7つのキーワードで振り返る2017年のインバウンド市場

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こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。
2017年もあとわずかとなりました。

あなたにとって2017年はどんな年でしたか?

私はまだまだやり残したことがあり、それらをこなしているうちに年明けを迎えそうな気配です。

今回は年末ということで、今年のインバウンド市場を7つのキーワードとともに総括したいと思います。
あなたが思い浮かべたキーワードは入っているでしょうか?

それではどうぞ!

2017年にインバウンド市場を飾った7つのキーワード

1. 韓国

2017年のインバウンド業界を語るうえで「韓国」の躍進は外せないでしょう。

JNTO(日本政府観光局)から発表されている2017年1月〜11月の訪日外国人観光客数の速報値では、韓国からの訪日客は前年から40.6%増の6,461,200人となっています。

11月時点で、首位の中国の6,791,500人に僅差に迫る2位となっています。
しかも、1〜6月の上半期のみの数値だと中国を上回り1位となっていました。

2016年4月に起きた熊本地震の反動があるとは言え、ここまで韓国からの訪日客数がここまで大幅に伸びると予想した人は、ほとんどいかなったと思います。
2018年もこの数字が続くのか? さらに伸びるのか? 非常に楽しみですね。

2017年の月別での訪日外国人数の詳細を知りたい方は、訪問者数速報をご確認ください。

2. 200万人

2つ目のキーワードは「200万人」です。
実は2017年の1月〜11月まで、訪日外国人観光客数が「単月200万人」を下回った月が1回もないのです。

例年12月の訪日外国人観光客数が11月を上回るので、12月も間違いなく200万人を超えてくると思われます。
よって、2017年は単月200万人以上を通年で達成することになるでしょう。
これはもちろん初めてのことです。

表を見ていただければわかりますが、通年で単月100万人以上を達成したのがわずか2年前の2015年なのです。
そう考えると、すごい伸びですね。

また、2017年通年での訪日外国人観光客数ですが2,800〜2,900万人の間に着地するものと思われます。

3. 地方

2017年は多くの外国人観光客が日本の地方都市を訪れた年になりました。

例えば立山黒部は今シーズン、外国人観光客が最多を記録したそうです。

立山黒部アルペンルート:今シーズン、92万9000人 外国人客最多26万3000人 /富山 – 毎日新聞

今年の5月に台湾の台北で開催された「台北国際観光博覧会」に、実際に私も参加してきたのですが、そこでも立山黒部はとても人気でした。

4日間で30万人以上が来場! 台北国際観光博覧会に行ってきた!
こんにちは。イロドリの福島(@maxafuku)です。GW明けに台湾の台北に4日間出張してきました!何をしに台湾へ行ったかというと、1つは台湾企業や、台湾の日系企業などを訪問するため。そしてもう1つの大きな目的が5月5日(金)〜5月8日(月)に開催されていた「台北国際旅行博」に行くことでした。さて、あなたは海外で開催される旅行博覧会に行ったことはありますか?実は日本国内で開催される旅行博覧会と海外で開催される旅行博覧会では決定的な違いがあるのです。そして現地に行ったからこそわかることもたくさんあります。今回は実際に...

なので過去最多というニュースを見ても個人的には特に驚きはなく「やっぱりな」という感想でした。
それくらい人気で、各旅行会社が立山黒部をプッシュしていました。

そして、地方に興味を持つ外国人が増えているのを裏付けるように、「東京へ行きたい」と考える人の割合が低下したという調査結果も発表されました。

訪日外国人、『日本に行くなら東京』の割合低下 : 日本経済新聞

また、今年は地方都市のPR動画が話題になった年でもありました。
メルマガで紹介したものの中から厳選してご紹介しましょう。

まずは広島県呉市の動画。TRFの「CRAZY GONNA CRAZY」の替え歌です。
この動画は日本人を中心に話題になりました。
替え歌ですが、動画の内容はしっかりと作り込まれており、これを観ると呉に行きたくなります。

続いて、山陰のPR動画。
山陰地方の自然の美しさが見事に表現された素晴らしい動画です。
今年の3月に公開されて以降、すでに600万回近く再生されています。
そして、色々な国の人たちからコメントが入っていて、それらを見ているだけで嬉しくなります。

こちらは東北地方のPR動画。
今年の2月に公開され、なんと1200万回近く再生されています。
こちらにもたくさんの国の人からコメントが入っています。

その他にも佐渡ヶ島の佐渡観光協会によるSADO METALなど、かなりユニークな動画がクチコミで拡散された事例が今年は多く見られました。

しかし一方では、炎上してしまい、公開中止に追い込まれるような事例もいくつかありました。
これは非常に残念ですね。

その場所の魅力を知ってもらう手段として、動画はとても有効です。
そして、訪日外国人観光客が地方へ向かう流れは、間違いなく来年以降も続きます。

地方都市のインバウンドはまだまだ始まったばかり!
来年もがんばりましょう!

4. インスタ映え


4つ目のキーワードは今年の流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」です。

この「インスタ映え」は国内に限った話ではなく、外国人観光客も当然意識しています。
実際にTripAdvisorでは旅行者が写真を投稿せずにはいられない「夏のフォトジェニック観光スポット」として、ランキング形式で公開されています。

また弊社のオフィスがある大阪では、道頓堀のグリコやかに道楽の看板などは、昔から観光客のフォトジェニックスポットです。

さらにどんどん新たなフォトジェニックスポットが出来てきています。
例えば大阪ではあの「スーパー玉出」が外国人観光客のフォトジェニックスポットになったり、台湾では「今川焼き」がインスタ映えする食べ物になっています。

【朗報】大阪の「激安スーパー玉出」が外国人観光客の観光名所になっている件
イロドリの小林です。突然ではありますが……、「安売りのスーパー玉出、安売りのスーパー玉出! いらっしゃいませ、いらっしゃいませ〜!」これを読んで脳内再生されてしまったそこのあなた!そう! あなたですよ!なんとこの度、あの大阪の象徴のひとつとも言える「激安スーパー玉出(たまで)」に異変が起こりはじめていることが判明しました。それはタイトルにもある通り、スーパー玉出が外国人観光客の観光名所になりつつあるということです。大阪にゆかりのある人にとっては「あのスーパー玉出が観光スポット?」と思うでしょうし...
今川焼き? 大判焼き? 回転焼き? が台湾ではインスタ映えフードになっていることが判明
イロドリの小林です。今回の記事を書くにあたり、内容の前に私の頭を悩ませたことがありました。それは、「この和菓子の名前を何と表記するか?」です。今川焼き? 大判焼き? 回転焼き? それとも別の名前?あなたの街での呼び名は何でしょうか?日本全国各地で名称が違いすぎて、なかなか「これだ!」と決めることができません(笑)【参考リンク】関東人「今川焼き」 関西人&九州人「回転焼き」 北海道「おやきだろ」 兵庫人「御座候だよね」 『えっ』 - Jタウンネット全国集計の結果、最も支持を集めたのは「大判焼き」で369票(...

この流れは2018年も続きそうですね!

5. 民泊新法


2017年は観光関連の法律の改正が立て続けに成立しました。

最も目立ったのは住宅宿泊事業法(民泊新法)です。

民泊新法が成立、自治体への届出をホストに義務化、営業日数は「年間180日以内」に | トラベルボイス

この成立を受け、楽天などをはじめとする国内の企業がこぞって民泊業界への参入を発表しました。

楽天、民泊でブッキング・ドットコムと提携  :日本経済新聞

住友林業が民泊に参入 中古マンションなど改装  :日本経済新聞

ミサワが宿泊施設事業 マンション改築民泊法にらむ :日本経済新聞

実際に法律が施行されるのは来年6月15日で、現在各自治体による独自の制限などのルール策定が急ピッチで進んでいます。

また通訳案内士法の改正法案も成立し、こちらは年明けの1月4日に施行されます。

資格なしで業務可能になる通訳案内士法、ランドオペレーター登録制度を設ける旅行業法の改正法令を2018年1月4日施行 地域特化型の資格制度新設なども – トラベル Watch

この改正を見据え、大手旅行会社のHISがこの分野への参入を発表しています。

通訳ガイドも「シェア」 HIS、外国人観光客と橋渡し|NIKKEI STYLE

来年は宿泊関連ビジネス、ガイドビジネスで大きな変化がありそうですね!

6. Jアラート


これも流行語大賞にノミネートされたキーワードです。

北朝鮮によるミサイル発射でJアラートが発動された8月29日、私は北海道に滞在していました。
Jアラートの警告音で起こされ、「ミサイルが飛んでくるかも知れないので、安全な場所に避難してください」というメッセージに困惑したのを覚えています。

しかし、私たち日本人はJアラートにより事前に危険を察知することが出来ましたが、その時に日本に滞在していた多くの外国人観光客には情報が伝わっていませんでした。

私の周りでは特に今年は「非常時の外国人観光客への案内」について、議論される機会が増えたように思います。
それだけ、外国人観光客が滞在していることが日常化したということだと思います。

そして、「非常時の外国人観光客への案内」について、各地で様々な取り組みが始まっています。

観光庁の外国人向け災害情報アプリを民間アプリに連携へ、ナビタイムなど訪日アプリで災害情報の確認を可能にする実証実験 | トラベルボイス

災害時の交通情報 運輸局、訪日客向けサイト  :日本経済新聞

訪日客 踏切トラブル 多言語案内で危険周知 – 大阪日日新聞

JR東日本、日光線にて車内アナウンスをスマホに文字配信 – 週刊アスキー

日本は地震や台風など、もともと自然災害が多い国です。
最近はそれに加えて、北朝鮮によるミサイル発射などもあります。

それらの情報を、滞在中の外国人観光客にもしっかりと伝え、安心して滞在してもらう環境を整える必要があります。
今後、日本が観光立国として成長していくためには、解決すべき課題だと言えるでしょう。

7. 観光公害


いよいよ最後のキーワードです。
このキーワードも今年になってよく見られるようになりました。

観光公害とは観光客の増加に伴って発生するさまざまな弊害のことを言います。

今年は特に「京都の観光公害」についてのニュースがたびたび報じられました。

超満員のバス、消えゆく情緒…急増する訪日客に京都苦悩:朝日新聞デジタル

「訪日客は迷惑」京都を悩ます"観光公害" | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online

実際に京都市内に住む人にお話を聞くと、通勤や通学手段として使っているバスが超満員で乗れなかったり、大幅に遅れたりと、日常生活に支障が出ている人も少なくないとのことでした。

これは観光客の増加ペースに交通機関などの整備が追いついていないために起こっている問題です。

そして、それらの整備にはお金はかかります。

京都では、これらの費用捻出などを目的として、宿泊税の導入が予定されています。

京都市の宿泊税、1泊200~1000円 来年10月めど導入  :日本経済新聞

他の地域でも、今後観光客を増やすことを考えるであれば同時にしっかりとお金を落としてもらう仕組みも考え、そこに住んでいる人がしっかりと恩恵を受けることができる仕組み作りが必要です。

観光客も日本を楽しみ、それによって日本人も恩恵を受けることができるwin-winの関係を作っていきたいですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
駆け足になりましたが、7つのキーワードとともに2017年のインバウンド市場を振り返ってみました。
ぜひあなたも「どんなキーワードがあったかな?」と2017年を振り返ってみてください。

イロドリでは今年は、昨年より勤務していた台湾人スタッフの朱が4月より正社員となり、自身のブログを立ち上げたり、Youtubeのチャンネルを開設したりと、さらに活動の幅を拡げています。
台灣OLの日本奮鬥記
台灣OLの日本奮鬥記 – YouTube

実は彼女が企画し撮影したYoutube動画が台湾のYahoo!などで紹介されたりして、閲覧者数を大きく伸ばしたりもしていたんです。

こちらの動画は再生回数12万回を突破しました!

お時間ある時にぜひ見てみてください。

また5月からは大学生のインターンが加わり、社内も一気に若くなりました。
彼らも頑張って記事を書いています。
こちらも年末年始のお時間ある時にぜひご一読をお願い致します。
インターンの部屋

2017年も大変お世話になりました。
来年も宜しくお願いいたします。

それでは良いお年を!!

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