Airbnbってゲストとの交流はもちろん楽しいんですが、こういうホスト同士の交流もすっごく楽しいですよ。

小林:お二人を見てたらすっごく楽しそうですもんね。

Kaolin:はい。それに何か分からないことがあった時や困った時に相談できる相手がいるっていうのは本当に心強いですし。私も今までゲストとして日本国内でもAirbnbを利用して来たんですが、そこで仲良くなったホストの方に相談したりすることもあるんです。

小林:なるほど。そういうネットワークは良いですね。

Juri:私もそう思います。Airbnbをやっているから繋がれた人たちってたくさんいるんですよね。私も去年のミートアップイベントに参加してなかったらKaolinさんにも会えてないので今みたいな関係にはなれてないと思いますし。

小林:確かに。それが今やお互いを支え合うパートナーになっている訳ですもんね。ちなみに今後2人で何かやりたいことはあったりするんですか?

Kaolin:準備がなかなか進んでいないんですが、2人で東京でもホスティングしたいなと思ってます。

小林:なるほど。ちなみに個人としては今後どんな活動をされるんでしょうか?

Kaolin:そうですね。今までの経験を活かして海外の方々に「健康」と「栄養」と「日本の料理」を伝えることをできればなと思っています。今は空き時間にスーパーマーケットやカフェ、様々な住居も視野に入れて市場調査をしています。そこでもいろんな出会いや繋がりができているので本当に楽しいです!

小林:それは楽しみですね!Juriさんはいかがですか?

Juri:えっと…インバウンドと全然関係なくても大丈夫ですか…?

小林:もちろんです!笑

Juri:私はデザインを制作する以外にPhotoshopやIllustratorなどデザインツールを教える仕事もしています。ホストの方でリスティングやゲストブックなどデザインツールを使ってオシャレに作りたい方がいたらぜひ連絡ください(笑)

Kaolin:えっ、私も教えて欲しい!

Juri:あれ?前にこの話した時は全然食いついてなかったよね(笑)

Kaolin:えっ!そうだっけ!?

小林:さすが天然のKaolinさん(笑)

Juri:あとはインバウンドっていうところで言うとオリジナルコスメを作る体験会を京都にて月1で開催しています。日本人の方も大歓迎ですが、これから外国人に向けてもやっていきたいと思っています。もし体験会に興味のある方はこちらから気軽にお問い合わせください。

小林:それも面白そうですね!そして、それぞれの夢を実現して行く上でお互いの力が必要になった時は助け合うということですかね?

Kaolin:もちろんです!Juriさんは中国語、私は英語が多少できるので2人で協力すればいろんなことができると思うんです。

Juri:そうですね。そうやって私たち2人以外にもいろんな人と力を合わせればさらに楽しいことができると思いますし。

小林:なるほど。今までもたくさんのAirbnbホストにお話を伺って来ましたが、みなさん共通して言えるのは本当に「心から楽しんでいる」ということですね。

Kaolin:そうですね。だって楽しい…もんね?

Juri:はい、すっごく楽しいですよ!

小林:いいですね!今後のお二人のご活躍が益々楽しみです!今日はありがとうございました!

Kaolin・Juri:こちらこそありがとうございました。

まとめ

今回は女性でAirbnbホストとして活躍するKaolinさんとJuriさんのインタビューを前後編でお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?

私がこのインタビューを通して彼女たちから教えてもらったことは次の4つです。

・ゲストと「心と心のコミュニケーション」を取っているということ
・ゲストが日本での旅を楽しめるように自分たちなりのサポートを心掛けているということ
・Airbnbを通してゲストだけでなくホスト同士の繋がりを作り、それを大切にしているということ
・そして普通の生活ではなかなかできない体験をしているということ

民泊のあり方に対する議論や法整備に向けた動きが続いていますが、心からのおもてなしが自然とできる彼女たちのようなホストの活躍の場があれば、その体験を求めてさらにたくさんの人たちが日本へ来てくれるのではないかと感じました。

Kaolinさん、Juriさん、ご協力ありがとうございました!

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