イロドリの小林です。
先日の記事でトリップアドバイザー(主に外国人観光客が利用)と食べログ(主に日本人が利用)の口コミランキングを見比べると、まるで別世界であるということをお伝えしました。
そんな中で、大阪市で堂々1位に君臨し続けているのが「クマ カフェ」というお店です。
そこで直接クマカフェへ訪問して来ましたので、レポートをお届けしたいと思います!
クマカフェとは?
まずクマカフェに関する基本情報を見て行きましょう。
クマカフェは食べログでは口コミは3件(2015年12月時点)ですが、トリップアドバイザーでは200件を超える口コミが投稿されているお店です。
「1位というからには外国人観光客の多い難波近辺かな?」と思いきや、なんと天保山にあります。
大阪に馴染みのない方は分からないと思うのでカンタンに紹介すると、一昔前はデートスポットのひとつだったこともありましたが、今では多くの人が「プライベートで天保山へ行く機会はない」と答えるような場所だと思っていただければ良いと思います。
東京で言うと天王洲アイルとかがそれに近いでしょうか。
「そんな場所でなぜ?」と疑問に思いますが、それには1つ理由があります。
ここには「海遊館」があるんですね。
「え?海遊館があるから何なの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は海遊館はトリップアドバイザーの動物園と水族館のランキングで日本だけでなくアジアでも堂々の1位となった世界に誇る水族館なんです!
(大阪の人でも意外と知らない人が多いのではないでしょうか?)
ということでこの付近には多くの外国人観光客が訪れているのは間違いありません。
しかし、実際には難波や心斎橋、梅田の方が観光客は多いはずです。
ではなぜクマカフェは1位なのでしょうか?
そもそもトリップアドバイザーのランキングはどのように決まっているのでしょうか?
実は以前参加したセミナーでトリップアドバイザーの社員の方の講演でこんなお話をされていました。
細かい仕組みはお教えできませんが、トリップアドバイザーのランキングは「口コミの件数」だけでなく「口コミの新しさ」や「口コミの質」も加味して決まっています。
これは要するに「お客さんにとって価値の高い体験を提供し続けている(そのことが口コミの内容からも分かる)お店がランキングが上がる」ということを意味しています。
実際にクマカフェの口コミを見てみると「Friendly」という単語が随所にあるのが分かります。
また、「日本を楽しむためのアドバイスをしてくれた」という意見もたくさんあります。
クマカフェがお客さんに提供している「価値」とは何なのか?
それを確かめるためにわたしは大阪港駅を降りました。
可愛いクマのぬいぐるみがお出迎え!
11月の木曜日の午後1時ころ。
大阪港駅からクマカフェへ向かうために海遊館方面に歩いて行きます。
平日のランチタイムも終わった時間ということもあってか、あまり人通りはありません。
たまにすれ違うのは外国人観光客らしき人ばかりです。
ランチタイム時だとまた違うのかもしれませんね。
それと「外国人観光客が増えているエリアなので外国人向けのメッセージやメニューを貼り出している店が多いのかな?」と思っていたのですが、意外と見当たりませんでした。
「日本人のお客さんだけで良い」というお店の方ももちろんいらっしゃるので詳細は分かりませんが、もし「外国人のお客さんにも来て欲しい」と思われているお店であればもったいないなと感じてしまいます。
しばらく歩くと海遊館(というより天保山マーケットプレース)の入口に到着します。
左手に見えるのはアジア1の水族館である海遊館です。
クマカフェは左手前にあるのですが、一旦道を渡って入口付近へ行ってみます。
入口付近にはこんな巨大キリンの模型がありました。
「これは何だろう?」と思ったのですが、実はこれレゴでできているそうですよ!
なぜかと言うと2015年4月にレゴランド・ディスカバリー・センター大阪がオープンしたからだそうです。
このキリンをバックに外国人観光客の方々が楽しそうに写真撮影をされていました。
そしてもう一度道を渡るとそこにクマカフェがあります。
店頭には看板と可愛いクマのぬいぐるみが。
Wi-Fi環境もあって外国人観光客にとってはありがたいですね。
落ち着いた店内と豊富なメニュー
早速お店へ入ってみました。
店内にはカップルらしき外国人カップルが座っていて、2人の間に身体の大きな白人男性が片膝をつきながら何か書いています。
こちらへ振り返ったその男性は笑顔で「いらっしゃいませ」と言ってくれました。
どうやら彼がオーナーのようです。
事前の調べでオーストラリア人男性がオーナーであることは分かっていたのですが、日本語がどこまで通じるのか分からなかったためひと安心です(笑)
さらに奥からとても感じの良い日本人女性スタッフさんが「お好きな席にどうぞ〜」と丁寧に案内してくださいました。
一番奥の席に座り、店内の様子をパシャリ。
ちなみに奥に写っているカップルの女性と被ってしまって見えないのですが、オーストラリア人オーナーのポールさんがそこにいます。
「メニューを取るにしてはえらい長い時間説明してるな〜」と思っていたのですが、途中でそれが違うことに気付きました。
実はポールさんは2人に何やら日本で旅行する上でのアドバイスをしていたのです!
わたしが注文した後もその光景は続いたので10分以上は説明していたんじゃないでしょうか。
「これが高評価の理由の1つか」とクマカフェのホスピタリティの高さを知ることができた気がします。
店内はいたるところにアートとクマが飾られており、少し薄暗い雰囲気が気持ちを落ち着かせてくれます。
さらにゆったりとしたBGMがリラックスさせてくれて良いですね。
女性スタッフさんに「なんでクマカフェっていうんですか?」と聞くと「ポールがクマが好きで、見た目もクマさんみたいなので。」と教えてくれました。
ポールさんを見てみると…確かにクマっぽいかも!
そしてメニューは日本語版と英語版がちゃんと用意されています。
まずは日本語メニュー。
続いて英語メニュー。
料理やドリンクの種類も豊富です。
何を食べようか悩んでいると先ほどの女性スタッフさんが気にかけてくれたので「ちょっと何を食べようか迷ってしまってまして(笑)」と相談すると「ピザやハンバーガーがオススメです」とのことだったので、ピザを注文することに。
ハーフ&ハーフもできるとのことだったので「熊チーズピザ」と「熊メキシカンナチョスピザ」のハーフ&ハーフにしました。
サイズは「Sサイズでも結構大きいのでSで大丈夫だと思います」とのことだったのでSサイズを注文。
ドリンクは悩んだ挙句マンゴージュースにしました。
サイズは特大!味は絶品!
最初にマンゴージュースが出て来ました。
この写真だと分からないかもしれませんが、とにかくデカい!です。
高さはiPhone6 Plusと並べてもこの通り。
直径も大きいので相当な量です。
男性(特に欧米圏の方)には嬉しいサイズですね。
そして待つこと約15分。(注文してから焼いているのでちょっと時間が掛かります)
待ちに待ったピザが出てきました!
めちゃめちゃデカいです!笑
おそらく幅は30センチ以上ありそうです。
「Sサイズでも結構大きいって言ってたけど大きすぎる…。」という心の声が聞こえたのか分かりませんが、女性スタッフの方が素敵な笑顔で「食べきれなければお持ち帰りもできるので遠慮なく仰ってくださいね♪」と言ってくれました。
「じゃあ、食べきれなかったら持ち帰ろうかな」とも思ったんですが、食べてみるとこれが美味しい!
ノンストップで食べれてしまいます。
生地は薄めのサクサクタイプ。
濃厚なチーズのピザを楽しんだ後にちょっぴりスパイシーなメキシカンナチョスを食べると違った味が楽しめて最高です。
気付いたら残り3枚くらいになっていたので結局完食してしまいました(笑)
でも、カップルや女性同士であれば2人で分けてちょうど良いボリュームだと思います。
クマカフェのボリューム感、恐るべし…。
でもとにかく味が美味しいので人気の理由がよく分かります。
クマカフェが人気ランキング1位の本当の理由
もちろんクマカフェの料理の味は美味しいのですが、それだけで人気ランキング1位になれるはずはありません。
冒頭にもあったように「良い体験」を提供し続けることが大切です。
そして今回は短時間の滞在でしたが、その理由を少しだけ知ることができたと思います。
まずは口コミにも多く書かれていたポールさんのホスピタリティの高さです。
実はわたしが入店してすぐに店内は満席になってしまいました。
(かと言って外国人観光客ばかりじゃないんですよ。それは後ほどご説明します。)
そこへある外国人観光客のカップルが店へ入ろうとしたのですが店内の混み具合を見て引き返そうとしました。
そこですかさず女性スタッフがカップルに声を掛け何やら話した後にポールさんを呼びます。
小走り気味に店頭へ行ったポールさんはカップルと何やら話すとカップルは店内に入って来ました。
そして入口付近にあるクマのぬいぐるみを動かしてカップルをソファに座るよう促しました。
その後すぐにWi-Fiの接続情報が書かれた紙をカップルに渡していた光景を見るに、恐らく「今は満席だけどもうすぐ席が空くからメニューを見ながら店内で待つのはどう?Wi-Fiもあるからゆっくりしていきなよ。」的なことを話していたのではないかと推察します。
最初のカップルへの旅のアドバイスもそうですが、ポールさんが「コミュニケーションを大切にしている」ということがよく分かる印象的なシーンでした。
もちろん言葉の壁や業態の違いがあるのですべてのお店でできることではないですが、クマカフェの高評価の大きな要因がここにあることは間違いなさそうです。
それに他のスタッフの方もとても丁寧かつ素晴らしい接客で、とにかく居心地が良いんです。
そしてもう1つ。
外国人観光客が急増し、それによってインバウンド市場の注目度が日々増しています。
実際、弊社にも日々たくさんのお問い合わせをいただいている状態です。
まさに今インバウンドは「ブーム」です。
事実、2015年の流行語大賞は「爆買い」でしたし、「インバウンド」もノミネートされていました。
しかし、「ブーム」にはいつか終わりがやって来ます。
今は政府が2020年の東京オリンピックに向けて円安誘導やビザの緩和、免税店の拡充などの施策を打つことで外国人観光客数を順調に伸ばしていますが、2021年以降にこれが「ブームとして終わってしまうのか」、それとも「文化として根付くのか」はこの4年強次第です。
「爆買い」も「爆」というくらいですから一時的なものです。
円安路線が終われば買い物目当ての観光客は激減するかもしれませんし、政治的な衝突があった場合も同様です。
そんな状態になったとしても「日本へ旅行に行きたい」と思ってもらうには日本でしかできない体験をもっともっと提供することが重要です。
そんな視点から見た時にわたしはクマカフェという空間に「日本の理想の未来」を見た気がします。
ちょっと大袈裟な表現かもしれませんが、本当に見た気がしたんです。
入口付近には外国人カップルが座っていてポールさんに旅の情報を教えてもらっている。
私の隣に目をやるとベビーカーを持った2人の日本人のママさんが可愛いお子さんを連れて会話を楽しんでいます。
そこへハンバーガーを運んで来たポールさんが子供たちに笑顔で話しかけ、子どもたちも嬉しそうにニコニコ笑顔。
私の正面の大きなテーブルでは5人の若い日本人男女グループが音楽か芸術関係の活動をしているのか、ランチを楽しみながら意見交換しています。
そしてその奥には観光で疲れた足をソファで休めながらスマートフォンでSNSや次の行き先をチェックしている外国人カップル。
そこにいるみんなが「自然体」です。
この空間では「日本人」とか「外国人」という括りや隔たりはまったくなくて全員が大切な人との時間を楽しんでいるように感じました。
「できればここでもっと時間を過ごしたい!」と思っていましたが、さすが人気ナンバー1のお店。
次から次へとお店の前にお客さんがやって来ます。
中には店内の混雑を見て諦めてしまう人も。
クマカフェを楽しみにして来られた人も多いはずなので、それを邪魔する訳にはいきません。
最後にポールさんに御礼を伝え、記念写真の撮影をお願いすると快く承諾してくれました。
美味しい料理と素敵な空間を楽しませてくれたポールさん、そしてクマカフェのスタッフさん、ありがとうございました!
まとめ
トリップアドバイザーで大阪市でのランキング堂々1位のクマカフェさんですが、いかがでしたでしょうか?
当日は特に事前アポを取らずに伺ったのにも関わらず、まさにフレンドリーな対応をしてくださいました。
また、「トリップアドバイザーで1位」について女性スタッフさんに聞いても「ありがたいことに1位というのは知っていますが、それもすべてお客様のおかげですので。」とそれに拘っているという雰囲気は一切ありませんでした。
正直最初は「日本人の自分が行っても大丈夫だろうか?」などと考えていたのですが、逆に失礼でしたね。
クマカフェは国籍関係なく、すべての人が素敵な時間を過ごせる名店でした。
以前ご紹介した「月のおどり」さんもそうですが、外国人が教えてくれる日本の名店はまだまだたくさんりそうです。
もし海遊館の近辺に行かれることがあればぜひ「クマ カフェ」へ訪れてみてください!オススメです!
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