あえてドアを開けない、その理由。【趣佳インタビュー 前編】

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こんにちは、イロドリインターン生の長田です。

大学3年生の私は今、これからどんな道を歩んでいくか、悩んでいます。
いわゆる就活生、にあたる時期です。

社会人のあなたに聞きたい。

どんなふうに今の道に進んできましたか?

学生という時期を終える時、どうやって決断をしたのでしょうか?

「これをしたい!」という熱い思いがあれば、迷わず進んでいけるのかもしれません。
でも、見つけようとすればするほど、自分の思いはわからなくなっていきます。

なにかヒントを得られはしないかと、人生の先輩方に話を聞いてまわる日々。

毎回影響を受けては、ただ真似をしても意味がないと立ち止まったり、世界が違いすぎたと嘆いたり……

自分のことを見つめて表現してみようとしても、自分ってよくわからないし、自分の思いや考えを言葉にして人に伝えるのも、私は苦手なんだなぁ。

就職。進学。それ以外の道もあるのでしょうか。
選択肢を全部見るなんて叶わないなかで、自分の進み方は、自分で選んでいかなければならないのですよね。

あぁ、むずかしい。

選択肢の広さに胸踊らせてもいいのだろうけれど、そんな余裕も持てず。
今の私は、不安でいっぱいです。

そんな悩みをイロドリの上司に相談していたある日。

ふいに、あるお店を紹介されました。

初めて聞く商店街の名前、降りたことのない最寄り駅。

上司の知り合いがやっていて、うつわやショールなどを販売しているお店らしいのです。

「長田さんにとって大切なことが学べるはずだから、行っておいでよ!」

「1人の方が気楽だと思うから、俺はついて行かないよ! いってらっしゃい!」

突然の、インタビューのすすめ。
インタビューなんてもちろん初めてです。

それに私は「小声で人見知りの私がゴスペルを歌い始めたら、カナダ留学を経てイロドリで記事を書くことになってしまった話」でも書いた通り、周りからも驚かれるほどの、みずからネタにせずにはいられないほどの、小声で人見知りなのです。

それなのに、特に詳しい指示もなく、送り出されました。

うつわに詳しくはないけれど……まずは、とりあえず、調べてみよう。

……思わず、見惚れてしまいました。

何を良いと感じているのか、上手く言葉にできません。
でも、しばらく目が離せませんでした。

今までうつわだけに注目したことのなかった私でしたが、うつわへの興味の高まりを感じつつ、言われるがまま、1人インタビューに伺うことに。

そのお店の名前は、

「趣佳」

【趣佳(シュカ)プロフィール】
Mission:つくる楽しみや、ストーリーのあるものを愛用していく楽しみを、多くの方に知っていただくこと。
実店舗では、正規的に若手を中心にした陶芸家の企画展を開催

オンラインショップは、播州織のショールのほか、作家ものの陶器やガラス作品などを常時販売している(趣佳Facebookより)

所在地:大阪市中央区谷町6-15-22 (空堀商店街)
営業時間:11:00~19:00(定休日:木曜日+不定休)

オンラインショップ http://syuca.jp/
Facebook https://www.facebook.com/syuca.jp
Instagram https://www.instagram.com/syuca_jp/
Twitter  https://twitter.com/syuca_jp/

地下鉄御堂筋線の心斎橋駅から、長堀鶴見緑地線に乗り換えて2駅。

松屋町という駅で電車を降り、5分ほど歩くと見える、なだらかな坂道のつづく空堀商店街。

その一角に白く映えるお店。

趣佳(シュカ)。

閉めきられた重たそうなドアに、少しばかり入りにくさを感じます。

ちょっと入るのに勇気が要るぞー?  と、しばらく様子をうかがっていると、中からスタッフの方がドアを開けてくださいました。助かった!

こじんまりした店内。

壁際の棚やテーブルには様々なうつわやショールがディスプレイされています。

天井からつるされたペンダントライトの光が、それらを温かく包み込みます。

上司の知り合いだという店長のyaeさんが声をかけてくださいました。

yae
うちのお店では、つくり手さんが作ったうつわやショール、ペンダントライトなんかを置いています
yae
手に取って見てみてくださいね!

恐る恐る手を伸ばします。

きっと高価なうつわ。1人暮らしの我が家のお皿はすべて100円ですもの(100均ありがとう)。私が触れてよいのか、落としはしないかと緊張してしまいます。

ああ、これが……これが手作りの、重み、質感。

(私は、右上の丸い平皿が好きになりました。 村上雄一さんの作品で、これは湖水色という色だそうです。素敵)

ショールの軽やかさ柔らかさには驚きました。

巻いてみると、首元に触れる生地のやさしさに思わず笑みが。

……全然うまく説明できません(笑)

yaeさんはいつも、うつわやショールの良さを、どう説明しているのでしょうか。

yae
良さ? ……言葉で説明するのはむつかしいのでそう聞かれると困ってしまいますね。お店に入って最初に雰囲気で「いいな」って感じてもらえるようにとは思ってます。経験上、お店に入ってなにも感じない人には言葉で説明してもなかなか伝わりにくく、こちらから積極的に説明することは少なくなりました

良さを感じてもらえる人と、この言葉にできない良さを共有する。それで十分。

音楽でも絵でも、うつわでも、「あぁ、いいなぁ」っていう、あいまいな、でも確かな感情ってありますよね。

言葉にすると、かえってどれもうまく表せていないような気持ちにすらなる。

無粋なことを聞いてしまいました。

yae
お店を、商店街の途中でふらっと入る、単なる「通り道」にしてもらいたくないんです。つくり手さんが作った作品を、ある程度の緊張感をもって見てもらいたい。だから、あえてドアは閉めているんです。商店街の方には、「入りやすいように開けとくもんだ」って言われたんですけどね(笑)

なるほどー!! ドアはしっかり機能していると思います! 入るの緊張しましたから!笑

それにさっきから、ドア横のガラスから中を覗き込む人がたくさん見えます。

ドアが開いていれば、入ってきてもらえる気が……

でもそれだけ、作品ひとつひとつや、つくり手さんを大切にされているんですね。

yae
2階では、喫茶をやっています。お食事を盛ったお皿やコーヒーを注いだグラスといった、うつわの『完成形』を見ていただきたくて。喫茶で使ったうつわを気に入って、同じものは売ってないのかって聞かれることもよくあります。無いことも多いんですけれど(笑)
(※2018年1月現在、喫茶は一時休業されています)
yae
お客さんの目を見たら、うつわに興味があるかどうか、手に取るかどうか、だいたいわかりますね。2階の喫茶目当ての人の中には、1階のうつわに目もくれない人もいます。こんなに客層が分かれるのは予想外でした

喫茶まっしぐらなのは若い世代が多いといいます。

確かに、大学生の友人には「うつわに興味がある」という人はなかなか見かけないですね……

やや高価で、学生には手の届かないものというイメージ。

yae
30代以降の落ち着いた方が多いですね。ある程度、経済的に余裕ができてからハマる人も多いみたいです
yae
最近は、iPhoneとかシンプルな、洗練されたものを持つじゃないですか。それで、審美眼(美を的確に見極める能力)が養われているんじゃないかと思います

2階の喫茶で、お食事をいただくことに。(一時休業の前に伺うことができてラッキーでした!)

1階に置いてあるつくり手さんのうつわで提供されます。

うつわが美しいと、料理がより美味しそうに見えるんですね。うつわって大事だなぁ。

私もうつわにこだわれば、家で作る適当ごはんがおいしくなるかも……!?

▲スタッフのmakiさんが作ってくださったグラタントースト。

maki
趣佳のオープンに携わったら、いつのまにか趣佳で働いていました! つくり手さんとお会いするときは、今でもちょっと緊張します……(笑)

とってもおいしそうです!!
……うーん、でも、もっと上手に写真を撮りたい。

どうやったら、もっとお皿や料理の魅力を引き出す撮り方ができるんでしょう?

yae
たくさん盛りすぎず、お皿の面積の3分の1くらいが見えるようにすると、食べ物が映えるそうですよ!
yae
お店でも、オンラインショップやSNS用に写真撮りますけど、お客様のほうが撮り方上手だったりします(笑)
yae
お料理を作って、ちょっと特別なお皿に綺麗に盛って、インスタに載せる。インスタがあって、みんなから反応をもらえるから、うつわにハマる人が今増えているのかなとも思います。見てくれる人が無反応な家族だけだったら、食べればすぐになくなるものを、そんな凝って盛り付けたりしないじゃないですか、普通(笑)
yae
うつわのつくり手さんにとっては、自分の作品がどんな風に使われているか見えるようになったので、モチベーションにもなるし、次の作品につながったりもするみたいですね

Instagramなど、多くの人と共有できるシステムが、お客さんとつくり手さん、双方のモチベーションになっているんですね!

SNSから、つくり手さんと消費者との直接のつながりも見えてきます。

つくり手さんが作品の使われ方を知るだけでなく、消費者が作品の作られる過程をのぞけるというのも、面白いところ。

例えばこちらは、平岡仁さんのInsragram。

うつわを作る工程の一コマと、うつわのファンとのやりとりがみえます。


安土草多さんのInstagramでは、海外の方とのつながりもみえました。


ogu
でも、写真だけじゃなかなか伝えきれないこともあります

と、お店の奥から、黙々とパソコン作業をされているoguさんの声。
oguさんと店長のyaeさんは、同級生だそうです。同級生とお店をやっているって、素敵だなぁ。

写真だけじゃダメって、いったいどういうことでしょうか?

ogu
オンラインショップでは作品の写真を掲載しますけれど、手作りのものだから、同じ作品とはいえひとつひとつ微妙に違うんですよね。すべて載せるわけにはいかないので、仕方なく「個体差があります」って記載しています。梱包するのは私たちなんですけど、同じ作品の中からどれを選ぶかって難しくて。気に入っていただけるかいつも心配にはなります(笑)
ogu
作品とは、一期一会ですからね!

oguさんははにかみながら、そう話してくださいました。
(oguさんの作業の手を止めてしまいました! お邪魔しました!)

なるほど、実際に手に持ってみると、同じデザインのマグカップでも、持ち手のゆがみが一つ一つ違っていたり、重さや色みが少し違ったりするのがわかります。確かに、写真だけでは伝えきれない。

yae
手作りならではのゆがみも、魅力のひとつでしょうね。つくり手さんにもよりますけれど。比較的均一に作る人もいれば、個体差が大きい人もいます
yae
たとえば玉木新雌さんの播州織のショールは、色合いが複雑。同じものはないので、気に入ったものがあったら『一期一会ですよ』とお客さんにはお話してます


▲色合いの複雑さを見せるため、店舗でもショールは綺麗に折りたたまず、くるっと巻いて置いてあります。趣佳のオンラインショップはこちら

つくり手さんの作品は、唯一無二。

ひとつひとつとの出会いが、一期一会。

私が今日触れたショールやうつわには、次にお店に来た時にはもう会えないかもしれない。手元に置きたいところだけど、残念ながら学生の私の懐は寂しく。
いましっかりと目に焼き付けておかなければ、と思うのでした。

後編では引き続き、趣佳のはじまりや、店長のyaeさんの想いについて伺っていきます。
趣佳の雰囲気を、ほんのりと、感じていただけたら幸いです。

後編に続く)

【趣佳プロフィール】
Mission: つくる楽しみや、ストーリーのあるものを愛用していく楽しみを、多くの方に知っていただくこと。
実店舗では、正規的に若手を中心にした陶芸家の企画展を開催
オンラインショップは、播州織のショールのほか、作家ものの陶器やガラス作品などを常時販売している(趣佳Facebookより)

所在地:大阪市中央区谷町6-15-22 (空堀商店街)
営業時間:11:00~19:00(定休日:木曜日+不定休)

オンラインショップ http://syuca.jp/
Facebook https://www.facebook.com/syuca.jp
Instagram https://www.instagram.com/syuca_jp/
Twitter   https://twitter.com/syuca_jp/

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